かたつむりは「はう」ことで前進します。人間も、生まれたばかりの頃は「はう」ことで移動します。人間は、最初はズリズリと腹ばいで移動するようになって、やがてハイハイで移動するようになります。そして、つかまり立ち、伝い歩きを経て、歩けるようになります。(うちの子はハイハイが遅く、順番通りではありませんでしたが……。)人間の場合、「はう」と言っても、あくまで手や足の力によってはっています。

では、手足もないかたつむりは、どうやって「はう」ことができるのでしょうか。
陸上生活をする手足がない生き物は、かたつむりのほかにもいます。代表的なのが、ヘビ、そしてミミズです。

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ヘビは、からだをウネウネとくねらせることで移動します。とは言え、ただウネウネするだけで前進できるわけではありません。試しに、自分の指を小さなヘビだと思って、ウネウネさせて前進してみましょう。きっと、指先を地面に押しつけつつ、ほかの部分を地面から浮かせないと、前進しませんよね。

基本的には、ヘビもそれと同じです。ヘビが前進するときには、からだの一部を地面にくっつけつつ、残りの部分を地面から浮かせています。からだの接地させる部分と浮かせる部分をうまく変えながら、ウネウネして前進しているのです。

はって移動するために、からだの一部を接地して固定することを、「アンカーリング」と言います。

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ミミズもヘビとは違うやり方で、アンカーリングをしながら移動しています。
ミミズのからだにはたくさんのスジがあり、体節という節に分かれています。ビーズが連なったようなイメージで捉えると、一つ一つのビーズに相当するのが、体節です。この体節が、とっても大切なんです。(※笑うところ)


ミミズは一つ一つの体節が伸び縮みしていて、縮んだ体節は太くなります。体節には小さな剛毛が生えているので、縮んで太くなった体節は地面にひっかかり、そこでしっかりアンカーリングできます。一方、伸びた体節は細長くなり、地面から浮くことになります。
伸び縮みは前から後ろへと波のように流れていき、その流れにしたがって、ミミズは前進することができます。これだとヘビのようにS字にウネウネしなくても前進できるので、土の中も移動しやすいですね。


さて、問題はかたつむり。透明なケースなどでかたつむりの裏側を見ると、かたつむりはからだ全体をピッタリと地面などにくっつけています。見た感じ、浮いている部分があるようには思えません。ヘビやミミズとは、ちょっと事情が違いそうですが、どうなのでしょうか。

 

長くなったので、また次回、かたつむりがどのように「はう」かについて、考えます。