「ジギジギジギジギジギ」
夏から秋にかけて、田んぼや草むらの脇を通るときに聞こえてくる虫の声。
たどってみるとその正体を低い草の葉や茎で見つけることができます。
小さなキリギリスの仲間、ササキリです。
ササキリは他の鳴く虫に比べ鈍感なのか、そろーりそろーりと忍び足で近づけば、翅をこすり合わせて鳴いている姿を割と簡単に見せてくれます。実は3年前に鳴く虫を集めた作品を作っているのですが、同じキリギリスの仲間のウマオイやヤブキリなどは、私が近づく時に踏んだ小さな砂利の音で逃げ出してしまうほど敏感でした。(悔しくて路面を靴下で歩いていたのが懐かしい)
 ⇒鳴く虫を集めた過去作品「集く」(2017年)

今回、鳴いているササキリを見つけたとき、すぐ側にいるメスの存在に気づきました。もしかしたらオスの声に誘われてやって来たのかもしれないと思い、チヂミザサやゲンノショウコが咲く可愛らしいお花畑でしばらく2人を見守っていました。

残念ながらこちらの期待したラブシーンは撮れませんでしたが、ササキリ女子のもみ殻外し、すごくないですか?
ちょっと言葉が悪いですが、バッタの癖にこんな巧みな口技を持っているだなんて。しかも美味しいとこだけ食べちゃうグルメ家だったとは!知らなかった驚きの一面です。

子ども達の虫かごでよく見かけるけど大抵カマキリのエサ役になっているササキリ。
もうちょっとスポットが当たって欲しいスゴ技の持ち主でした。