「生きものと私たちのくらし展」との連携企画、
オンライン自然観察会を開催しました。今回は2本立て。
まずは油山自然観察の森から「夜の森の生きものたち」をお送りしました

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真っ暗な夜の森を飛ぶ1匹の蛾。煌々と輝く光に誘われて、飛んでいってみたら何故かそこにはシーツが。
「まあ、ちょっと休憩していこうかなあ〜」
――きっとそんな感じで佇んでいた彼ら「蛾」が今回の主役!

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そして、こちらは蛾を愛してやまない小藤佳紀さん。
夜の油山の森で蛾の調査を続けること30数年。ほとんど1年中毎月1回はこうしてライトトラップを行われています。くらし展でもこの油山市民の森と地行浜にいる蛾を紹介してくださっています。

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現場では油山市民の森 自然観察センター長の小川真樹さんにもサポートいただきました。

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観察会スタート!カメラは真っ黒な森の方を向いてヒソヒソ声でお届け。耳を澄ますと

「ゴロスケホーホー」

なんとフクロウの声が!姿は見えなくてもワクワクしますね。
そうこうしている間にもシーツの方は賑やかに。
小藤さんが、幼虫時代に食べる植物の名前やグループの特徴などをていねいに解説していきました。

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アカスジシロコケガ 歌舞伎の隈取を連想しちゃう。地衣類を食べるんですって。

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クロフオオシロエダシャク  参加者から「ヒゲのおじさんの顔に見える!」との声が。胸の黄色いフワフワのところですね。確かにキュート。

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エダシャクの仲間 翅を閉じてとまるのがチョウ、開いてとまるのが蛾というのが通説ですが、覆す子がきてくれました。エダシャクの仲間にこのような止まり方をするのがいくつかいるそうです。

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トビイロリンガ きれいな黄色!ってまず思っちゃいましたが、名前のトビイロって鳶色、タカのトビの色なんですよね。模様の方を指しているんでしょうかね。

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アオシャクの仲間 美しいエメラルドグリーンの色。シーツの上だとよく目立ちますが、日中葉っぱの上にいたら気づかないでしょうね。

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オオゾウムシ 立派な長〜い鼻、ではなくて口なんですよね。「米櫃に湧くのと一緒ですか?」参加者から質問があった通り、あのちびっちゃいコクゾウムシと同じ仲間。

※イベントではマダラアシゾウムシと言っておりましたがオオゾウムシでした。スミマセン

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顕微鏡で拡大!ずーっと死んだふりをしてくれるので、観察しやすかったです(笑)表面はかなりボコボコしていますね。

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ハネナガブドウスズメ 大きな目にもふもふの毛が「かわいい!」との声も。

(配信中、ひげさんの服の中にこのスズメガの仲間が入ってきてプチパニックが起きたとか)

日本には約6,000種の蛾がいると言われています。
そのうち油山には約1,000種が生息しているそうです。
たくさんの種類の蛾がいて、その蛾が食べる多種多様な植物が生えていて、さらにはフクロウまで住んでいる。福岡市民にとって身近な油山が自然豊かであることを感じていただけたと思います。
ずーっと大事に残していきたいですね。

(主催:福岡市環境局環境監理部環境調整課)