第2回「スイスの農園」 2019年3月

タイトルは「スイスの農園」となっていますが、スイスの農園(農業)を紹介するのではなく、今回もスイスのコミュニティのお話しです。 

 

友人たちとの夕食のとき「明日は野菜を収穫しにいくから手伝ってくれ」と言われました。今まで農園をやっていると聞いたことがないのに、またどのような経緯で農園を始めることになったのだろうと思いましたが、ひとまず承諾しました。その後、詳しい話は聞かなかったので、実際何の野菜を収穫するのか?どんな作業をするのか?全く知らずに翌朝、車に乗って近隣の農園にいきました。農園の入口から見えるものは古い家屋、牛舎や馬小屋といった昔ながらのスイスの建物です。その奥にはヨーロッパの田園が広がっていてその風景は油彩の絵画のようでした。さらには、その日は晴天で青い空が頭上いっぱいに広がっており、ほどよい風と空気がとてもおいしく、すがすがしい気持ちになったことを記憶しています。 

男女7〜8名ほどが集まり、鍬をもって畑を耕します。私も鍬をもって額に汗をかきながら畑を耕しました。結構な重労働にもかかわらず、そこに集まった人たちの「笑顔」がとても素敵でした。その場の雰囲気や笑顔から、みんな心からこの集まりを楽しんでいることが伝わってきました。収穫作業ではなく、カボチャの植え付け作業でしたが、帰りには手のひらにいくつかの豆を収穫することができました。(笑 

後ほどこの農園のことを聞くと10の家族で農家の畑の一部を借り、収穫物や作業をシェアしているとのことでした。近年、日本でも食にたいする関心が高くなっていますが、ここスイスでも同様です。自分たちで安心安全の野菜作りをしたいとの思いからこのコミュニティを始めたそうです。また互いに仕事の合間に農作業をするので、みんなで楽しくやろうということになったそうです。上記でも述べていますが、素敵な笑顔がたくさんあったのはこのことが深く関係しているようです。 

このように人が集まり物事(コミュニティ)を継続して行っていくには、根底の部分で「楽しむこと」を共有することが大切なことではないだろうかと感じました。


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     かぼちゃの苗を植えるために、畑を耕してる様子


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               かぼちゃの苗

スイスの子どもたち 2019年2月

今年1月から勤務しています、藤木といいます。よろしくお願いします。 

私は今まで国内外でコミュニティに参加してきました。コラムでは、それらのコミュニティを私なりの視点で紹介していきたいと思います。 

 

1回 「スイスの子どもたち」 

私の友人たちがこれまでとは違ったフリースクールをはじめました。これはスイス国内でもはじめてのことだそうです。コミュニティではなくて、フリースクール??と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは5世帯の家族で構成されるコミュニティが子どもたちのために考案し実際に運営をしている話です。 

まずは簡単にスイスの教育事情について話をします。小学生以下の子どもたちの全体の8割は通常の学校に通っています。残り2割はフリースクールに通っており、この子どもたちは学年末のテストを受け進級できる仕組みになっています。2割もの子どもたちがフリースクールに通っていることは、日本の教育制度では考えられないことです。これはスイスと日本の教育に対する考え方の違いなのかもしれません。 

このコミュニティが考案したフリースクールとは、5世帯の親が月曜日から金曜日まで曜日ごとに分担し、子どもたちを教える先生になるというものです。授業の内容は親の専門分野などが主で、とくに決まりはないようです。とてもユニークだと思ったのが最初に「これから○○○をしますよ!」と説明したあと、参加の有無を子どもたちに聞きます。関心のある子どもは参加し、関心のない子どもは参加しません。参加しない子どもはその時間、自習をします。子どもたちの自主性を重んじているだけではなく、関心のないものを無理におしつけてもその子にとって、あまり意味をなさいないということなのでしょう。 

私も2回ほど先生をしました。日本について話をしたり習字や判子作り、折り紙などをおしえました。特にびっくりしたのは子どもたちのほとんどが、日本のマンガやアニメといったサブカルチャーに強い関心を持っていたことです。実際にスイスのテレビでも日本のアニメが放送されており、彼らにも強い影響を及ぼしているようでした。アニメを通じて、日本に親近感をもってもらえるのはとても嬉しいことです。 

この5世帯の家族から構成される小さなコミュニティですが、互いの共通認識や協働意識のもとスイス国内でもはじめてとされる試みをやってしまう、もちろんスイスの国民性もあるのでしょうが、このコミュニティの持つ力には驚かされました。 

最後に、私の友人が「ストレスのある環境で学習するより、ない環境で子どもたちを学ばせてあげたい」といった言葉がとても印象的でした。


 

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これは判子を作るために、まず自分の名前を日本語(カナ)で書いてるところです



   

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         習字の筆でお絵かき