4月上旬の様子。真っ赤な新芽が見事です。
今年も暑い夏が到来し、我が家のベランダ盆栽たちも日々暑さに耐えています。この時期にとても元気な松柏(しょうはく)類の盆栽をよそに、必死に頑張っている盆栽が数鉢……。その中でも、特に気にかけている一鉢を紹介します。デショウジョウモミジ(出猩々紅葉、以下デショウジョウ)です。
デショウジョウは、イロハモミジ(カエデ科カエデ属の落葉広葉樹)の園芸品種。一般的なモミジとの違いは、春の新芽が真っ赤であること。その後、気温の上昇とともに鮮やかな緑色へと変化し、秋には再び美しく紅葉します。葉の色が三度変化していく過程を楽しめる、盆栽好きであれば「一鉢は育てたい」と思う樹ではないでしょうか。
さて、実は我が家のデショウジョウはこれで2鉢目になります。初代は、ベランダの置き場所問題で手放してしまいました。盆栽はただ並べるだけでは樹勢を維持できません。日々のお手入れはもちろん、日当たりだけでなく風通しの良さも重要なので、盆栽同士の間隔を適度に空ける必要があります。そのため、いくら好みの樹があっても、大きさによっては断念せねばならず……初代とはお別れすることになったのです。それから数ヶ月。運命でしょうか、樹高15cmほどの小さなデショウジョウ盆栽と出会ってしまいました。「これなら置ける!」と迷わず我が家に迎え入れ、現在に至ります。下の写真は、現在の様子です。全体的に葉っぱに元気がなく、右側の枝の葉は落ちてしまいました。落葉後に芽が付き、土の渇きも良くなったので諦めていません。樹勢が落ちた原因は、根が落ち着く前に春の強い日差しに当たり、十分な水吸いができなかったのではないかと推測しています。
ベランダという限られた空間で盆栽を育てるには、日当たりや風通しの確保など、様々な工夫が必要です。欲しい樹があっても諦めることは多々あります。ですが、それら全てが「樹について考えること」。樹の特徴や個性を知る面白さにもなります。それは、適切な盆栽育てを維持するうえでも、とても大切なことだと感じています。