まもるーむ福岡の特別講座の今回のテーマは、独特なニオイで嫌われ者になりがちなカメムシ。

そんなカメムシを「こよなく愛して尊敬している」一般社団法人まほろば自然学校の岩熊志保さんに、カメムシの魅力を熱く解説していただきました。

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はじめに、カメムシの特徴についてお話しいただきました。

針のような口で植物の汁や動物の体液を吸うカメムシの仲間は、世界に82,000種、日本には3,000種、このうちカメムシ亜目は900種ほどいるそうです。

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この中から、キラキラカメムシの「ニシキキンカメムシ」や「アカスジキンカメムシ」など、岩熊さんイチオシのカメムシについて、エピソードを交えて紹介いただきました。

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そして、みんながカメムシを嫌う要因でもあるニオイを実際に嗅いでみました。色々な種類を嗅ぎ比べてみると、臭いカメムシとそんなに臭くないカメムシがいることに気がつきます。

このカメムシのニオイの成分って、パクチーやオヤジ臭と言われるニオイの成分に近いんですって!

外敵から身を守る時や、カメムシ同士のコミュニケーションの手段として発するニオイはカメムシ自身にも強烈なようで、自分のニオイでひっくり返るカメムシもいるのだとか。なんだかかわいいですね。

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後半は、赤ちゃんカメムシを育てる「ベニツチカメムシ」の行動について紹介していただきました。

ベニツチカメムシの餌はボロボロノキの果実です。母さんカメムシは、自分と同じぐらいの大きさの実を一つずつ巣まで運んで、赤ちゃんに与えて育てているというのは、特に印象に残るお話でした。

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この日、岩熊さんがベニツチカメムシの集団を見つけて持ってきてくださっていたので、1匹ずつシャーレに入ったベニツチカメムシをじっくり観察することができました。

講座終了後には「お家で飼いたい!」という参加者が続出。最後までしっかりお世話をすることを約束して、持ち帰っていただきました。

嫌われ者、厄介者だと思われていたカメムシの見方を変えてくださった岩熊さん、母さんカメムシに負けないぐらい熱くカメムシ愛を語っていただき、ありがとうございました。

(主催:福岡市環境局保健環境研究所/2021年度まもるーむ交流活動支援業務)