第7回 ぐるぐる成長する殻と心(2018年12月)

我が家には2歳の息子がいます。
2歳になると、その子の性格というのがおぼろげながら見えてきます。
なんでも自分でやりたがったり、絵本が好きだったり、
冗談をよく言ったり、料理が好きだったり…。

大人になると小さな頃のことなんて覚えていませんが、
それでもきっと、心の中心部分はこのくらいのころにできているんだろうなぁと思います。

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かたつむりの殻は、ぐるぐるうずまきです。

かたつむりは卵から孵化した直後は1巻き半の小さな貝殻を背負っています。
この貝殻は、かたつむりの成長とともに大きくなります。
付加成長と言って、殻の出口が少しずつ継ぎ足され、2巻き、3巻き、4巻き…と、
だんだん巻き数が増えていくのです。

つまり、殻の中心はずっと孵化直後の子ども時代のまま。
これってなんだか、人の心の成長に似ていませんか。

また、殻の成長は出口が継ぎ足されるだけではありません。殻の厚みも継ぎ足されます。
孵化直後のかたつむりは、とても薄い殻しかもっておらず、簡単に壊れてしまいます。
けれど、大きく成長するにつれて、分厚く頑丈な殻になるのです。

これも心と似ています。
傷つきやすかった子どものころに比べ、大人になると多かれ少なかれ、図太くなりますよね。

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もし人の心を目で見ることができるなら、
それはきっと「うずまき状」なんじゃないかと思います。
かたつむりの殻と人の心が違うのは、
かたつむりの殻は自分一人の力で合成し、修復するのに対して、
心は他者の心に触れて成長し、他者の心に触れて修復するところなのかもしれません。

ちなみに、かたつむりの殻は何らかの衝撃でヒビが入ったり、割れたりしても、
多少のことなら修復できます。
まったく元通りとはいきませんが、独特のあじわいのある殻になっていきます。