困りごとや問題に対する対策や今後の対応を考える「対策会議」の時に役立つ,マトリクス図の応用編「原因・対策系マトリクス図」です。

困りごとや問題が起きているという時は不安・モヤモヤした状態。早く安心したい,このモヤモヤを解決したいと感じるのも無理ありません。しかし,よく考えずに誰かの責任だと決めつけたり,安易な解決策に飛びついたりしないようにしたいですね。落ち着いて順を追って話したり,いろんな角度から対策を考えるための書き方です。

まず,板書の一番上にテーマとなる困りごとや問題点を書き出しておきます。
その下は縦線3本で区切って,左から右に向けて「事実」「原因」「対策・対応」「目標」の四つの枠を作ります。

一番左の「事実」の枠には,その困りごとや問題について確認できる事実を挙げていきます。誰が言っていたか?いつわかったのか?現在はどうなっているか?などです。その問題が出席者同士で十分共有されていないこともあるでしょうし,それぞれの解釈や印象は異なるのが普通です。冷静に事実を確認・共有することは大切。よくよく考えたら大した問題じゃなかった,ということも十分あり得ます。

二つ目の「原因」の枠には,考えられる原因を列挙します。原因は一つとは限りません。プログラムやスケジュールかもしれませんし,使用した道具や資材に問題があることも考えられます。当日の気候や周辺環境,参加者・関係者などの体調や人間関係,立ち居振る舞いなど,いろんな視点から原因を挙げていきます。

次の枠は置いておいて,先に右端にある四つ目の「目標」の枠に飛びます。どんな状態を目指したいのか,目標やゴールとなる状態を共有しておくことで対策や対応が絞られてくるからです。例えば「イベント申し込みが定員の半分だった」のが問題になっている場合。それに対する「目標」が,「次回は定員越えを目指す」のか「次は今回より10名増やす」のか「定員割れでも構わないがとにかく続ける」のかで,かなり違います。

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その上で,三つ目の「対策・対応」の枠に戻ります。これまでの事実,原因,目標を踏まえて対策・対応の案を出していき,それらの選択肢の中から優先度が高いものや妥当なものを選んでいく,という流れになると思います。ちなみにここで言う「対策」は「その問題を起こさないように事前に行う予防策」。「対応」は「その問題が起きてしまった後,とるべき対応策」の意味です。
対策・対応の案は,「原因」の枠に挙げた背景や出来事と対になるように出てくることが多いので,この「原因・対策系マトリクス図」は真ん中あたりだけが,縦横に区切られたマトリクス図っぽい見た目になります。

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「原因・対策系マトリクス図」の横軸には「落ち着いて順を追って話そう」という意図。縦軸には「いくつかの背景や出来事が重なってるかもしれないので,多面的に考えよう」という意図が込められています。