安全管理のコラム第8回「安全についての世間話」 2016年6月

仕事柄、いろんな体験施設や公園、ボランティア団体などを訪問しますが、
雰囲気がゆるせば、管理者やスタッフに事故や怪我など安全についての
お話を聞いてみたりしています。

相手がイヤな気持ちになったり、ドキッとするかも、と心配なので、
重たくならないように気をつけながら。
例えば、
「いやぁ、この前うちで 観察会やった時スズメバチと出くわしちゃって…。
今年、こちらではスズメバチどうですか?」とか、
なるべく自分に起きた出来事を先にしゃべった上で尋ねるようにしています。
その後、
「これまでスズメバチの事故とかありました?」と詳しく訊くこともありますし、
ただ世間話を続ける場合もあります。

問題意識としてあるのは、ボランティア団体や指定管理者がいるような
大規模公園、キャンプ場、まちづくりイベントなどでの事故や怪我って、
(新聞沙汰にならない限り)あまり共有されないということです。
身内の事故や怪我って、あまり公表したくありませんしねぇ…。
言いたくないことを無理 に訊きほじるのはよくないことですが、施設や地域、
団体を超えて共有することで役立つ情報もたくさんあるように思っています。

反面、登山やカヤックなど比較的「ハード」な体験活動を楽しむ人の間では
安全管理に関する情報交換はとても盛んだと感じます(特に飲み会では!)。
ボランティアやまちづくりの分野でも、マジメかつオープンに
安全管理について意見交換や情報共有できる文化を作っていきたいです。

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安全管理のコラム第7回「戦略的お茶コーナー」 2016年5月

戦略的お茶コーナー…

それはお菓子をたくさん用意したお茶コーナー(笑)。

熱中症に注意しましょう!という言葉。夏場によく聞かれますが、
ちょうど今からの5〜6月の暑い日が一番危険なんじゃないかと思っています。
まだ身体が熱さに対応していない感じがしますし、予想外に暑くなって服装が
あわなくなったり…。梅雨前後の湿度の高さと相まって、暑さや水分不足で
バテてしまうことがあります。
対策としてはこまめな休憩と水分補給が一番。しかし里山保全活動では、
休憩してお茶を飲むより作業を続けたいという熱心なボランティアさんも
時々いらっしゃいます。

グリーンシティ福岡の現場活動では、少しでも休憩の時間を楽しく、魅力的に
しようとお茶やお菓子を十分に用意するようにしています。その時に注意して
いるのは、甘いものと塩っぱいものを両方用意すること、暑さで溶けるもので
ないこと、遠慮しないように大袋は空けておくこと、などです。
ただ、気心の知れた、いつもの顔ぶれ同士のボランティアグループだったら、
基本各自で飲み物を準備するのがよいと思います。私たちの場合は、
初顔合わせや初心者、家族連れの方が毎回参加するので、このような工夫を
しています。

たかがお茶コーナー(笑)、と大げさに思うかもしれませんが、
めんどくさがらずに水分補給してもらうのは安全管理上とても大事。
もし朝寝坊して朝食を抜いた人がいたとしても、ちょっと口にすることもできます。

お茶菓子の経費について、おやつコーナーの真ん中に「おやつカンパ」の
募金箱を設置すると皆さん快く応じてくださいます。ほとんどの助成金が
このようなお茶やお茶菓子が助成対象外になっていますが、
救急セットと同じくらい必需品だと思うけどなぁ!

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安全管理のコラム第6回「使える救急セットにする」 2016年4月

今回は「救急セット」

 グリーンシティの救急セットは厚手のジップロックを容れ物にしています。
  ・かさばらなくてリュックにも入れやすいこと。
  ・透明で中身が確認しやすいこと。
  ・ぬれにくい、もれにくいこと。
  ・安いこと。
 が利点です。

 セットの中身は以下の通り。
  絆創膏、使い捨て目薬、虫さされ薬(抗ヒスタミン軟膏)、毛抜き、
  ハサミ、ティッシュペーパー、サージカルテープ、テーピング、
  三角巾、包帯、ガーゼ、綿棒、ポイズンリムーバー、使い捨て手袋
  これに、別途、飲料用にもなるPETボトルの水を持っていきます。
 参加者に対して内服薬は出さないようにしています。
  また、水で洗浄することはありますがマキロン的な消毒は行いません。

 使える救急セットにするポイントは2点。
 一つは、使える技術を身に付けておくこと。テーピングの仕方や
 止血の方法などを練習しておきたいものです。
 もう一つが点検・補充すること。グリーンシティでは4月と10月に
 「救急セットの棚卸し」を行います。

  先日、ボランティアのKさんがチェックしてくれ、
  使い捨て目薬と虫さされ薬(抗ヒスタミン軟膏)を入れ替えました。
  テーピングやガーゼ・包帯類も古くなったら
  練習用に使って入れ替えるとよいと思います。

 中身のリストをカードにして、点検日をチェックできるようにしておくと
 いいですね。いざ使おうと思ったら使用期限が過ぎていた、なんてことが
 無いように気をつけましょう。

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安全管理のコラム 第5回「ヒヤリハッと研究」 2016年3月

活動やイベントの後のふりかえり。
いつも「KPT」の手法で
「良かった点(K)」
「悪かった点(P)」
「次回に向けた改善点(T)」
を記録するようにしています。

特に野外の活動では,「悪かった点」の一部として「ヒヤリハッと(以下,HH)」を

意識して出すようにしています。
HHの例)・ノコギリで手を切りそうになった,
      ・気分が悪くなった参加者があった
      ・たき火でうっしーの前髪が焦げた

グリーンシティでは,毎回の活動で蓄積したHHの記録を活かして,
3ヶ月に一度,スタッフによる内部研修「HH研究」を行っています。
そのやり方をご紹介します。
(CONEのリスクマネジメントディレクター研修で行った実習を
 グリーンシティ福岡でアレンジして行っているものです。)
 
 0)3ヶ月分の記録からHHを箇条書きで抜き出す。
   例えば,2015年11月〜2016年1月の期間では,
   9つのイベントで25個のHHがありました。
 1)抜き出したHHのリストを読み上げて当時の様子を思い出す。
 2)気になった事例を1人1つずつ選ぶ(スタッフ3人なので3つ)。
 3)1つ目の事例について,なぜ起きたのか?どうしてそのような
   判断をしたのか?くり返し質問して掘り下げる。
 4)その上で対策を考える。
 5)対策を実行するために,書式に組み込んだり,フリップや道具を
   揃えたりする「仕組み化」を考え,その担当者を決める。
 ※2つ目以降の事例について3)〜5)を繰り返す。

時間を置いて実際に起きたHHを思い出し,
あらためて安全対策を考えることは効果的です。
グリーンシティ福岡では2月,5月,8月,11月に「HH研究」を行っています。

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安全管理のコラム 第4回「KPTとヒヤリハッと」 2016年2月

 会議ファシリテーションの分野では定着してきた感のあるKPT。
 団体の安全管理を考える上でも大事な手法です。

 KPTとは、Keep, Problem, Tryの頭文字。「ケプト」と読んでいます。
 イベントやワークショップが終った後のふりかえりで、
 「良かった点(K)」「悪かった点(P)」「次回に向けた改善点(T)」に
 分類しつつ意見を出していくという手法です。良いor悪いの両方の意見が
 出やすいことや、次回の具体的な改善提案を意識して考える点などで
 よいフレームワークだと思います。

 特にグリーンシティ福岡では「悪かった点(P)」の中で「ヒヤリハッと」を
 記録することを心掛けています。「ヒヤリハッと」とは事故や怪我まで
 にはならなかったけれど、怪我をしそうになったり、ヒヤリとした
 出来事のこと。ノコギリで手を切りそうになったとか、気分が悪くなった
 参加者があった、とかです。

 毎回のイベントやワークショップ後のKPTの積み重ねが、スタッフの
 トレーニングやプログラムの改善になりますし、その中で、ヒヤリとした
 出来事を記録していくことは、安全管理に重要な「目」や「意識」を
 育てていくことになる!と思っています。

 3ヶ月に一度、たまった「ヒヤリハッと」の記録をどのように活用するか、
 来月のコラムでご紹介します。

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安全管理のコラム第3回「リスクマネジメント・チェックリスト」 2016年1月

第3回「リスクマネジメント・チェックリスト」

 野外で活動する団体は「安全マニュアル」の整備が必須。
 しかし、分厚いマニュアルを毎日見るというのも大変なので、
 ポイントを抜き出して「リスクマネジメント・チェックリスト」を作っておくとよいです。

 グリーンシティ福岡は「計画」「事前準備」「実施」「事故発生時」「日常」の5段階に分けて
 59項目のチェックリストを作っています。
 箇条書きでA4判2ページくらいの分量です。例えばこんな項目。
   ・天候変化に対応できる代替プログラムは検討したか?(計画)
   ・参加者の年齢層や経験度合いを把握できているか?(事前準備)
   ・参加者の服装や保護具等に不備はないか?(実施)
   ・落ち着いて自らの安全を確保したか?(事故発生時)
   ・類似する活動の事故情報を収集しているか?(日常)
 一つ一つのチェック項目は当たり前のことばかりですが、
 漏れ・抜けが起きないようにしようと心掛けています。

 作成することと同じくらい大事なのが「必要なタイミングで目に留まる場所に置いておくこと」。
 「計画」や「事前準備」に関する項目は、スタッフミーティングをするテーブルの近くに
 ラミネートしてぶら下げておいたり、「実施」や「事故発生時」に関する項目は、
 手持ちの進行表の書式(原本)にあらかじめ記載しておいたり…。

 (イヤでも,笑)目に入るようにしておきましょう。

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安全管理のコラム 第2回「事故事例収集」 2015年12月

 今回は「事故事例収集」について。

 新聞やネットニュースなどで,自分が所属する団体や企業などでも起こ
 りうる事故事例(の記事)を見つけたら,コピペしてWordかなにかに
 貼付け,フォルダに入れておきましょう,というお話です。

 グリーンシティ福岡では,林業や森林ボランティア,自然体験プログラム,
 登山・アウトドア,公園や街路樹に関わる事故などを収集しています。
 1件につき1ファイルで,名称は年月日と地名。共有フォルダ→安全マ
 ニュアル→事故事例収集というフォルダの中に格納しています。
  【事故事例】121118岐阜県大垣市.doc
  【事故事例】130508山形県山形市.doc
  【事故事例】130728青森県三沢市.docなど
 後日,事故の続報があった場合は同じファイルの2ページ目以降に追記
 しています。

 何年か事故事例の収集を続けて,勉強になることも多いです。(山菜採
 りでの事故が毎年多いとか,スズメバチの事故で被害が大きくなるパタ
 ーンとか,事故後の裁判や補償の争点とか…)
 また,実際に置きた事故事例を題材に安全講習を行うこともあります。

 しかし一番の目的は「たぶん大丈夫やろう」という気持ちを,「起きる
 かもしれない」という気持ちに切り替えることかもしれません。
 安全管理にはいろんな仕組みやマニュアルがありますが,真剣さや切実
 さが無いとかたちだけになります。実際に置きてしまった事故から学び,
 少しでも事故を減らすことが大切です。

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安全管理のコラム 第1回「安全管理」 2015年11月

 グリーンシティ福岡は結構、日々の安全管理を意識しています。
 朝礼・終礼で使う「二週間工程表」の書式には日々のチェック項目があり

 イベントごとに作成する「実施計画書」の表面にはリスクアセスメント,
 裏面には直前チェック項目があったりします。他にも,保険の加入や日々の
 事故事例の収集、四半期ごとのヒヤリハッと研究と救急箱の整理など…。

 きっかけの一つは2012年11月に岐阜県で起こった落枝事故。森林体験
 講座の一環で、間伐作業を離れたところから見学していた小学1年生の
 頭にスギの枯れ枝(長さ約3m)が落ちてきて、その後、亡くなった痛ま
 しい事故です。

 この事故を知り、たとえ刃物を使った作業でなくても重大な事故は起こり
 うること。活動フィールドを見て危険を判断する目を養うことが大事であ
 ることを痛感しました。都市部での活動が多い私たちですが、身近な自然
 とは言えあなどらず、二度とこのような事故が起きないようにしていきた
 いと思っています。

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