(緑森人)無事に夏を越せてよかった!

(白森人)そうやね、きれいに紅葉までしてくれてありがとう。

気温と日の出入り時間は確実に変化し、短い秋を経て今年も初冬を迎えました。夏の日差しが強かったので、雑木盆栽たちは紅葉前に葉を落とすのではないかと心配していましたが、見事に紅葉し毎日楽しませてくれています。ということで、今回は紅葉した「トウカエデ(唐楓)」を紹介します。

トウカエデについて調べました。ムクロジ科カエデ属の中国原産の落葉高木。3つに裂ける葉はカエルの手のよう(カエデ)。切れ込みの深さやふち(鋸歯)は個体差があります。盆栽を始めた頃は、個体差があることを知らなかったので、見かけた際にはよく戸惑ったものです。大気汚染に強く、公園樹や街路樹として植えられることも。JR吉塚駅や久留米の方で見かけましたよ。私たちの身近にある樹ですね。

この盆栽の魅力は、芽吹きの良さ。芽出し時期は次から次へと薄緑色のかわいらしい葉を出し、鮮やかな緑色へと変化します。この緑の葉が、暑い夏に涼しさを感じさせてくれるのです。そして紅葉も魅力の一つ。この時期、ぬくもりを感じる黄色に変化しました。色が変化していく様子を近くで観察できるのも盆栽ならではの良さですね。

胴吹きが多い樹なので、枝が込んできたと喜んでいても下向きの枝や徒長枝だったりします。枝の切り詰め作業が必要です。

はい、その適期が今なんです。枝の形が見える落葉後、できれば12月初旬の剪定が望ましいのですが、寒さに負け不十分なお手入れで翌年の春の芽吹きを迎え…芽吹く枝を切るのは心情的に難しく、あっという間に枝が込み合う、というのがここ数年の状態。

大きくなるであろう樹を鉢の中で育て、お手入れや観賞を楽しむのが盆栽。楽しませてくれることに感謝しながら、鉢の中で元気に育つよう寒さ対策をしっかりしてお手入れに精を出そうと思います。