まもるーむ福岡で開催された、今年度第1回の生きものと私たちのくらしトーク・カフェ。

今回は北九州市立大学准教授で子どもの遊び場「きんしゃいきゃんぱす」代表の山下智也さんをゲストにお迎えし、「子どもの遊びと自然との出会い」をテーマにお話ししていただきました。

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はじめに山下さんからは、現代は時間、仲間、空間という3つの「間」がなくなり、子どもたちが外で「遊ばなくなった」というより「遊べない環境になった」というお話しを伺いました。

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本来、子どもの遊びの世界に大人はいなかったけれど、思う存分遊べなくなった責任は大人にある。そう考えると、子どもの遊び環境を保障することは、私たち大人の役割ではないかという山下さんの言葉は、なんだか心に刺さります。

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次に、山下さんが2004年に福岡市東区で始めた子どもの遊び場「きんしゃいきゃんぱす」について、写真を交えて紹介していただきました。

商店街という、決して自然が豊かとは言えない場所にあって、どのような子どもと自然との出会いがあるのか、実際のエピソードを紹介してくださいました。

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そこでは、公園の植物との何気ないふれあいのことや、雨もまた自然であり、雨水を集めたり、水たまりに映る自分の姿を発見するということ、さらには、浜でイカをつかまえてきた子どもたちが魚屋さんでイカをさばいてもらって食べたというエピソードも紹介していただきました。

「自然」と言うと大自然や生物だけを想像しがちですが、植物や動物はもちろん、雨のような自然現象など、子どもにとっては多様な身近な自然があるということ。そして、いきいきと遊んでいると、そんな自然と「自然に」出会うということをお話しいただきました。

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山下さんによれば、自然は可塑性に富んでいて、多様な魅力があって、コントロールできないところがある。そこがおもしろさではないか、とのこと。

また、自然と正面から出会ったり、隙間から垣間見るように出会ったり、自然を背景として出会ったり、いろいろな出会いのあり方があるということも興味深い指摘でした。

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後半には、会場とオンラインの参加者から、たくさんの質問や感想をいただきながら、さまざまなお話をしていただきました。

きんしゃいきゃんぱすの運営や、そこでの子どもたちの姿、保護者との関わり方についての質問のほか、道端で石を集めるようなことも、子どもにとっては「自然との出会い」だと気づかされたという声もありました。

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13組のオンライン参加者の方からも続々とご質問・ご感想をいただき、話が尽きないまま、終わりの時間がきてしまいました。

自然そのものが多様であることはもちろん、自然との出会い方も多様なのだと気付かされる時間になりました。

興味深い貴重なお話し、ありがとうございました!

会場とオンラインで参加してくださったみなさんも、ありがとうございました!

次回のトーク・カフェは「野草を楽しむ」がテーマ。9月11日(土)の開催です。
ゲストに、野草ベーグル店「Plantago」のゴトウタカコさんをお迎えします
こちらもお楽しみにー!

(主催:福岡市環境局保健環境研究所/2021年度まもるーむ交流活動支援業務)