環境活動や自然体験に関わる団体・個人の交流の場「ふくおか環境連絡交流会」を開催しました。
今回のテーマは「生きもの好きの子どもの居場所」。ハイブリッド形式での実施です。
話題提供してくださったのは「やながわ有明海水族館」館長・亀井裕介さん。
なんと現役高校生、セブンティーンです!水族館の「子ども職員制度」を例に若者の活動参加についてお話しいただき、意見交換を行いました。


「やながわ有明海水族館に行ったことがある人ー?」
会場もオンラインでも一斉に手があがりました。やながわ有明海水族館は有明海や柳川掘割の生きもの達を展示している水族館で、NPO法人や市民、生き物好きの皆で管理運営されているそうです。手作りの展示物などから温かい雰囲気を感じます。
亀井さんは小学生の頃から常連のお客さんとして通っていたそうです。
それから中学生で副館長、高校2年生のときに館長に就任されたとのこと。
「ここ1年のテレビ出演数なら日本トップクラス(と思う)」とおっしゃっていたほど、最近とても注目されています。

本編の前にぜひ福岡市で見られる生きものを紹介したいとスライドを作ってきてくれました。亀井さんは魚に限らず、昆虫や植物、最近だと微小貝など、とにかく生きものが何でも大好きだそう。市内の山や川、干潟など様々な環境に棲息する生きもの達のすばらしさを熱く語ってくれました。子どもに自然体験をさせたい!という親御さんには大濠公園がオススメだそうです。

本編では水族館が取り組んでいる「子ども職員制度」について紹介。
この制度は、生きものや自然が大好きな常連のお子さんを「子ども職員」に任命し、入館料を無料にする代わりに水槽の管理や生きものの採集、観察会の補助などを手伝ってもらうというもの。水族館の負担軽減や、来館者数獲得のほか、水族館を生きもの好きの子どもや若者が集う場、体験して学べる場として機能させる狙いがあるそう。実際、小学生から高校生まで10人の子ども職員が在籍していて、自分が好きな生きものについて語り合える仲間になっているそうです。メンバーは家で100匹のカメを飼っている子やサメの標本を作りまくる子など、とても個性豊か。次期館長候補も育っているかも…?
スライドの内容もそうですが、話し方、伝え方もとても上手な亀井さん。聞き手の様子を窺いながらお話されているのがよくわかりました。イベントでは参加者にとって能動的に体験できることを大事にされているそうです。…本当に高校生?

質問もたくさん集まりました。
写真はクロツバメシジミとヤマトシジミの違いを問われ、慣れた手つきでスマホの写真をカメラに映しだした亀井さん。スマホには生きもの関係の写真が7,000枚入っているそうです!
団体の運営に関してあがった質問を1つご紹介。
「観察会等のイベント時、われ先に!と前のめりな生きもの好きの子たちの対応は?」
私たちが行う観察会でもよく見かける光景です。
亀井さんは生きもの好きの子ども達は「見せたいもの」を持っているといいます。それを受け止めてあげれば大抵落ち着いてくれるのだそう。この「見せたいもの」を共有し、どんどん増やしてあげられるように子どもの発見をお手伝いすることが大人の役割りだと感じます。

イベント終了後の図(笑)
閉館間際まで亀井さんの周りには参加者が集い、生きものトークが止まりませんでした。今回参加した子ども達も、生きものが大好きだけど一緒に楽しめる仲間がいないと嘆いていました。生きもの好きの子ども達が集まって語り合い、仲間を増やしていける場所が求められています。
因みにこの日の亀井さんのスケジュール
AM大濠公園で調査→PMまもる―むでイベント→夕方 今津でカブトガニ探し
なんと全て自転車移動です(笑)福岡県内の全市町村は自転車で制覇済みとのこと。柳川の水族館も福岡市から自転車で通っていたそうです(現在は他所へお引越し)。
亀井さん、高校3年生の貴重な夏に登壇してくださってありがとうございましたー!
(主催:福岡市環境局保健環境研究所/2022年度まもるーむ交流活動支援業務)