12月17日、アクロス福岡にて生きものと私たちのくらしトークカフェを開催しました。今回のテーマは「コケなの?キノコなの?身近で不思議な地衣類」。


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※ナミガタウメノキゴケ
樹や岩にコケのように付いていて「地衣類」と呼ばれる生物がいます。
と言っても地衣類は、菌類と藻類(そうるい)からなる「共生体」なので、
単体の生物とは言っていいものなのか...。


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ゲストでお招きしたのは地衣類を研究している佐賀大学の宮脇博巳先生です。
前半は宮脇先生から地衣類のお話を聞きました。地衣類は双方の生物種がお互いに
利益を得る「相利共生」であること、リトマス試薬や香水など様々な
用途に利用されていることなどを教えていただきました。

そして天神周辺で実際の地衣類を観察!


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大気汚染に弱い「ナミガタウメノキゴケ」(最初の写真)という地衣類もいました。
その大きさから何年生かということが大まかにわかるそう。おおよそ10〜15年
くらいの大きさで、その頃に大気環境がよくなったのではないかと考えられる
そうです。福岡市中心部の大気がきれいになったのではないか?というお話でした。



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こちらはブラックライトを当てると光る「クロボシゴケ」。
夜中の方が見やすいですが、今回は手製の暗幕箱メガネを使い観察。
とても幻想的に光るので皆さんビックリです。代わる代わる観察しました。
※上記写真は、夜中に撮影したもの。



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天神周辺でも様々な地衣類を見ることができ、こんなにも身近に
不思議な生態をした生きものがいたのか!と感動&感心しました。



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後半は、部屋に戻りお互いに感想を話しました。

今までコケと思っていたものが相利共生している生き物である知り、
観察の視点がガラッと変わったように思います。山や公園を歩くたびに
樹木や岩についた地衣類が気になって仕方がなくなる、そんな時間でした。

次回は1月27日(土) 「びっくり!動画で見るふくおかの虫」
博多昆虫同好会の伊東竜平さんをお呼びして
撮影した昆虫たちの生態を様々な動画で見てみます。
詳細はこちら http://www.greencity-f.org/article/15879581.html

(主催:福岡市環境局環境調整課/「平成29年度生物多様性ふくおか戦略推進業務委託」)