安全管理のコラム第64回「尾瀬のTwitterの件で」2021年8月

尾瀬と言えば「♪夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空」と歌でも有名。
湿原と周囲の山々からなる自然地です。

 

福島県、新潟県、群馬県の県境にあって標高2,000m級の山々に囲まれた盆地状の地形。盆地と言っても底の標高が1,400mくらいあります。

福岡に住む人だと、脊振山の標高が1,054m、英彦山が1,199mなのでその山頂よりも高い場所に湿地が広がっていると考えると…すごい。

ミズバショウやミズゴケなど湿原ならではの植生が見られます。


20世紀初頭に関東水電(後の東京電力)によるダム建設が計画され、その反対運動が起こりました。経緯については(公財)尾瀬保護財団のページなどをご覧ください。

今では全国的な活動を行っている(公財)日本自然保護協会も、前身となる団体は尾瀬保存期生同盟。各地で見られるようになった「ゴミ持ち帰り運動」も尾瀬が発祥らしく、いろんな意味で尾瀬は日本の自然保護活動の象徴的な場所です。


さて、8月23日に複数のメディアで尾瀬ガイド協会のTwitterのことが報道されました。

それによれば、尾瀬ガイド協会の公式Twitterで「(感染症拡大ででロックダウンになったとしても尾瀬は広大で)アフガニスタンやミャンマー、ロヒンギャに比べれば幸せです」という投稿があったそう。

これ以前にも、花が咲いていい香りであることを女性専用車両に例えるツイートなどがあったようで、これらに対して批判が相次いだとのことでした。


まあ、ひどい思考ですしそれをSNSで流す感覚はかなり問題と思いますが、一方で残念ながら「そんな人もいるよね」とも感じます。

もちろん今回のツイートを肯定or擁護するつもりはありません。

そんな考え方や発言をする人はまだまだたくさんいる気がするということです。「近い考えの人といるから」「それがイヤな人はソッと離れるから」「SNSに投稿したとしてもフォロワーが少ないから」見つかってないだけだよな、と思います。

 

既に該当のTwitterアカウントは削除され、尾瀬ガイド協会のトップページには8月23日付で謝罪文が掲載されています。

けれど、既に尾瀬のガイドや尾瀬という観光地にとって大きなイメージダウンとなりました。尾瀬が全国でも象徴的な場所だったからこそ話が大きくなったという面もあると思います。


ともあれ、社員やスタッフが団体のアカウントでSNSを使う場合、不適切な投稿や差別的な発言は想定されるリスクの一つ。安全管理の範疇と言えそう。

社内研修をしたり、ガイドラインやチェック体制を定めたりといった対策が考えられます。

しかし、むしろ大事なのは上記の「近い考えの人といるから」「それがイヤな人はソッと離れるから」という状況にならないよう気を付けることかもしれません。

「違う考えの人がそばにいる」「耳に痛い指摘もできる&聞ける関係をつくる」といったことが、長い目で見て健全な組織や人材を育てていくと思います。


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