安全管理のコラム第73回「自然公園で植物の伐採」2022年6月

 少し前、2022年4月にネットニュースで見かけました。国立公園内の植物をナタで刈った疑いで男性2人が書類送検されたそうです。


 場所は小笠原諸島の母島で、約240メートルにわたってヒメフトモモやシマモチといった植物9種計17本をナタで刈ったとのこと。これによる自然公園法違反の疑いです。目的は釣りに行くための道づくりだったそうで、別の報道では、巨大魚のロウニンアジを釣れる場所を探して農道から海岸へ行く道を切り開いた、ともありました。


「世界遺産・小笠原で植物損傷容疑 「釣り行くため」240m傷つける」朝日新聞デジタル. https://www.asahi.com/articles/ASQ4L365GQ4HUTIL031.html(2022.05.31.閲覧)


 この「自然公園法」で言う自然公園とは以下の3種類のことです。


 国立公園_______日本を代表する自然の風景地(全国で34箇所)

 国定公園_______国立公園に準ずる優れた自然の風景地(同56箇所)

 都道府県立自然公園__都道府県を代表する自然の風景地(同311箇所)

 

 

 さらに一つの自然公園の中では、自然環境の重要度などに応じてエリア分けが行われ、それぞれ許可が必要な行為などが細かく定められています。


 特別保護地区____特に厳重に景観の保護を図る地区

 第一種特別地域___現在の風致を極力保護する地域

 第二種特別地域___農林漁業活動について努めて調整を図る地域

 第三種特別地域___通常の農林漁業は風致の維持に影響が少ない地域

 普通地域______地域内の集落や農耕地など

 


 今回の件が刑事事件にまでなったのは、世界自然遺産でもある小笠原国立公園の中でも、特に重要な「特別保護地区」で起きたというのが理由ですね。

 森林ボランティアでは、わりと普通に草木を伐ったり森の中に通路を作ったりします。いくら善意でやっていたとしても、うっかり法令違反してしまっては問題。皆さんも身近な自然公園の範囲を調べてみてください。

 


 ちなみに、福岡市域ではどのあたりが自然公園になるかというと…。

 

 玄海国定公園______奈多海岸から志賀島、能古島、糸島半島へ

 脊振雷山県立自然公園__佐賀県と接する脊振山脈一帯

 


 私たちも「しかボラ(志賀島森林保全ボランティア)」で自然公園周辺での活動を行っています。

 特に、志賀海神社の裏手から通称「火焔塚ルート」の山頂向かって右手側。そして潮見公園周辺が「第二種特別地域」となっています。小笠原の事例のように「国立公園」の「特別保護地区」というわけではありませんが、自然公園の区域内です。気をつけます。


 余談ですが、自然公園の範囲や制限などについては、情報発信がまだまだ進んでいませんね。スキャンした地図のPDFがアップされているくらいで、見やすく使いやすい地図はなかなかありません。なんとかならないかなあ?


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