2025年6月、福岡市内の浜辺で小学生が亡くなる水難事故がありました。とても悲しい事故です。心からお悔やみ申し上げます。
その後、水難学会が事故原因を調査していたそうですが、調査の様子が、Yahooニュースのエキスパートトピとして速報されました。同学会理事で長岡技術科学大学の斎藤秀俊先生が書かれたものです。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/20f34eafd2d21a946444be15bf85dd41fa539b2e
Yahooニュース「福岡市・三苫海岸での小6男児2人溺水事故 現場の深みと流れを形成する、まさかの淡水」斎藤秀俊(水難学者/工学者 水難学会理事/長岡技術科学大学大学院教授)(2025.08.29.閲覧)
事故の概要や調査についてはリンク先をご覧ください。
記事中では「海底湧水」が影響した可能性も指摘されています。水の流れで深みやハマりやすい場所ができたことは十分考えられます。
個人的な経験では、砂浜の貝殻をテーマにしたオンライン観察会の下見で。スマホで撮影しながら浜辺を歩いていました。陸側から注ぎ込んでいる小さな小川を跨ごうとした時、やわらかい砂地に一気に膝上までハマったことを思い出します。一人だったのでちょっと焦りました。小さなお子さんなら結構怖い深さだったと思います。
このように、湧水や水の流れがあったり、構造物で水が巻いたりする場所は、地面に見えても砂がふわふわしてハマりやすい場所が出来がちです。この時は、撮影しながら足元をよく確認せず近づいてしまいました…。
グリーンシティ福岡は、海や川など水辺の活動は少ないです。
それだけに、思わぬ深みやはまり込む場所には気をつけて下見や活動を行いたい、そして思わぬ事故を少しでも減らせたらと思います。
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余談ですが、記事中に私たちのブログ記事(2014年のもの)を引用いただいています。奈多海岸で海底湧水を採取した記事です。「海底湧水」という語は、同じ「海底から湧いてくる水」と言っても、状況によって性格がだいぶ違ってくるように思います。
Yahooニュース記事の「海底湧水」:
陸地に降った雨が地下水となり、海底の一箇所から流れ出てくる淡水。水量によって深みや流れが出来うる。
2014年のGCFブログ記事の「海底湧水」:
砂浜に浸透した海水が地下水の圧力で再度、押し出されてきた海水。面的に滲み出てくるので深みや流れが出来にくい。
目に見えない地面の下、海底にもいろんなメカニズムがありますね。そんな自然の営みを少しずつでも理解していけたら、と思います。