鮮やかな新緑の時期が過ぎ、成熟した緑の葉が心地よい涼を感じさせてくれるこの季節、純白の花を咲かせている盆栽があります。クチナシです。

アカネ科クチナシ属の常緑低木で、春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイと並び「日本の三大芳香木」と呼ばれています。本州の静岡県以西から四国、九州、南西諸島の温暖な森林や沿岸部に自生していて、庭木や公園の植栽としてもよく見かけますよね。

我が家のクチナシ盆栽は樹高15cmほど。古木感のある太い幹で重心が低く、大木の風格を持ち合わせています。ツヤツヤした葉は、地植えのものに比べてシュッと細長い形です。

実は、このクチナシ盆栽は4鉢目になります。1鉢目は一度花を咲かせたもののその後枯らしてしまい、残りの2鉢も花を咲かせることができないまま、置き場所の都合で泣く泣く手放しました。クチナシの魅力を十分に引き出せなかった原因は、いずれも適期の剪定を行わなかったことでした。

1鉢目は剪定を怠って葉を茂らせすぎたため、内部の日当たりが悪くなり、枝枯れや蒸れで樹勢を落としてしまいました。晩年は胴吹き(幹から出る芽)が多く、「強い樹だから大丈夫」と楽観していましたが、今思えばあれはSOSのサインだったのです。適切な手当てができず、申し訳ないことをしました。

2、3鉢目は、SNSの情報を鵜呑みにして春にすべての葉を刈ってしまい、大切な花芽まで落としていたのです。痛恨のミス。浅はかな行動でした。

 

そして今年、我が家にやってきた4鉢目のクチナシ。前持ち主の丁寧なお手入れのおかげで、8つもの花が咲きました。

さぁ、これからが本番。暑さには強いそうですが、いかんせんこの小ささ。鉢が小さいということは、それだけ水切れしやすいということです。暖地性の植物なので、冬の寒さ対策も今から考えておかなければ…

かつて見落としてしまった木からのSOS。今度こそは木の声に耳を傾けしっかり向き合っていきたいです。