第11回 タブノキの花 2019年3月

3月14日に息子が幼稚園を卒園しました。


送り迎えをする最後の日、幼稚園バスを待つ子供たちの頭上では、
2月から膨らんでいたタブノキの冬芽が華やかに開いていました。
風が吹くと花を包んでいた冬芽の鱗片がはらはらと舞います。

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タブノキの花
茶色の薄い花びらのようなものが冬芽を包んでいた鱗片。

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2月の冬芽の様子

時にのんびりと、時に時間がなくて走りながら、送り迎えを楽しんだ1年。
道中で息子と楽しく、色々な生きものを観察しながら歩きました。

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お気に入りのコケポイントでコケを触る息子

自分たちが住んでいる町にはどんな生きものが暮らしているだろうか。
意識しないとつい車ばかりで移動してしまう毎日ですが、歩くと季節ごとに
たくさんの発見があります。
これからも時々ご近所を歩いて、足元の生きものや自然を身近に感じながら
生活していきたいと思います。4月からは新しいお題でコラムを書く予定です。
これからもどうぞよろしくお願い致します!

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第十回 電線に止まるスズメ 2019年2月

2月になり冬らしい寒さが続いています。
寒い朝はなぜだか小鳥の声が響き、よく聞こえてきます。
小さい体で元気だなぁ。
息子もすぐに電線のスズメに気づいて、数を数え始めます。
「おかあさ〜ん、15羽おるとよ!」

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スズメをかんさつする息子


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電線のスズメ

「ねぇ、なんで電線に止まっているのに、ビリビリならんとー?」
「え、なんでだろう…。」答えられない私。
まぁいいやという感じで、息子は幼稚園バスに乗って行ってしまいました…。

5歳の息子に「ボーッと生きてんじゃねーよ!」と言われたような気持ちに
なりました(笑)
母は真剣に調べてました。
そして、その答えは「1本の電線に止まるから」だそう。

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電気は電圧の高い方から低い方へと流れる性質があります。
1本の電線上の鳥が触れた右足と左足の地点では、電圧の
高さの違いがほとんどなく、そのため、電気は鳥の足に
伝わることなく、電線上のもっと電圧の低い方へ向かって
流れていくそう。
電線と鳥の体では、電線の方が電気が通りやすいため、
鳥の体には電気が流れないのです。
ただし、鳥が羽を広げて別の電線に触れたり、2本の電線に
またいで止まったりした場合は感電してしまいます。

毎日新聞 疑問氷解より
https://mainichi.jp/articles/20170904/kei/00s/00s/013000c
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スズメアップ.jpg
1本の電線に止まるスズメ

子どもたちの質問には時々ハッとさせられます。
鳥たちがちゃんと1本の電線に止まっているかどうか、
時々確認しながら街を歩きたいです。

第九回 イラガの繭 2019年1月

私たちの最近のブームは樹木の幹に付いたイラガの繭を見つけながら歩くこと。
ブームの始まりはお正月のある日。息子が街路樹を指さして叫びました。
「お母さん!あれなに?丸い小さな石みたいなのが木にいっぱい付いとうよ!!」

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幹にたくさん付いているのが見えますか?

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これはイラガの仲間の幼虫の繭で、穴が開いているので、中の幼虫が成虫になり
出て行った後の殻です。殻は触るととても硬いです。

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これは以前近くで撮った幼虫の写真(ヒロヘリアオイラガ )です。
※毒針を持っているので触ると痛いです。

B繭ここだよ.jpg
どの繭も丸いきれいな穴が開いていました。
こんな硬いのにどうやって開けたんでしょうね。

中には蓋が取れずに残っている殻もありました。
D蓋が.jpg

今日も街路樹を見ながら、「あ!あった〜!こっちにはないよ〜!」と
イラガ繭チェックしながら歩きます。
目が慣れたのか、普通に歩いていてもイラガ繭に目が行くようになりました(笑)
こうして歩くと、いろんなところに付いているものだと感心します。

しかし見つけた繭はどれも穴あき...
まん丸の穴なし繭を見つけるのがこの冬の目標になりました。

第八回 野の花たち 2018年12月

寒くなり、朝布団から中々出てこない息子。
時間が無くなり、バタバタと家を出て急ぎ足でバス停に向かいます。

小走りでいつもの道を通り、空き地を横目に急げ急げ!

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・・・ん?あれ?花が咲いている!?
しかし、時間がないのでスルーします。

息子を送り出し、ホッと一息。帰り道をのんびり戻ります。
改めて空き地の花を見てみることにしました。
ホトケノザやナズナ、ヒメジョオンなどがたくさん咲いていました。

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ホトケノザ

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ナズナ

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ヒメジョオン

花期と外れていても、陽の良く当たる場所や地温が高いところではこんな風に
花が咲くことがあるようです。今年の12月頭は例年になく暖かかったので、
咲いたのかもしれませんね。


明日はこの咲いている花たちを息子と楽しみながら歩けるように、
朝の支度を頑張りたいと思います!

第七回 アシナガグモ 2018年11月

いつもの送り道。室見川を渡る橋で気になってしまうのが、欄干に張り巡らされた
沢山のクモの巣です。

台風が過ぎ去った後にはほとんど無くなり、よい天気が続くと巣が増えているのです。

室見新橋.jpg
室見川の橋

歩きながらクモの巣チェックをしていた息子が「あれ〜?みんなお留守だね!」と一言。
クモがどこかにいるはず!と探しましたが、中々見つかりません。

クモの巣.jpg
クモの巣(少し見えづらいです、ご容赦ください!)

これかな??やっと巣の近くの手すりに休んでいたクモを発見!

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アシナガグモ

調べてみると、アシナガグモというクモでした。昼は長い足をまっすぐ伸ばして、葉裏
などに隠れています
(船曳和代・新海明 2008 クモの網 INAX出版)。
クモは網の上で待ち伏せしているイメージだった
ので、一旦網から下りて、近くで隠れ
ているとは驚きでした。

夕方から網の上に戻るそうなので、網の上にいる様子を一度確かめてみたいです。

同じ欄干にこんな巣も見つけました。

もうひとつのクモの巣.jpg
もうひとつのクモの巣

調べてみましたが、今回は何というクモの巣なのか分からず。
それでも朝日に当たるクモの巣はキラキラと光り、とても美しいです。 

第六回 おっきいサギ 2018年10月

運動会前、リレーの練習で走りながら登園した息子。
幼稚園年長にもなると結構速く、私もジョギングを毎朝することとなりました。
毎朝、室見川の橋を渡るのですが、走りながらでも川に鳥たちの姿を見ることが
できます。

「今日もおっきいサギいるね!」
子供でもすぐに見つけることができるのはアオサギの姿。
背中が灰色の日本で一番大きなサギです。
「ちっちゃい白いサギが5羽だ〜!」
コサギの姿も見られます。
「おっきい白いサギもいた〜」
ダイサギのことです。

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室見川のサギたち(左からコサギ5羽、アオサギ、カワウ4羽、ダイサギ)

息子が叫ぶたびに私は「アオサギっているんだよ。小さな白いサギはコサギだよ。」と
説明していたのですが、おっきいサギ=アオサギ、ちっちゃい白いサギ=コサギ、
おっきい白いサギ=ダイサギと、彼なりに毎回同じように呼んでいることに気づき
これで十分だなと思いました。

それにしてもアオサギは大きく立派な野鳥だなと見るたびに思います。
身体が大きいというのはそれだけで神々しく見えるものですね。

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アオサギ(長い首を縮めて止まる姿)

毎朝、姿を見せてくれるサギたちが、変わらずに風景の中にいてくれますように。

第五回 夏休みの“ヤモリ出” 2018年9月

今年の夏は本当に暑かったですね。

長く外に出られず、出ても暑くて暑くて、生きものに中々出会えませんでした。
今回は送り迎えで会う生きもの「番外編」、夏休みで一番子供たちの心をつかんだ
ヤモリについてのお話です。

香川県の親戚のおうちにお泊りしたときのこと。
田んぼに囲まれたこの家に泊まるのが、毎年楽しみです。子供たちは夜にヤモリが
出てくることを覚えていて「まだかなぁ」と待ちわびます。
夜八時を過ぎたころ、いつものヤモリさんが登場!
台所の窓にかわいい影が時々チョロチョロと動き、子供たちが歓声を上げます。
そしてたまらず「外からも見てくる!!」と家を飛び出します。

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窓に張り付くヤモリ

このヤモリさん。なぜ毎日出てきてくれるのでしょう?
それは台所の灯りに集まってきた小さな虫を食べるためです。この話題になると
「うちの実家も田舎だったから、よくヤモリが窓に張り付いていたよ〜!」と話して
くれる友人が多いです。
そして実は新しい自宅マンションの駐輪場でも時々見かけることができるのです。

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駐輪場のヤモリ

決して珍しい生きものではないのですが、台所の窓のヤモリさんは、まさに
“会いに来てくれるアイドル”です!なぜか会えるととても嬉しくなります。
子供たちの夏休みの思い出の1ページにもしっかりと記憶されました。

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夏休みの絵日記

第四回 ダンゴムシ 2018年8月

幼稚園バスがやってくる道沿いの街路樹の下。落ち葉をめくると驚くほどたくさんの
ダンゴムシたちがいます。ダンゴムシが大好きな息子はいつもここでダンゴムシを
探し、手のひらいっぱいに集めて、十分に遊びます。
バスを降りて先生とさようならした後の中々帰れない時間…。
それならばと最近手に入れた「スマホでマクロレンズ」で私も楽しむことにしました。
スマートホンのカメラレンズにクリップ式で付けられるもので、小さい被写体を接写
で大きく写すことができます。

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ダンゴムシなら、すぐに見つかるし、動きも遅いし、簡単に撮れるだろうと思ってい
ました・・・が!実際にレンズを向けてみると、意外と足が速い!
中々止まってくれないのです。

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自分がもしダンゴムシと同じくらいの大きさと考えてみれば、早歩きもしくは小走り
くらいの速さでしょうか。

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早歩きのダンゴムシ

なんとか撮れたものの、歩いているダンゴムシを撮るのは難しい!ならばお食事中の
ダンゴムシを狙います。
やっと古いどんぐりを食べているダンゴムシを発見し、パシャリ。

201808-4ドングリ食べる.JPG
ドングリを食べるダンゴムシ

なんとかダンゴムシのかわいい目も写り、ミッションクリア。
こうしてアップで撮影してみると、ツヤツヤと光沢があり、よく出来た美しい形をして
いると思いました。熱心にダンゴムシを追いかけ、撮影する母を見て、息子も嬉しそう。
「ここにも大きいのがいるよ!」と教えてくれます。
今度はこのマクロレンズで何を撮ろうかな。

ちなみにこのレンズ、福岡市環境局さんがヒアリの啓発グッズとして配布していたの
をいただいたものですが、キャンドゥなどの100円ショップでも販売しています。
「スマホで広角&マクロレンズ」というのが商品名です。花なども細部まで美しく撮る
ことができますよ!

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こんなパッケージです。

第三回 幼虫みーつけた!! 2018年7月

息子が喜んでくれそうな虫、何かいないかな〜。
一見生きものがいないような場所で、虫探しをするコツがあります。

かんさつ隊201807.jpg
この日は、フェンスの葉っぱに虫がいないか探してみました。
葉っぱをくまなく探してもいいのですが、おすすめなのは下にも何かないか、よく見て
みること。
ラッキー、ありました! みつけた落とし物は、虫のウンチです。

フンひき201807-2.jpg
見えますか?
フンアッフ?201807-2.jpg
緑色のかたまり。これ、フレッシュな虫のウンチです。

次に、このウンチがどこから落ちてきたのか、予想して探します。
すると、第二の痕跡、葉っぱの食べた跡が見つかりました。
虫食い201807.jpg
まだ新しそうな食い跡

さらに、虫食い葉っぱのまわりを探します。
ホシホウシ?ャク幼虫201807.jpg
みーつけた!

この幼虫はスズメガの仲間、ホシホウジャク。葉っぱの裏にいました!
しかも葉っぱにそっくりな色なので、ただ植物を見ていても見つからなかったでしょう。

名前を調べる時には、幼虫と葉っぱ、どちらの写真もしっかり撮影することが大切です。
ホシホウジャクはヘクソカズラというツル植物の葉っぱを好んで食べるそう。
ヘクソカズラの葉っぱは名前の通り屁のように臭いと言われ、久しぶりに嗅ぐと独特の
においがしました。

何気なく見ているフェンスに巻き付いた小さな緑でも、こうして生きものを支えてくれて
いるのですね。しかし数日後、ここはきれいに整備され、フェンスは丸裸になりました。
とても残念!

 

第二回 ナメクジ 2018年6月

雨の日の送り迎えは大人にとっては少々気が重くなるもの。息子はというと、いつもより
嬉しそう。子供は雨や水が大好きですね。
最近では「ナメクジを数えながら行こう!」と張り切る息子です。

ナメクジを探しながら歩いて分かることは、雨だからといって、ナメクジがどこにでも出て
くる訳ではないこと。だいたいナメクジポイントは決まっています。
道やコンクリート塀に張り付いているのですが、すぐ近くに草原や植え込みがあること。
乾燥に弱い彼らにとっては、陽が出たときに逃げ込める場所があることが大事と推測されます。

多いときには、幼稚園のバスが来るところまで、30以上数えることもあります。

ナメクジについて調べると、発見が二つありました。
一つ目、ナメクジはカタツムリの進化形であること!巻貝の進化の過程で殻を無くしたの
がナメクジだそうです(野島智司 
2015 カタツムリの謎 誠文堂新光社)。
逆だと思っていました。
二つ目、いつもカウントしているナメクジがヨーロッパ原産の移入種であったこと!
チャコウラナメクジという名前で、戦後に物資輸送にまぎれて入ってきたという説が有力
だそうです。

ナメクシ?201806.jpg
見つけたチャコウラナメクジ(3pほどでした)

いつの間にか「ここにもいたよ!」と夢中になる私ですが、何より嬉しいのは息子が
ナメクジのことを気持ち悪がらないこと。小さなナメクジにも気を払い、その命を大事に
して踏まないように歩く姿を、誇らしく思いました。

第一回 カササギ 2018年5月

こんにちは。五月から非常勤でお手伝いさせていただきます大野です。

横浜から福岡にやってきて7年。住みやすいこの福岡で、7歳と5歳の息子たちの子育てを楽しんでいます。毎日の幼稚園のバスへの送り迎えの道中で出会う生きものをご紹介したいと思います。

 

まずは私の大好きなカササギのお話。カラスよりひとまわり小さく、おなかは白、翼が青光りして見える野鳥です。人里を好むので、よく見るよという方も多いと思います。家を出て5分歩く間に、ほとんど毎日出会います。5歳の息子にも見つけやすい大きさで、私たちを恐れないので、すぐ近くでじっくり観察することができます。しかしこのカササギ、関東ではその姿を見ることができないんです。15年ほど前にスイスに行く機会があったのですが、カササギを見つけて本当に嬉しく、その賢そうな姿に大興奮でした。まさか毎日カササギに会える場所に住むことになろうとは!

 

春先には甲斐がいしく、巣材である小枝を電柱に運んでいました。しかし漏電の原因になるので見つけ次第、撤去しなければならないそう。またカラスたちと営巣場所をめぐってバトルする姿も見られました。あのつがいは無事に子育てできたかな。どんなに見慣れてしまっても、彼らのカシャカシャと元気な声がするとその姿を探してしまう大野なのでした。

 

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