まもるーむ福岡にて、生きものとわたしたちのくらしトーク・カフェ「『自宅で湿地帯ビオトープとは何か?」を開催しました。ゲストは新著「自宅で湿地帯ビオトープ!」が大好評の水生生物の専門家・中島淳さん。某SNS上では「オイカワ丸」というアカウントで生物多様性等に関する発信をされていて、たくさんの生きもの好きがフォローしています。そのためか今回は若い方々、さらに石垣島からお越しの参加者もいらっしゃいましたよ!

テーマにある「自宅で湿地帯ビオトープ」とは、今年の4月に漫画家の大童澄瞳さんと出版されたビオトープづくりの指南書です。鉢植え1つから気楽に設置できるビオトープの作り方のほか、ビオトープを通して学べる生態系や環境保全について書かれています。イベントでは、ビオトープの作り方の紹介ではなく、作る前に知っておいてほしい3つのこと「生物多様性とは何か?湿地帯とは何か?エコトーンとは何か?」についてスライドでお話いただきました。減っていっている生きもの達の現状、それを守るためには生態系、環境ごと保全しなくては回復に繋がらないこと等理解が深まりました。

スライドの後は、ビオトープを設置すると始めにやってくるメンバーを紹介。ケシカタビロアメンボ、チビゲンゴロウの標本と、通称・オナガウジと呼ばれるハナアブの幼虫の生体を持ってきていただきました。

ゴマ粒のような標本もデジタル顕微鏡で観ると、それぞれ細かい模様が入っていてキレイです。ハナアブの幼虫2匹が絡み合っている様子に中島さんが「普段は落ち葉につかまっているので、2人絡んで心の安寧をはかっているのでしょう」とコメント。外見で嫌われがちな彼らですが、こうして気持ちを想像してみると見え方が変わってきそうです。

休憩時間にはご著書の販売&サイン会も行いました。もう1つ、いつもと違う光景が。水槽を熱心に観ている方々の姿がありました。普段からガサガサされているそうです。福岡で生体を展示している施設はとても少ないのだと聞きました。

交流タイムでは5,6人に分かれて自己紹介・今日の感想などをシェアして盛り上がった様子でした。この時間をきっかけに、次に繋がるきっかけが生まれたところもあったそうですよ。質問コーナーでは、ビオトープのお悩みあるある、「ボウフラが気になる件」があがりました。ボウフラは種間競争にとても弱いので、ヤゴなどの捕食者がいるとすぐに食べられてしまうのだそうです。あまりにも湧いてしまったら、リセット!続けていくにはこの気楽さが大事だそうです。

まだまだ奥深い自宅でビオトープの世界。癒しや学び、神になった気分(笑)も、やってみて初めてわかることがとても多そうです。実はグリーンシティ福岡でも狭いマンションのベランダでトロ舟を使って作り始めたところなんですよ。