市民の板書術(32)「オンラインでイラストのみのファシグラ」2020.05.

先日,ほぼイラストのみのファシグラをやりました。

zoomを使ったオンライン会議で10名弱が出席。その街の川辺でどんな楽しいことができるか?ブレストの雰囲気でアイデア出しをする場でした。「カヤックしたい」とか「河岸でリモートオフィス」とかいろんなアイデアが出てきます。そんなたくさんのアイデアを,文字で書くのでなくリアルタイムで1枚のイラストに入れ込んでいくやり方。ちょっと「ウォーリーを探せ」の絵にも似てました(笑)。

普通のA4コピー用紙を机に置いて,スマホ用の三脚にUSB接続のウェブカメラを養生テープで固定。真上から手元を撮影しているので,三脚の左右から両手が回り込む姿勢で描いていきます。即席の「書画カメラ」ということですね(笑)。出席者の発言を聞きつつ,モニターに見える皆さんの表情をチラ見しつつ手を動かしました。

その街の川辺の地形や街並みをうっすら鉛筆で描いた後,出てくるアイデアを「この辺でいいですか?」「何人くらいいるイメージ?」とか確認しながら鉛筆で軽く描いていきます。「いや,そこじゃなく」「もうちょっと大きく」などの声があれば消しゴムで消して描き直す。「そうそう!そんなイメージ!」「いいねえ」など場所や内容が固まったら,強い線でなぞって色えんぴつで彩色していきました。

こんなグラフィックも楽しいですね。
解像度を落とした作業状況の画像をアップしておきます。

mizube-resize.jpg

この経験はいくつか面白いポイントがありました。

◯イラストだけというのもいいなあ!

 ブレスト的なアイデア出し,批判なしで意見を膨らませていく時に向いてそうです。特にまちづくり分野やデザイン分野などは,形や空間に落とし込むことでグッと話が前に進みます。さらに,それを1枚の鳥瞰図(パノラマ図)としてまとめることで,一体感が出たり,個々のアイデアの位置関係やつながりを表現できると思います。

◯いろいろ予備知識を引っ張り出した。

 川辺の土手から川べりの地形,水際にどんな植物が生えているか,カヤックの形や色,サクラとヤナギの枝ぶりの違い,コーヒーショップっぽい店構え,ウッドデッキの構造,鉄道の高架のつくり…などいろんな予備知識を引っ張り出しながら描くことになりました。

◯オンラインでは手元ファシグラもありだなあ!

 書画カメラかなければ三脚とウェブカメラ等の多少の機材は必要ですが,後は普通の紙とペンさえあれば十分。模造紙やホワイトボードの代わりとして,これはこれでありかもしれません。何より机の上で書けるのが楽です。おそらく学校などの教育分野では書画カメラがよく使われてるんじゃないかと思いますが,オンライン会議では再度流行ったりするでしょうか?

◯ファシ(リテートする)グラ(フィック)だった

 この日,イラストを描いていく時にもっとも意識したのは,うっかり,不用意に,どんどん描いていくことでした。そのため,鉛筆を使い,アイデアが出たら極力すぐに描きはじめ,違ったら消して描き直す。紙は部分的にクシャクシャになりましたが,そうすることで出席者のアイデアを取りこぼさず,発想を刺激し,発言意欲を高めることができたんじゃないかと考えています。逆に失敗しないように描こうとすると,描き手による発言の取捨選択が強まりますし,それは出席者に伝わって発言内容を抑えつけるような影響を与えると自戒しています。

◯オンラインでは「有効サイズ」が小さい

 一番の反省はウェブカメラの解像度が低く,出席者にはボヤけて見えていたことです。終わった後に気づきましたが,これスマホで別にサインインした方が断然,画面の解像度が高かったはず。次回からそうしようと思います。ただ学んだのは,オンライン会議のファシグラは,ウェブカメラの解像度やモニターの大きさがネックになって「有効サイズが小さい」,つまりあまり書き込めないことが多そうだということ。カメラの解像度や写り具合を見ながら,どのくらいの文字の大きさや線の太さで書くべきか,調整するとよいと思います。