冬枯れの田園地帯。田んぼの間にあるU字溝を覗くと、勢いよく透明な水が流れていて、底には青く目立つアラカシの葉が1枚。何かいっぱい付いてる…!

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実はこれ「ブユ」の幼虫です。
体長は大きいもので4mmほど。激しい流れの中、お尻の吸盤で葉に引っ付き、上半身は投げ出して水流に任せています。独特のスタイル!でもこれ、葉が流れちゃったら万事休すです。

子どもの頃、脚が痒くて無意識に掻いているうちに、気づくと直径5cmぐらいに腫れあがり、触ると不思議とカッチカチになっていることが何度かあったんです。母は「ブトに刺されたっちゃろ」と言って軟膏のムヒをくれました。「ブト」ってなんなんと思いつつも、特に追及しないまま私は大人になりました。そして今、ようやくその姿を知ることに。想像だとデカイ蚊だったんですが、小さなハエの仲間。名称はブトとかブヨとか地域により様々なようですが、正式には「ブユ」というそうです。母もきっと本当の「ブト」を知らないはず。今度聞いてみよう。