2018年2月,NPO法人自然体験活動推進協議会(略称:CONE)主催のリスクマネジャー養成研修会を受講してきました。CONEは自然体験や野外活動の推進・普及を目指す団体。その一環として安全管理の研修会にも力を入れています。

今回の「リスクマネジャー」の研修は,自然学校やエコツアーの事業者,公園の指定管理者などで「安全管理責任者」的な立場にいる人向けのカリキュラムです。そのため活動現場における事故防止以外にも,保険や日常のスタッフ育成,ヒューマンエラーの原因分析,事故後の謝罪会見など幅広い内容が取り上げられていました。
今回の受講をきっかけにグリーンシティ福岡でも日常の安全管理について以下の取り組むを行うことにしました。

1)保険内容の確認と見直し
 現在,イベントやボランティア活動の参加者を対象とした保険では,刃物を使った伐木作業に「グリーンボランティア保険」,それ以外の活動に「行事保険(年間の包括契約)」を掛けています。この行事保険の賠償責任部分の保険金額が十分でないと考えたため内容の見直しを行いました。加えてこれからはインバウンドによる訪日外国人の参加も考えられます。訪日外国人を対象とした際の保険適用範囲や保険金支払い時の懸念について確認を行いました。

2)ボランティアスタッフとの書面確認
 イベント時にご協力いただいているボランティアスタッフの皆さんにはとても感謝しています。一方で近年,参加者(特にお子さんとの)との接し方や写真撮影・SNSへの公開に関連するクレームやトラブルも耳にするようになりました。これまでボランティアスタッフの皆さんに活動内容や注意事項を説明する時は口頭のみがほとんどでしたが,イベント参加者,ボランティアスタッフ,グリーンシティ福岡それぞれの安全のために書面での確認を行うことにしました。

3)関連法規の再確認
 いわゆるコンプライアンス。私たちの活動では例えば,志賀島。その一部が国定公園なので「自然公園法」により伐木に福岡県の許可が必要な範囲があります。体験ツアーの送り迎えをしようと思った時は「旅行業法」に,応急手当ての時は「医師法」や「刑法(の傷害罪)」に抵触しないようにする必要があります。他にも「個人情報保護法」や「食品衛生法」など,これまでなんとなく知っているつもりだったものを,あらためて確認する必要があるなあと思った次第。毎月の月例ミーティングで一つずつ法律を取り上げて勉強していくことにしました。

安全管理は,指導者個人の技量に頼るのでなく,団体の仕組みや慣習にしていかないとなあ,と実感しています。

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