使えそうで使えない少し使えるフレームワークをご紹介するコラム、5回目。

 

何かの問題や困りごとがあって、その対応策を考える時に、二つの面から考えたらいいね、という図です。図というほどのものではありませんね(笑)。真ん中に1本、縦線を引くだけです。

左側が「離脱」。問題から離れる方向でアイデアを出すエリア。代わりになるものを見つけたり、縮小・中止しても大丈夫にするアイデアを出します。

右側が「発言」。問題に取り組み改善する方向でアイデアを出すエリア。効率化や活性化を試みたり、修正点、改善点を出していきます。

 

元ネタはハーシュマンの「離脱・発言・忠誠」です。

 離脱:地域や組織に問題が生じた時にそこから離れる行動。

 発言:地域や組織に問題が生じた時に解決のために働きかける行動。

といったことだと理解してます(詳しい方あればツッコミを…)。

 

「離脱」と「発言」の例を挙げると…。

<商品の品質が悪くなった時の顧客の行動>
 離脱:その商品を買うのをやめること。
 発言:不満や改善提案を企業に伝えること。

<地域コミュニティに問題がある時の住民の行動>
 離脱:引っ越すこと。移住すること。
 発言:住民で話し合うこと。投票すること。

<会社の労働環境が過酷な時の社員の行動>
 離脱:退職して別の仕事を見つけること。
 発言:労働環境の改善のために行動すること。

 

何かの問題に対して対応策を考える時、ついつい「とどまって問題を改善すること」に囚われてしまうことがあります。そもそもこれって必要だったのか?代替案はあるか?といった「離れて代わりを見つけること」も選択肢として持っておくと視野が広がります。

「離脱」することが賢いとか、「発言」することが尊いとか言うつもりはありません。その両者を行ったり来たり、見比べることで気づくことが出てきそうだな、という気持ちです。