まもるーむ福岡にてふくおか環境活動発表会「子どもと自然を学ぶ」を開催しました。
福岡市近郊で子どもと一緒に身近な自然や生きものを学ぶ6団体のみなさまに活動について発表いただいた後、参加者・発表者を交えてグループトークを行いました。

トップバッターは(一社)まほろば自然学校 岩熊 志保 さん。

発表テーマは「こんな学校あったらいいな!を作っちゃった『むしの学校』」。

「むしの学校」とは、昨年の夏休みに大宰府南小学校の教室を利用して行われたむしむし尽くしの講座のこと。実際の小学校と同じように1時間目から6時間目まで時間割を組み、虫✕教科で授業を行ったそうです。授業内容を少しだけ紹介すると、国語「ことわざと昆虫」、算数「昆虫と図表」、社会「昆虫とお金」、体育「もしもアリだったら」ともう、どれもおもしろそう!対象は小学生で、保護者の同伴はなし。夏休みに子どもとずっと過ごしている親御さんのリフレッシュに活用して欲しいとの思いもあるそうです。

実際にやってみると人気なものとそうでないものにはっきり分かれ、最後の日に特別に行った標本教室は満員になるほどだったそう。続けていると、なんと岩熊さんが小学生だった時の担任の先生が手伝ってくれたり、経験を求める高校生達も現れたりと、ボランティアが活躍できる場ともなっていったんだそうです。

「むしの学校」は岩熊さんが今までずーぅっとやりたかったこと。学校教育で自然や生きものを扱うことで、幅広い層の子ども達へ関心を持ってもらえる場が生まれると岩熊さんはおっしゃっていました。

続いて、福岡大学工学部社会デザイン工学科 伊豫岡 宏樹 さん

発表テーマは「身近な水辺でのんびり遊ぼう!『樋井川ビーチ』」。

福岡市内を流れる樋井川をベースに環境学習イベントやゴミ拾い、草刈り等の整備を行われています。夏には「スーパー水遊びDAY」という子ども達に大人気のイベントも行っているそう。

地域をはじめ、もっと多くの人に川を活用して欲しいと伊豫岡さんはいいます。川は日常入りづらい場所と多くの人が思いがち。だけど、人の手を加えることで入りやすい環境が生まれ、子ども達だけでものんびり遊べる場となるのだそう。時々、水が汚いだろうと言ってくる方もいるそうですが、昔と違い下水処理の進む福岡市の川の水はとてもキレイだそうですよ。最後に、伊豫岡さん達の活動拠点「樋井川ビーチ」のように利用できそうな樋井川のポイントを紹介。20箇所ほどもありましたよ!

続いて、NPO法人 産の森学舎 大松 康 さん。

発表テーマは「フリースクールで生きものみっけ!『佐波(さなみ)いきもの調査隊」』。

発表を予定していた野島さんがなんと前夜に発熱。急きょ、野島さんのスライドを使って産の森学舎の理事長である大松さんが代理発表してくださいました。産の森学舎は糸島市にあるフリースクール。そこで昨春に野島さんが始めたのが「佐波いきもの調査隊」。休耕田を活用したビオトープを中心に、小中学生のメンバーが記録や写真撮影、スケッチなど役割分担して調査を行っているそう。子ども達がすぐそばの生きものたちの暮らしに触れることは、心の成長や人との関係づくりにきっとよいものをもたらすと野島さんは考えているそうです。

続いて、ABURAYAMA FUKUOKA 自然観察センター 土屋 志乃 さん。

発表テーマは「鳥が好き!な小中学生のための1日学校」。

土屋さんが昨秋油山で開催されたのが表題のイベント。小学生の息子さんが野鳥にハマるも、学校で語りあえる友達がいないともらしたことがきっかけ。実はそういう子が多いのではないかと思い、呼びかけてみると23人の鳥好き(玄人)な小中学生が集まったそうです。内容はバードウォッチングで始まり、野鳥の専門家の講座、専門家への質問タイム。イベント中は「楽しい!」「知りたい!」そんな空気が充満していたと土屋さん。大好評につき、今冬にも第2弾を開催されたそうです。

続いて、(一社)ふくおかFUN 山﨑 潤 さん。

発表テーマは「海のゆりかごを作ろう!『アマモ場づくり』」。

昨年7月に入社したての山﨑さん。3歳からガサガサで生き物観察をしているZ世代、フレッシュです。福岡の海で行っている「アマモ場づくり」の活動についてお話しいただきました。アマモの苗づくりや、種を寒天粘土にまぶした「アマモ種子団子」の投げ入れなどの体験を通し、海の問題を身近に感じてもらえるよう取り組んでいるとのこと。海だけでなく川でも生き物を探してきた山﨑さんは、そのつながりの大切さも発信していきたいと今後の意気込みも語って下さいました。

最後は、原西校区ふくおかレンジャー講座 原西公民館から3名のみなさん。

発表テーマは「校区の自然を再発見!『わくわく原西っ子探検隊』」。

ふくおかレンジャー講座とは、地域に遊びや体験を通じて、生きものや自然の大切さ、楽しみ方を伝える人が増えるように福岡市が取り組んでいる事業のことです。館長の坂口さん、主事の馬場さん、レンジャーの泊さんから発表していただきました。原西公民館では、「わくわく原西っ子探検隊」というイベント名で、河川沿いや校庭での生きもの観察会、樹名札の作成、フィールドビンゴをこれまで行ったそうです。イベント中、レンジャーのお話を受けて低学年の子達は「へ~」高学年の子達は「あ~」とリアクションに違いがみられると泊さん。「へ~」は初めて知った時のもので、「あ~」は既知のものと繋がった時に出るもの。「この知と知をくっつけるのが大人の役割」とおっしゃっていたのが印象的でした。

発表の後は4つに分かれてグループトーク。自己紹介から今日の感想等をシェアしました。産の森学舎の中学生のみなさんもそれぞれに混ざってくださいましたよ。緊張するかな?と気にしていましたが、物怖じせずに発言している様子が見られてとても感心しました。どのグループも時間ギリギリまでおしゃべりが盛り上がっている様子でした。

発表者のみなさま、ありがとうございました!