しおだまりの生きもの探しって楽しいですよね。
福岡に住むようになって十数年。すっかり海が身近になり、冬でも海に行きたくなります。
海の生きものは専門的に学んだことがないので、森以上によくわからない生物がたくさんいて楽しいです。
こちらでは、ナメクジみたいなものがうにうにと這っておりました。

さて、めっきり寒くなった12月。
納屋の軒下でのリモートワークは厳しくなって、ふたたび室内でのリモートワークに移行しています。
試行錯誤中ではありますが、最近は、2階の自室にこもるか、1階の和室で仕事をするかのどちらかに落ち着いてきました。
単に自室にこもるのではなく、1階の和室でリモートワークをするのは、夏に納屋の軒下を利用したのと同じような理由です。
和室だと、這いずり回る8カ月の次男や、レゴブロックにはまっている5歳の長男を、多少は見守りながら仕事ができるというメリットがあるのです。
1階の和室でリモートワークをしていると、妻がいそいそと家事や子育てをしているところも間近で見えるので、なんというか、自分がいないときの大変さを垣間見ることができます。いつも申し訳ない……という気持ちにもなります。
また、お昼ごはんや休憩時間のタイミングが、家族がすぐ近くにいるので合わせやすいのも良いです。

もっとも、その環境だと進まないタイプの作業もあります。
新しいアイデアを生み出すような仕事。
その世界にどっぷり浸からないと進まないタイプの仕事。
個人の仕事だと書籍の原稿なんかはそうです。
その点、夏の納屋の軒下はまだ良かったなぁと思います。
遠くの景色などを見ていると、リラックスしてふとアイデアがわいたりします。
一方、どうにも進まなくて、集中できず、そんな自分に嫌気がさしてくるとますます悪循環に陥りがちです。
そんなときは自室にこもってしまうこともしばしば。(それでも捗らないって場合もありますが……)

満潮のときに海水に浸かったり、干潮のときに陸地になったりする領域のことを「潮間帯」と言います。潮間帯も陸域と水域の重なるエコトーンです。
リモートワークでの作業場所をあれこれ変えていると、そんな潮間帯のことを、ふと思い出します。
海にどっぷり浸かるように、自室にこもって仕事をしたり……
風を感じるように、広い和室で仕事をしたり……
しおだまりの生きもののように、この両方があることで、私にとって居心地の良い環境が生まれるのかもしれません。
そんなほど良いリズムを探し始めた、12月なのでした。