「生きものと私たちのくらしトーク・カフェ」第2回「暮らしに『農』を取り入れる」を開催しました。


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ゲストは、福岡教育大学技術教育講座教授で
中学校技術科の生物育成を専門にされている平尾健二さんと、
ダンボールコンポストの普及等の活動を行う
NPO法人循環生活研究所のたいら由以子さんです。

福岡市環境調整課の河野係長より、生物多様性の考え方についてお話があり、
ゲストからの事例紹介に移りました。

最初の話題提供は平尾さん。
中学校技術科の1分野である「生物育成」。
昨年度から必修科目になり、先生方は大変苦労されているとのこと。
そこで平尾さんが開発した、「ペットボトル稲」を
より広く普及したいと考えているそうです。


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より広く普及したいと考えているそうです。
ペットボトル稲で作れるのは、3本分でちょうど茶碗一杯分と
ほんの僅かですが、播種にはじまり、生育の過程で気候や虫のつき方など
稲に関わるひとつひとつにじっくり向き合えるのが良い点だとお話いただきました。
天神のビルの屋上では、「たのしイネ」と題し、
まちに暮らす人を対象としたペット稲づくりも行っているそうです。


最後に平尾さんから質問。
「会場の皆さんが昨日食べたご飯の量を畑に置き換えると、何㎡になるでしょう?」
36人で70杯、約9.8㎡。ビニールテープでその面積を作ってみました。


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お米をはじめ穀物を育てるには、
かなりの面積が必要ということを皆で実感しました。

楽しみにされていた方も多い、「生物多様性にちなんだおやつ」。
今回は、平尾先生やゼミ生のみなさんが農場で収穫した米を使った甘酒と、
じゅんなま研のメンバーの方が作るおはぎ、じゅんなま研の畑でとれた野菜のお漬物、
ゆで落花生の差し入れなどが並び、美味しくいただきました。


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続いてNPO法人循環生活研究所のたいらさん。
自宅で出た生ごみを堆肥化する「ダンボールコンポスト」の普及・リーダー育成や、
作った堆肥を使っての土づくり・畑づくりに取り組んでおり、
その中でも多くの生きものに触れる「半農都会人講座」や
「コミュニティガーデンづくり」などのお話を中心に、
季節ごとの畑での仕事や作物の育成の様子に合わせて、
どんな生きものが訪れるかをお話しいただきました。


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「畑をやっていると生きものの動きが分かるし、
生きものもきっと自分たちのことをよく知っている。
出会ったこと無くてもお互い知り合いなんです。」と仰るたいらさん。
生きものとのよい関係が伝わってきました。

再度休憩をはさみ、後半の対話の時間。
3、4人組をつくり、まずは感想を分かち合う時間としました。
途中に席替えをはさみ、最後に自分がこれからやろうと思う行動を付箋に書き出しました。


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・旬の野菜を食べる。たとえば、1年中トマトやキュウリを食べない。
・一年を通した稲作。(田植え、稲刈り、もちつきだけでなく。)
・土にちょっと目を向けてみよう、かな?
・自然農ができる畑をまた見つけよう。見つけてまた、野菜を作ろう。
・種⇒苗⇒野菜⇒種。播種から。
・子どもに伝え続けます!
・生ごみの循環、ダンボールコンポストを今やっています。これからも続けていきます。
・人間も生態系の中の一部とは言うけれど、、、「自然」って何だろう?考え続けたい。


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前回に引き続き、私たちの暮らしと食につながる農のこと、
そこにまつわる生きもののことを思い描ける内容になりました。

次回は12月21日(土)@福岡市役所1階ロビー。
テーマは「身近な生きものへの『まなざし』」です。
ゲストは、日々身近な生きものを観察・記録し続けている
田村耕作さん(福岡県自然観察指導員連絡協議会事務局)と、
太宰府で多様な生きものがくらす環境づくりの活動を行う
岩熊志保さん(まほろば自然学校)です。
お楽しみに!