先月(5/19)に自然体験活動推進協議会のリスクマネジャー更新研修を受講しました。野外活動を行う団体の安全管理担当者の資格です。

その中で情報提供の一つとして下記のニュースが紹介されました。
全米最大ボーイスカウトが破産申請 性虐待の訴訟数百件
(朝日新聞デジタル 2020年2月18日)

 110年の歴史がある「ボーイスカウトアメリカ連盟(Boy Scouts of America 以下BSA)」が今年2月18日に、日本の民事再生法にあたる連邦破産法の適用を申請しました。ボーイスカウト活動の中で行われた青少年への性的虐待について数百件の訴訟が行われているためです。
 急に青少年への性的虐待が増えたというわけではなく,一部の州で性的虐待についての提訴期限が一時的に撤廃されたとのこと。これにより過去の被害にさかのぼった訴訟が可能になったことが背景にあるようです。

 うーん,これは残念なことですし,大多数の真っ当に活動してきた人たち,日本のボーイスカウト関係者にも悲しいニュースだったと思います。

 とは言え,ある外部機関の調査報告では1944〜2016年にかけての性的虐待の加害者は7,819人,被害者は12,254人とあり,相当な数の被害者がいたのも事実。「BSAが『破産』という選択肢を選んだこと」にはいろいろ解釈や想像ができるようですが,これを機会に性的虐待の被害が減ることを願っています。

 多くが,キャンプなど様々な活動で一緒に行動する指導者やスタッフが加害者,そこに参加するor指導を受ける子どもたちが被害者という図式だと思います。
 私が10年以上前に受けた安全管理講習でも「男児であっても抱っこしたりしない」「密室で子どもと二人きりにならない」等の指導がありました。その時は「そこまでする必要があるのかな?」と感じたのが正直なところ。けれど,日本でも今年に入って,サマーキャンプを行う団体でボランティアスタッフをしていた20代男性が,複数の男児への性的暴行で逮捕・再逮捕されたことがニュースになっています。

 仮に本人に悪意が無くても,体の接触や写真撮影が子どもを傷つける,もしくは親御さんの誤解を生むということは十分考えられます。
 グリーンシティ福岡はキャンプ活動を行なっていないのでそもそも機会は少ないのですが,子どもさんとの接し方や親御さんの理解を得ること,ボランティアスタッフさんとの確認事項などはあらためて意識しておかないと,と感じたニュースでした。