安全管理のコラム第15回「傷害保険と賠償保険」

野外活動や体験プログラムを行う団体が加入する損害保険には、
「傷害保険」と「賠償保険」の2種類があります。
私(志賀)自身、保険について十分な知識を持っていませんでしたが、
数年前に町頭隆児さん(有限会社オフィステラ)の講義を受けてから、
ずいぶん意識が変わりました。
以下、町頭さんからの受け売りも多いですが、傷害保険と賠償保険の概要をまとめています。

傷害保険は、簡単に言えば事故で怪我をした人の治療費を補償する保険です。
 例)・トレッキング中に山道で転倒して骨折した。
   ・森林ボランティアで草刈り中にカマで手を切った。
傷害保険が適用される事故の定義には3つあります。
それは「急激」かつ「偶然」な「外来」の事故であるということ。
ゆっくり起きること、当然考えられる事態、自分でやったことによる怪我は適用外です。

その点で注意したいのは熱中症。
「急激」な事故とは言えないため、通常は適用外となります。
また、イベント時に単発で加入することが多い、
いわゆるレクリエーション保険は、刃物や動力による怪我が適用外だったりするので、
想定される怪我が保険の対象になるかどうか、
約款を確認したり、代理店に問い合わせることをお勧めします。

一方の賠償保険は、他人に損害を与えてしまい、賠償を求められたときに補償をする保険です。
 例)・炊き出しで豚汁をこぼして他人に火傷をさせた。
   ・森林保全活動で切り倒した木が近くの車を傷つけた。
   ・自分の子どもが棒を振り回して、別の子どもの目を負傷させた。
賠償保険は「偶然」な事故で「他人に損害」を与え「法律上の賠償責任」を負った場合に、
保険金が支払われます。野外活動や環境保全活動などでは、
自分自身による怪我だけでなく、他人に怪我をさせたり他人の財物に損害を
与えたりするリスクも考えられます。傷害保険だけで安心するのでなく、
賠償保険とセットで加入することが不可欠です。

2月14日には、保険の専門家である町頭隆児さん(有限会社オフィステラ)を
お招きしてのイベントを開催しました。ご興味ある方はブログをご覧ください。
2/14 第4回「ふくおか環境連絡会議」

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安全管理のコラム第14回「リスクアセスメントとKY活動」

野外活動やイベントでは、そこでどのようなリスクが考えられるのかを
洗い出し、その対策・対応を準備しておくことが大事です。

考えられる危険を事前に評価して備えることを「リスクアセスメント(=危険の評価)」と呼びます。
志賀が理事を務めるNPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク
https://www.facebook.com/jcvn.net/)の研修でも重視しており、
時間を多めに割いています。

ごく簡単に説明すると、リスクアセスメントは以下のように進めます。
 1)計画している活動やイベントで考えられる「リスク」を全て書き出す。
 2)個々の「リスク」について「程度」「頻度」の両面から三段階評価する。
 3)個々の「リスク」で、起こさない「対策」と起きた時の「対応」を考える。
 4)「対策」と「対応」に基づいた行動(計画の変更、道具の準備など)を行う。
リスクアセスメントを行うと安全意識が高まり、目配り・気配りのポイントが
共有されるため、スタッフトレーニングとしても非常に効果的です。

似た取組みに「KY(危険予知)活動」があります。
進め方自体はよく似ていますが、以下のような違いがあります。
<リスクアセスメント>
  ○主催者や責任者、企画担当者が、
  ○活動・イベントの数週間〜数ヶ月前(企画・計画時)に、
  ○安全な企画・プログラム・体制づくりを行うために実施する。
<KY活動>
  ○当日のスタッフ全員が、
  ○活動・イベント実施の直前(当日の朝など)に、
  ○安全管理に関する情報共有や意識向上を行うために実施する。

自然学校やNPOでは組織が小規模なため、責任者や企画担当者と
当日のスタッフが同じで、あまり違いが無いということもあるでしょう。
大事なポイントは、
1)企画・計画段階で無理のない計画づくりや、事前にできる準備・
  体制づくりを行うこと(リスクアセスメント)
2)当日に、その日関わるスタッフ全員で安全に関する情報や
   思いを共有して活動にのぞむこと(KY活動)
というところにあると思います。


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安全管理のコラム第13回「スマホに天気予報」

   イベント実施の可否判断や雨具・装備の準備,参加者やボランティアさんの

体調管理などの点で天候予測及び判断はとても大切です。場数と経験を積んで
天気を読めるようになるのがよいと思いますが,最近のスマホの天気予報アプリも
これでなかなかスゴいです。

   天気予報アプリ,数年前に比べても格段に便利&精度向上したサービスが増えてますね。
オーソドックスですが,私は下記を使っています。特に「雨雲ズームレーダー」が便利です。
微妙な天気の中,森林ボランティアの作業をするときなど,雨雲の動きを見ながら
作業内容や休憩のタイミングを検討します。
<Yahoo!天気>
 iPhone https://goo.gl/AxJuY3 / Android https://goo.gl/FI1cTB

 同じように災害情報や地震・台風についての通知を受けるため防災速報も
  インストールしています。各種注意報や警報が出ているかどうかも把握して
  おきたいところ。活動現場の風雨だけで判断するのでなく,その地域に気象警報等
 が発表されていないか?が判断のポイント。参加者・ボランティアの行き帰りの安全
  のことも考えておきたいものです。
<Yahoo!防災速報>
 iPhone https://goo.gl/lHVu5u / Android https://goo.gl/GPnfCe

 暑い季節には熱中症についての情報収集も行います。ブラウザで活動地域の
 WBGT(熱さ指数)の情報提供ページをブックマークしておくとよいです。
  WBGTとは気温に湿度などを加味した熱中症予防のための指標。私は確認漏れ
 を防ぐ意味も込めて,5〜10月の間はWBGTの情報提供ページの「リンクアイコン」を
  ホーム画面に追加しています。
<環境省 熱中症予防情報サイト>
 http://www.wbgt.env.go.jp/

 でもホントに言いたいのは,スマホに頼りっぱなしになるのもマズかろう,
  ということ。雨雲レーダーと現場の風雨,WBGT値と実際に感じる暑さなど
  を比較しながら,「便利なツールも使うし身体でも覚える」というのがよい
  と思います。


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安全管理のコラム第12回「実際に救急セットを使った事例」

グリーンシティ福岡が運営したイベントの回数は平成26年度で93回、

平成27年度で63回。この内、約6割が野外での保全作業や観察会、ウォーク。
約4割が室内のワークショップや研修です。この中で、事故や怪我の対応のために
救急セットを開けたのは年に3〜5回。「ちょっと絆創膏ちょうだい」も含めてです。

事故が起きた場合、イベント後のふりかえりで発生の経緯や対応内容の記録、
補充する救急用品の確認を行います。実際に自分たちの現場で起きた事故・
怪我の対応事例を記録しておくのは大事なことですね。
参考として、こんな雰囲気です,という意味で4例挙げておきます。


1)近郊の低山での登山イベント。

  山頂で昼食をとった後の下山時、時刻は
  13:30頃。下り道の石に60代女性が足を滑らせ転倒、左上腕に10cm及び
  肘に5cm程度の擦り傷。泥汚れと血液を洗浄した結果,出血はごく少量、
  用意していた絆創膏より傷口が大きかった。そのため、滅菌ガーゼと包帯で
  傷口を保護して下山した。

2)坂道の多い住宅街でのウォーキングイベント。10:00の出発から約1時間後の
  休憩時、50代女性が膝痛を訴えた。膝まわりを保護するテーピングを行った。
  結果、痛みが軽減したとのことで、その後も様子を観察しつつ正午の終了まで
  ウォーキングを継続した。

3)室内の研修イベントにて、午前中の休憩時間に30代男性が足首をねんざ。
  足首を保護するテーピングを行った。結果、痛みが軽減したとのこと。
  イスに座った状態で研修を継続し、適宜,様子を確認した。

4)竹林の整備ボランティア中、目にごみ(竹のクズ?)が入った20代女性
  ボランティア。使い切りパッケージの目薬で洗浄した結果、異物感や痛みも
  無くなったため、作業を継続した。

事故や怪我は、なぜ起こしてしまったのか?ベストな対応だったか?など
悔やまれたり、正直,他の人に見せたくなかったりします。しかしスタッフ間で
きちんと共有することが、事故を減らし、対応能力を高めていくと思います。

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安全管理のコラム第11回「事故事例研究」

このコラムの第2回では「事故事例収集」を扱いました。
今回は収集した事故事例を使って短時間でできる研修のやり方。
事故事例の記事とA4紙を用意します。以下,進め方です。

 0)題材にする事故事例の記事を選んでおく。
 1)出席者それぞれで事故事例の記事を読込む。
 2)全部で三つの質問に個人で考えA4紙に記入します。
  2-1 事実:あなたが着目した事実は?
     記事から確実に言える事実を抜き出します。
  2-2 考え:それをどう思うor考えますか?
     その事実が起きた背景や理由を推測したり,
     事実に対する評価や考えを記入します。
  2-3 対策:あなたは何ができますか?
     その事故を起こさないためにできることを
     その理由とともに挙げていきます。
 3)
書き出したA4紙をもとに出席者同士でディスカッションする。

 4)対策の中で,自団体に取り入れ仕組み化できるものを選ぶ。

不幸にして起きてしまった事故ですが,そこから学び同じようなケガ人や
被害者を出さないようにしていくことが大切と思います。

第5回で扱った「ヒヤリハッと研究」と対になるような研修と思います。
ヒヤリハッと研究は,自団体で起きた事故やヒヤリとした事象を題材に
今後の安全管理に活かすもの。
事故事例研究は,他所で起きた事故を自団体で起きたとしたら?と想像し,
今後の安全管理に活かすもの。
安全管理の土台である「意識」を育てていくためにも効果的な研修です。


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安全管理のコラム第10回「朝の問診」

前回に引き続き、ウォーキングやトレッキング等での話題です。

長い距離を歩いたり低山の登山をする時、
集合時間に早く集まってくれた参加者から順にベンチに座ってor立ち話で
出発前の「問診」をしています。8項目ほどで、時間にして2〜3分間程。
項目はイベント内容や季節、フィールドによって変わります。例えば…
 「登山経験は?」○:月に数度〜 / △:年に数度  / ×:ほとんど無し
 「睡眠は十分?」○:普段通り  / △:少なめ   / ×:ほとんど無し
 「適した靴か?」○:登山靴など / △:日常の靴  / ×:不適な靴
 「飲み水は?」 ○:1L以上  / △:500ml以上  / ×:500ml未満
 「常備薬があるか?飲んだか?」や「既往症」などについて尋ねることも
あります。これらは個人情報やプライベートな内容でもありますので、
伺った内容について「当日のスタッフ以外には共有しないこと」「終了後、記録を破棄すること」
をお伝えします。

安全上、ガイドするのは20人以下のことが多いので、問診をすることによる
混雑はそれほどでもありません。しかし、スムーズに開始できるように
受付担当とは別に問診の担当者を設けておいた方がいいですね。

問診結果については、手早くスタッフのみで共有して出発します。
朝のあいさつや世間話を交えながら問診することは、
ガイドと参加者の信頼関係づくりやアイスブレイクにもなっていると感じます。
参加者側にも「今から出発するんだ」と気持ちを引き締める効果があると期待しています。

覚悟を持ちたいのは、
参加をおすすめできない(不適切な装備、重度の二日酔い、体調不良など)と判明した場合、
参加をお断りする勇気が必要になるということ。
スタッフ数に余裕があれば特別対応をすることもあるかもしれませんが、
全体の安全に関わる場合はお断りしなければならないでしょう。

宿泊を伴うキャンプであったり、よりリスクの高い活動(本格的な登山や海・川での体験)
であれば、事前の郵送・メール等でのやり取りで危険の告知や
個別の承諾をとるべきと思います。

問診は、より気軽で比較的リスクの小さい活動でのやり方と考えています。

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安全管理のコラム第9回「午前中の急激な運動」

グリーンシティ福岡は,
九州自然歩道の活性化を目指す「九州自然歩道フォーラム」の事務局団体です。
なので,ウォーキングやトレッキングのイベントも行います。
その際に気をつけていることの一つに「午前中の急激な運動」があります。

私たちのイベントに参加してくださるのは登山や運動に慣れた人ばかりではありません。
都市部での活動やイベントが多いと,日頃は運動してないけれど
自然にふれあいたいという方も多くいらっしゃいます。年代もさまざま。
特にそのような場合,午前中の急激な運動に気をつけるのは,
身体が暖まっていない状態で急に心臓に負荷をかけたくないから。

心配しているのは「心筋梗塞」です。


参加者自身の年齢や体調,運動習慣,病歴,前日の睡眠時間や飲酒,
当日の水分摂取量,ストレスや心配事など,参加者側が持つリスク要因があります。

が,一方で「初っぱなから(10分程度でも)急な坂道や神社の石段を登る」 というような
コース設定は,明らかに運営側のプログラムによるリスク要因です。

それを避けるためには,身体が暖まるまではゆるやかなコースにする,
もしくは坂道は半分程度のペースで登る,などのプログラム上もしくは運営上の
工夫が必要でしょう(登山に慣れた方にはじれったいかもですが…笑)。

書籍「ドキュメント・山の突然死(柏澄子/山と渓谷社)」などで,
実際の事故事例を知ることができます。
午前中や行動を開始した直後のリスクが 高いこと,
そして中高年の男性に多いことがわかります。

AEDなどの対処方法ももちろん大事ですが,
まずは予防,起こさないことに 力を注いでいきたいですね。


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安全管理のコラム第8回「安全についての世間話」

仕事柄、いろんな体験施設や公園、ボランティア団体などを訪問しますが、
雰囲気がゆるせば、管理者やスタッフに事故や怪我など安全についての
お話を聞いてみたりしています。

相手がイヤな気持ちになったり、ドキッとするかも、と心配なので、
重たくならないように気をつけながら。
例えば、
「いやぁ、この前うちで 観察会やった時スズメバチと出くわしちゃって…。
今年、こちらではスズメバチどうですか?」とか、
なるべく自分に起きた出来事を先にしゃべった上で尋ねるようにしています。
その後、
「これまでスズメバチの事故とかありました?」と詳しく訊くこともありますし、
ただ世間話を続ける場合もあります。

問題意識としてあるのは、ボランティア団体や指定管理者がいるような
大規模公園、キャンプ場、まちづくりイベントなどでの事故や怪我って、
(新聞沙汰にならない限り)あまり共有されないということです。
身内の事故や怪我って、あまり公表したくありませんしねぇ…。
言いたくないことを無理 に訊きほじるのはよくないことですが、施設や地域、
団体を超えて共有することで役立つ情報もたくさんあるように思っています。

反面、登山やカヤックなど比較的「ハード」な体験活動を楽しむ人の間では
安全管理に関する情報交換はとても盛んだと感じます(特に飲み会では!)。
ボランティアやまちづくりの分野でも、マジメかつオープンに
安全管理について意見交換や情報共有できる文化を作っていきたいです。

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安全管理のコラム第7回「戦略的お茶コーナー」

戦略的お茶コーナー…

それはお菓子をたくさん用意したお茶コーナー(笑)。

熱中症に注意しましょう!という言葉。夏場によく聞かれますが、
ちょうど今からの5〜6月の暑い日が一番危険なんじゃないかと思っています。
まだ身体が熱さに対応していない感じがしますし、予想外に暑くなって服装が
あわなくなったり…。梅雨前後の湿度の高さと相まって、暑さや水分不足で
バテてしまうことがあります。
対策としてはこまめな休憩と水分補給が一番。しかし里山保全活動では、
休憩してお茶を飲むより作業を続けたいという熱心なボランティアさんも
時々いらっしゃいます。

グリーンシティ福岡の現場活動では、少しでも休憩の時間を楽しく、魅力的に
しようとお茶やお菓子を十分に用意するようにしています。その時に注意して
いるのは、甘いものと塩っぱいものを両方用意すること、暑さで溶けるもので
ないこと、遠慮しないように大袋は空けておくこと、などです。
ただ、気心の知れた、いつもの顔ぶれ同士のボランティアグループだったら、
基本各自で飲み物を準備するのがよいと思います。私たちの場合は、
初顔合わせや初心者、家族連れの方が毎回参加するので、このような工夫を
しています。

たかがお茶コーナー(笑)、と大げさに思うかもしれませんが、
めんどくさがらずに水分補給してもらうのは安全管理上とても大事。
もし朝寝坊して朝食を抜いた人がいたとしても、ちょっと口にすることもできます。

お茶菓子の経費について、おやつコーナーの真ん中に「おやつカンパ」の
募金箱を設置すると皆さん快く応じてくださいます。ほとんどの助成金が
このようなお茶やお茶菓子が助成対象外になっていますが、
救急セットと同じくらい必需品だと思うけどなぁ!

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安全管理のコラム第6回「使える救急セットにする」

今回は「救急セット」

 グリーンシティの救急セットは厚手のジップロックを容れ物にしています。
  ・かさばらなくてリュックにも入れやすいこと。
  ・透明で中身が確認しやすいこと。
  ・ぬれにくい、もれにくいこと。
  ・安いこと。
 が利点です。

 セットの中身は以下の通り。
  絆創膏、使い捨て目薬、虫さされ薬(抗ヒスタミン軟膏)、毛抜き、
  ハサミ、ティッシュペーパー、サージカルテープ、テーピング、
  三角巾、包帯、ガーゼ、綿棒、ポイズンリムーバー、使い捨て手袋
  これに、別途、飲料用にもなるPETボトルの水を持っていきます。
 参加者に対して内服薬は出さないようにしています。
  また、水で洗浄することはありますがマキロン的な消毒は行いません。

 使える救急セットにするポイントは2点。
 一つは、使える技術を身に付けておくこと。テーピングの仕方や
 止血の方法などを練習しておきたいものです。
 もう一つが点検・補充すること。グリーンシティでは4月と10月に
 「救急セットの棚卸し」を行います。

  先日、ボランティアのKさんがチェックしてくれ、
  使い捨て目薬と虫さされ薬(抗ヒスタミン軟膏)を入れ替えました。
  テーピングやガーゼ・包帯類も古くなったら
  練習用に使って入れ替えるとよいと思います。

 中身のリストをカードにして、点検日をチェックできるようにしておくと
 いいですね。いざ使おうと思ったら使用期限が過ぎていた、なんてことが
 無いように気をつけましょう。

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安全管理のコラム 第5回「ヒヤリハッと研究」

活動やイベントの後のふりかえり。
いつも「KPT」の手法で
「良かった点(K)」
「悪かった点(P)」
「次回に向けた改善点(T)」
を記録するようにしています。

特に野外の活動では,「悪かった点」の一部として「ヒヤリハッと(以下,HH)」を

意識して出すようにしています。
HHの例)・ノコギリで手を切りそうになった,
      ・気分が悪くなった参加者があった
      ・たき火でうっしーの前髪が焦げた

グリーンシティでは,毎回の活動で蓄積したHHの記録を活かして,
3ヶ月に一度,スタッフによる内部研修「HH研究」を行っています。
そのやり方をご紹介します。
(CONEのリスクマネジメントディレクター研修で行った実習を
 グリーンシティ福岡でアレンジして行っているものです。)
 
 0)3ヶ月分の記録からHHを箇条書きで抜き出す。
   例えば,2015年11月〜2016年1月の期間では,
   9つのイベントで25個のHHがありました。
 1)抜き出したHHのリストを読み上げて当時の様子を思い出す。
 2)気になった事例を1人1つずつ選ぶ(スタッフ3人なので3つ)。
 3)1つ目の事例について,なぜ起きたのか?どうしてそのような
   判断をしたのか?くり返し質問して掘り下げる。
 4)その上で対策を考える。
 5)対策を実行するために,書式に組み込んだり,フリップや道具を
   揃えたりする「仕組み化」を考え,その担当者を決める。
 ※2つ目以降の事例について3)〜5)を繰り返す。

時間を置いて実際に起きたHHを思い出し,
あらためて安全対策を考えることは効果的です。
グリーンシティ福岡では2月,5月,8月,11月に「HH研究」を行っています。

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安全管理のコラム 第4回「KPTとヒヤリハッと」

 会議ファシリテーションの分野では定着してきた感のあるKPT。
 団体の安全管理を考える上でも大事な手法です。

 KPTとは、Keep, Problem, Tryの頭文字。「ケプト」と読んでいます。
 イベントやワークショップが終った後のふりかえりで、
 「良かった点(K)」「悪かった点(P)」「次回に向けた改善点(T)」に
 分類しつつ意見を出していくという手法です。良いor悪いの両方の意見が
 出やすいことや、次回の具体的な改善提案を意識して考える点などで
 よいフレームワークだと思います。

 特にグリーンシティ福岡では「悪かった点(P)」の中で「ヒヤリハッと」を
 記録することを心掛けています。「ヒヤリハッと」とは事故や怪我まで
 にはならなかったけれど、怪我をしそうになったり、ヒヤリとした
 出来事のこと。ノコギリで手を切りそうになったとか、気分が悪くなった
 参加者があった、とかです。

 毎回のイベントやワークショップ後のKPTの積み重ねが、スタッフの
 トレーニングやプログラムの改善になりますし、その中で、ヒヤリとした
 出来事を記録していくことは、安全管理に重要な「目」や「意識」を
 育てていくことになる!と思っています。

 3ヶ月に一度、たまった「ヒヤリハッと」の記録をどのように活用するか、
 来月のコラムでご紹介します。

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安全管理のコラム第3回「リスクマネジメント・チェックリスト」

第3回「リスクマネジメント・チェックリスト」

 野外で活動する団体は「安全マニュアル」の整備が必須。
 しかし、分厚いマニュアルを毎日見るというのも大変なので、
 ポイントを抜き出して「リスクマネジメント・チェックリスト」を作っておくとよいです。

 グリーンシティ福岡は「計画」「事前準備」「実施」「事故発生時」「日常」の5段階に分けて
 59項目のチェックリストを作っています。
 箇条書きでA4判2ページくらいの分量です。例えばこんな項目。
   ・天候変化に対応できる代替プログラムは検討したか?(計画)
   ・参加者の年齢層や経験度合いを把握できているか?(事前準備)
   ・参加者の服装や保護具等に不備はないか?(実施)
   ・落ち着いて自らの安全を確保したか?(事故発生時)
   ・類似する活動の事故情報を収集しているか?(日常)
 一つ一つのチェック項目は当たり前のことばかりですが、
 漏れ・抜けが起きないようにしようと心掛けています。

 作成することと同じくらい大事なのが「必要なタイミングで目に留まる場所に置いておくこと」。
 「計画」や「事前準備」に関する項目は、スタッフミーティングをするテーブルの近くに
 ラミネートしてぶら下げておいたり、「実施」や「事故発生時」に関する項目は、
 手持ちの進行表の書式(原本)にあらかじめ記載しておいたり…。

 (イヤでも,笑)目に入るようにしておきましょう。

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安全管理のコラム 第2回「事故事例収集」

 今回は「事故事例収集」について。

 新聞やネットニュースなどで,自分が所属する団体や企業などでも起こ
 りうる事故事例(の記事)を見つけたら,コピペしてWordかなにかに
 貼付け,フォルダに入れておきましょう,というお話です。

 グリーンシティ福岡では,林業や森林ボランティア,自然体験プログラム,
 登山・アウトドア,公園や街路樹に関わる事故などを収集しています。
 1件につき1ファイルで,名称は年月日と地名。共有フォルダ→安全マ
 ニュアル→事故事例収集というフォルダの中に格納しています。
  【事故事例】121118岐阜県大垣市.doc
  【事故事例】130508山形県山形市.doc
  【事故事例】130728青森県三沢市.docなど
 後日,事故の続報があった場合は同じファイルの2ページ目以降に追記
 しています。

 何年か事故事例の収集を続けて,勉強になることも多いです。(山菜採
 りでの事故が毎年多いとか,スズメバチの事故で被害が大きくなるパタ
 ーンとか,事故後の裁判や補償の争点とか…)
 また,実際に置きた事故事例を題材に安全講習を行うこともあります。

 しかし一番の目的は「たぶん大丈夫やろう」という気持ちを,「起きる
 かもしれない」という気持ちに切り替えることかもしれません。
 安全管理にはいろんな仕組みやマニュアルがありますが,真剣さや切実
 さが無いとかたちだけになります。実際に置きてしまった事故から学び,
 少しでも事故を減らすことが大切です。

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安全管理のコラム 第1回「安全管理」

 グリーンシティ福岡は結構、日々の安全管理を意識しています。
 朝礼・終礼で使う「二週間工程表」の書式には日々のチェック項目があり

 イベントごとに作成する「実施計画書」の表面にはリスクアセスメント,
 裏面には直前チェック項目があったりします。他にも,保険の加入や日々の
 事故事例の収集、四半期ごとのヒヤリハッと研究と救急箱の整理など…。

 きっかけの一つは2012年11月に岐阜県で起こった落枝事故。森林体験
 講座の一環で、間伐作業を離れたところから見学していた小学1年生の
 頭にスギの枯れ枝(長さ約3m)が落ちてきて、その後、亡くなった痛ま
 しい事故です。

 この事故を知り、たとえ刃物を使った作業でなくても重大な事故は起こり
 うること。活動フィールドを見て危険を判断する目を養うことが大事であ
 ることを痛感しました。都市部での活動が多い私たちですが、身近な自然
 とは言えあなどらず、二度とこのような事故が起きないようにしていきた
 いと思っています。

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 グリーンシティ福岡の取組みや事例を中心に、「安全管理」に
 ついてのメルマガと本コラム(月遅れでアップ)で話題提供を行っていきます。
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