先日,屋外イベントで20人ほどの参加者を先導する途中,森に沿ってカーブした道路を横断することがありました。見通しが悪い割には40km程度のスピードで通過する車もあり,交通事故が心配な場所でした。
無事にみんなで横断できたのですが,イベント後のふりかえりではスタッフから「あの時はこう誘導するとよかった」など,いろいろ意見が出てきました。その様子を見て,事故が無かったからとスルーするのでなく,交通事故をきちんと意識してふりかえりや情報共有をするのはいいことだなあ,と感じました。

警察庁が今年はじめに発表した2018年の交通事故死者数は3,532人。1948年に統計を開始して以降もっとも少なくなったそうです。平成に入った頃は1万人前後で推移していましたが,この20年間は減少傾向が続いています。運転マナーや車両の安全性の向上,取締りの強化や道路などのインフラ整備などの効果が現れているのだと思います。人口動態(若者が減るとか)も影響しているかもしれません。
ちなみに同じ交通事故でも厚生労働省の統計は集計対象が異なります。直近のデータである2017年では交通事故による死亡数は5,004人となっています(事故発生から1年以内に亡くなった方)。その内,歩行者の交通事故,つまり歩いていて自動車やバス等と接触して亡くなった方は1,872人でした。

全体的に減少傾向ではありますが,現在でもこれほど多くの方が交通事故の被害に遭っているのはとても残念で悲しいことです。

そもそも自動車は重量が大きくスピードも出せるので危険性の高い道具です。ただ身の回りに溢れているので,その危険性に鈍感になっている気がします。1m横でチェーンソーを振り回されたら驚いて逃げ出しますが,車が1m横を通り過ぎても大して驚きませんよね?

ところで,自然体験や環境保全活動のリスクとしては,熱中症や溺水,落雷,スズメバチ ,作業道具による怪我などをよく挙げます。厚生労働省の人口動態統計での,これらに関係する2017年の死亡者数は以下の通りです。


 熱中症___635人(自然の過度の高温への暴露)
 川や海での溺水___676人(自然の水域内での溺死及び溺水)
 落雷___1人(落雷による受傷者)
 スズメバチ___13人(スズメバチ ,ジガバチ及びミツバチとの接触)
 作業道具___27人(無動力手工具,動力芝刈り機,動力手工具の合算)

 歩行者の交通事故___1,872人

それぞれの事故が起きる状況は異なるので単純に比較することはできませんが,これらを見ても交通事故は頻繁に起こり得る,常に意識しておきたいリスクであると感じます。
寄生獣ミギーも眠りにつく前に言っています。
「……それより交通事故に気をつけろ」

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