安全管理のコラム第63回「保育園の墓石下敷き事故『再検証』に」2021年7月

2018年に長野県高森町で、園外活動中の保育園児(4歳)が墓石の下敷きになり亡くなる事故がありました。とても残念で悲しい事故です。

先月(2021年6月)、その事故の「再検証」が行われているとの続報がありました。


事故の現場は保育園から約800m離れた場所にある広場で、木立の中に隠れるようにお墓がある場所。保育士4人で46人の園児を連れた外遊び中に起きました。

詳細は「高森町立保育園において発生した死亡事故の検証等に関する報告書(2019年8月5日/高森町保育所事故検証委員会)」にまとめられています。

https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/kosodate/2/6/4894.html
(2021.07.25.閲覧)


ただし、これは「再検証」の前の検証報告書です。

事故当日の朝に担任の保育士が「5分間程度下見した」と記載されていますが、この報告書が公開された後、実際は下見をしていなかったことが判明。2021年7月現在、あらためて町の検証委員会で再検証が行われており、7月中に結果が高森町に報告されるとのことです。

そのため、上記の報告書は近日中に追加もしくは差し替えられるのではないかと思います。


いずれにしても悲しい事故です。

同じく2018年は群馬県高崎市の神社で石灯籠に上って遊んでいた中学生が落下し、はずれた上部の石の下敷きになって亡くなる事故もありました。

古いお墓や灯籠などは「不安定な重量物」です。リスク要因であるとの認識をあらためて持っておきたいと思います。


加えてこの保育園の事例では、

当初の検証委の聞き取りで「下見をした」と事実と異なる証言がなされたこと。

事前に作成していた計画書が事故後に書き換えられて提出されたこと。

下見をしていないことを口外しないでと同僚保育士が依頼されていたこと。

などが、長野県警の捜査で判明しました。事故を起こしたことだけではなく、それを誤魔化すようなことが行われた点でとても残念な事例になったと思います。


うーん、いろいろ考えてしまいますね。

保育士さんはたいへんな仕事だと聞きます。仕事量の負担、賃金や時間の余裕、人間関係などは大丈夫だっただろうか?モラルやモチベーションを保てる職場環境や待遇だっただろうか?とか。

過ちを認めることって難しい。たいへんな勇気が要るように思います。誤魔化さず、まず過ちを認めることからはじめないと改善されることはないんじゃないか?とか。


亡くなったお子さんのご冥福を、そして保育士さんたちがいきいきとした、子どもたちへの目が行き届いた保育が広がることを祈ります。