この中で、一番「あぶない」のはどれでしょう?
「あぶない」の意味合いによって変わりますが、国内の年間死亡数で比べてみると、
①風呂 10,000人以上 *
②車 3,500人前後
③餅 300〜400人 *
④スズメバチ 18人
ということになります。
(厚労省統計の令和6年度の死亡数より。*印は死亡数をもとに推計。)
でも、お風呂は日常的に入るし、車も人によって毎日使うので、関わる人の母数が大きい。
反対に餅を食べる回数や、スズメバチに遭遇する機会は、風呂や車と比べると関わる人は少ないです。
なので、比較するために、その行為が国内で行われる回数を推定して、割り算してみます。
むちゃくちゃざっくりですが、
風呂:年間300億回(日本国民が毎日入る×7割くらい)
車 :年間100億回(日本国民の1/4が毎日運転)
餅 :年間12億回(日本国民が年間10回食べる)
スズメバチ:年間1億回(国民の1/6が年間10日間、草地や山林に入る)
と仮定してみます。
これをもとに、その行為、100万回あたりの死亡数を計算すると、
①風呂 0.33人
②車 0.35人
③餅 0.25〜0.33人
④スズメバチ 0.18人
ということになります。
もちろん、仮定の仕方で数字が大きく変わりますし、死亡とならないまでも深刻な被害も起きうるので、それだけで比較するのは乱暴かもしれません。たいへん大雑把な試算です。
とは言え、こうして見てみると、どれも「極端に危険」というより、おおむね同程度に収まっているんじゃないか?と見えます。
私たちが日常生活で許容するリスクの範囲ってあるのかもしれません。
このあたりは保険や労災業界の人がご専門だと思うので、機会があったら話を伺ってみたいです。
念のため、
「スズメバチより風呂の方が危険」と言いたいわけではありません。
日常生活のリスクと野外活動のリスクは別物。
野外活動や自然体験活動の現場では、不慣れな土地や環境、変化する天候、はじめての活動や作業などが重なり、かつ刻々と変化します。野外活動では、日常生活とは違った感覚で安全管理を行なっていく必要があります。
その点で、指導者や施設スタッフは、
「このコースの危険要因は?」
「現在の参加者の体調は?」
「進行を変える必要があるか?」
といったことに目を配りながら、その時、その場のリスクを予見し、対策・対応していくことになります。
統計データ等から見える日常生活のリスクも、野外活動のその時・その場所・その人のリスクも、両方を意識しつつ場づくりできたらと思います。