建設業界では安全管理についての取り組みが様々に行われています。研修のための教材DVDが充実しているのもスバラシイ。先日,某公園の運営スタッフで一緒に安全教材DVDを観る機会がありましたが,自然体験や保全活動を行う私たちにもとても参考になりました。その中から「健康KY」についてご紹介。

 KYとは危険予知の略です。一般的なKY活動では主に作業環境や内容,道具から想定される危険を洗い出し,対策や対応を検討します。一方,関係者(スタッフや参加者など)の心身の状態にも危険が潜んでいることがあります。「健康KY」は活動の前にスタッフや参加者などの健康状態を観察し必要に応じて個別に問いかけることで,事故を無くしていこうとする取り組みです。

 まず,リーダーや指導者は活動前にスタッフや参加者の健康状態を観察します。会場設営時のスタッフの動きや受付に集合した際の参加者の表情などです。具体的には以下の5項目が挙げられています。建設現場を対象にした項目なので表現や程度でそぐわない部分はあるかもしれません。

 <健康観察 5項目>
  1. 姿勢 シャンとしているか、うなだれていないか
  2. 動作 キビキビしているか、ダラダラしていないか
  3. 表情 イキイキしているか、明るいか、むくんでいないか
  4. 目玉 キリッと澄んでいるか、血走っていないか
  5. 会話 ハキハキとしているか、声の大きさ・ハリは
  (一人ひとりよく観察して異常をつかむ)

 次に,気になる人がいた場合は,直接問いかけて確認します。プライバシーに関わる内容ですので個別に尋ねることが重要です。また訊き方によっては尋問にもなりかねないので,「親が子を思う気持ちで具体的に問いかける」と記してある資料もあります。

 <健康問いかけ 7項目>
  1. よく眠れましたか?すっきり起きられましたか?
  2. どこか痛いですか?だるさはありますか?
  3. 食欲はどうですか?食事はおいしいですか?
  4. 熱はありますか?動悸がありますか?
  5. 医者に診てもらいましたか?くすりを飲んでいますか?
  6. 夜更かしましたか?疲れはとれましたか?
  7. 遅くまで飲みましたか?飲みすぎていませんか?

 健康KYを行なった上で,必要に応じて水分補給や休憩,持ち場の変更などを行います。場合によっては病院の受診や帰宅を促すということもあるでしょう。ボランティアだったり参加費を払ったお客様だったりする場合は言いにくいですが,ご本人や周りの人,主催団体のためになるかどうかを考えて判断することが大切です。

(財)中小建設業特別教育協会「健康問いかけKY」, <https://www.tokubetu.or.jp/kyk/kyk05-1.html>(2018.08.15.閲覧)

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