環境保全を行なうNPOの活動に,企業が社会貢献やCSRとして参加されることがあります。例えば海岸清掃だったり,植樹や草刈など。そんな場合は,事前に保険についてお互いで確認しておきましょう,というお話です。

企業であれば,労災保険や勤務中の事故に対して掛けている各種保険で補償がきく場合もあります。参加した社員本人が怪我をした時の医療費(傷害保険),活動中に誤って人や財産を傷つけて発生した示談金・賠償金(賠償責任保険)の両方について,補償されるかどうか確認します。林業体験などリスクの高い活動は,補償の対象外になる場合があるので注意したいところです。

間違いがないのは,受け入れ団体側が加入しているボランティア保険や行事保険に加入すること。林業体験であれば「グリーンボランティア保険」など,それぞれ団体が活動にふさわしい保険の情報をお持ちのことと思います。

半年ほど前(2018年秋頃),企業の社会貢献を進める某全国組織から「企業ボランティアを受け入れてほしい」と依頼がありました。「無償で」ということだったので,最低限の条件として「参加企業側でボランティア保険に加入することが『必須』」と伝えると「それでは参加のハードルが高いので『必須』ではなく『推奨』にしてほしい」との回答がありました。内心「ちょっと何言ってるかわからない」と思いながら「保険料をお支払いいただければこちらで手続きしますので,ぜひ加入を」と返すと「それでも難しい」とのことで,受け入れ自体が見送られることになりました。

結局,物別れに終わったので私の伝え方が悪かったかなあ?と反省しかけましたが… いや,保険が「推奨」とかやばいでしょ。それは「フィランソロピー」じゃないなあ(笑)!

知らない間にリスクを背負い込んだり,相手に押し付けたりしないように気をつけたいですね。

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参考文献:
 加納社会保険労務士事務所「ボランティア活動中の事故〜労災保険給付との関係」
  http://www.sr-jinji.com/news26.html
(2019.05.15.閲覧)