消しゴムはんこを作るのが得意な大野(あっちゃん)が、生きもののはんこを作ります。
作った生きものはんこは、イベント等でも活用していく予定です。
お楽しみに!
生きものハンコ (2019年4月から連載スタート!)
第19回 ケヤキの葉っぱ 2020年11月
今年もあっという間に師走。公園の大きなケヤキの木を見上げてみると、いつの間にか葉っぱがありません。そして足元を見るとたくさんの落ち葉。
踏んでみるといい音と共に、落ち葉の香りがふわっと広がりました。
落ち葉の匂い、好きだなぁ。
今回の生きものハンコはケヤキの葉。オレンジのインクを付けて重ねて押してみました。
こんな風にいっぱい積もっていた!
そしてケヤキの落ち葉の中に時々、こんなの↓を見かけることがあります。
これは種の付いた枝葉です。
葉っぱがプロペラの役割をして、この何枚か葉が付いた枝ごと風に乗って遠くへ飛んでいきます。
これがケヤキの種子の飛ばし方と思っていたのですが、ケヤキについて調べていたら、
そのまま種子単体で落ちて子孫を増やす重力散布もしているそうです。
むしろそのまま落ちる方が多いとの情報もチラホラ見つけました。
自然には渓谷などでも生えているので、ポトンと落ちて、水で運ばれるのかなぁ。
今回ハンコを作るために、実がついた枝葉を探し回ったのですが、見つからず!
ちょっと時期が遅かったのかなぁと思いました。
そんな風に探し回っていたら、道路沿いや公園などにたくさんのケヤキが植栽されていることに気づきます。
竹ぼうきを逆さにしたようなスマートでかっこいい樹形のケヤキ。
なんだか葉っぱシリーズを増やしたくなりました!次は何の葉を彫ろうかな。
第18回 ハチクマ 2020年10月
日本野鳥の会 福岡支部の一員でもある私は、月に一度のかなたけ散策を楽しみにしています。
野鳥の会のみなさんと一緒に、かなたけの里公園を生きもの調査しながら回ります。
散策の様子(2020/10/21)しおりん撮影
10月21日のかなたけ散策の日は澄んだ青空が広がり、暑いくらい日差しが強かったです。
この日はタカの仲間がよく飛び、観察することができました。
9:00〜12:00の間に、トビが6羽、ノスリが2羽、ハチクマが12羽!!
今月の生きものハンコは、ハチクマ。
今回の散策で多く見ることができたハチクマはタカの仲間なのに、
ハチ類の幼虫、蛹、成虫を主食にしているおもしろい鳥です。
福岡市城南区の片江展望台はハチクマの渡りが観察できる日本有数のスポット。
ここで渡りのシーズン期間は毎日、日本野鳥の会 福岡支部のみなさんが上空を
通過したハチクマをカウントしています。
2020年9月5日から10月5日の間に3785羽、カウントされたそう!
かなたけ散策でもそうでしたが、
上空のタカはゴマくらい、いいえもっともっと小さくしか見えません(笑)
それを見つけて、双眼鏡の中に入れて、識別するのです。
先輩方がハチクマというので、なるほどそうかと一生懸命双眼鏡にその姿を入れます。
とっても小さい姿ですが、うん、かっこいい。優雅でかっこよかったです。
夏の間、日本で過ごしたハチクマたちはみな無事に東南アジアへと渡ることができたでしょうか。
次に彼らが福岡の空を通過するのはゴールデンウィーク頃から。
ハンコを彫って、愛着が湧いたので、今から5月が楽しみです。
第17回 ハラビロカマキリ 2020年9月
身近な昆虫の中でも、特別感があるのがカマキリだと思います!
バッタよりもセミよりも、見つけた時に子どもたちが盛り上がります。
翅に白い点があるハラビロカマキリ
カマが何度見ても、とってもかっこいい!!
捕まえてきた子どもたちが「お母さん!飼いたい!!」と言いました。
かっこいいね!ハラビロカマキリ
もっと暑い時期ならば、いいよと言ってあげたかったのですが、
朝晩すっかり涼しくなったので、寿命が心配に。
「寒くなってきて、カマキリたちも生きられるのがあと少しの期間だろうから、
よく観察したあとに、逃がしてあげたら?」と言いました。
触れ合ったあと、次男が逃がしに行きました。
捕まえた個体はメスだったようで、↑こんな風に(笑)、食べたり、卵を産んだり。
残りの命を全うできますように。
第16回 セミの抜け殻 2020年8月
今年の夏、我が子たちのブームは「セミの抜け殻集め」でした。
集めた抜け殻はこの箱の中へ
見つけるたびに大喜びして、宝物を見つけたかのように報告してくれました。
今回は、特にたくさん見つけたクマゼミと小さくてかわいいニイニイゼミの抜け殻を
ハンコにしてみました!
そして集めてきた様子もハンコとイラストで。
クマゼミは住宅地に多く、早朝からシャワシャワ鳴き出すセミです。
(今年ちょっと少なかったような…私が公園に行ってないだけかな。)
ニイニイゼミは少しまとまった自然がある場所で見られる種類で、
抜け殻に泥がついているのが特徴です。
うん、泥をつけてやった方がそれっぽい!
セミの抜け殻は見つけた場所の環境を私たちに伝えてくれます。
虫がちょっと苦手な子も抜け殻ならこわがらずに持てるかもしれません。
動かないから、じっくりセミの幼虫の頃の顔も観察できますよ。
成虫も持っている口のストローは、抜け殻でもこんなにきれいに残っています。
抜け殻でセミの種類判定もできるので、見つけたらまずはじっくり観察してみてくださいね!
第15回 ショウリョウバッタ 2020年7月
梅雨が明けましたね。夏の強い日差しで、草むらの背丈はぐんぐん伸びます。
そしてそこで暮らすバッタたちの体のサイズもどんどん大きく!
見てください!この立派なショウリョウバッタ!!
こんなに大きいけれども、こわがりな子でも持てちゃうところが魅力だなと
思います。
きっと今頃、もりもり葉っぱ(イネ科植物)を食べているのでしょうね。
もりもり食べたら、ウンチもいっぱいします。
ウンチも消しゴムはんこで作ってみました(笑)
3つ押しときました。
実際、バッタを捕まえるとすぐにウンチしてくれます。
細長いひし形ウンチをぜひ観察してみてくださいね。
第14回 アオドウガネ 2020年6月
先日、ショッピングセンターの廊下をコガネムシの仲間が歩いていました。
この子の名前は「アオドウガネ」です。
こんな感じの虫たちは、よくカナブンに間違えられるそう。
私もスタッフしおりんに教えてもらうまで、ちゃんと解ってなかったです。
カナブンは特に顔の雰囲気が違い、四角くなっています。
アオドウガネとカナブン。カナブンの四角っぽさをちょっと誇張してしまいましたが、並べると解りますね(中々ハンコで彫るのが難しかったです)!
よく見るマメコガネも加えて、図鑑っぽく並べてみました。
ちょっとアオドウガネが細身になってしまい、残念!
けれども、ほぼ実寸大に彫ってみましたよ。
虫たちを違いに着目しながら真剣に彫ったのは初めてでした。
彫ると、違いを意識することができたので、とても勉強になった〜!!
この3種類ならば、野外でも識別できるかもと思いました。
ちなみに廊下を歩いていたアオドウガネくんは息子の手によって、無事にお外に出してもらい、踏まれずに済みましたよ。良かった良かった。
第13回 アブラコウモリ 2020年5月
春先に家の周りをアブラコウモリが夕暮れに飛ぶようになると
「だいぶ暖かくなったんだな〜」と実感します。
意外とみんなコウモリの存在に気付いていなくて、近所の子どもたちに
教えてあげるとみんな驚きます。近くによくいるけれど、見つけると嬉しい!
そんな存在です。
先日お散歩のときに昼間から空を飛びまわっているアブラコウモリを見つけました。
昼飛んでいるなんて珍しい!前日雨だとお腹がすいて明るいうちから飛ぶこともあるそう。
コウモリが超音波を出して蛾をキャッチする様子をハンコを使って書いてみました!
コウモリが私の近くを通るとき、超音波当たっているかもとドキドキ!!
みなさんも意外と身近なアブラコウモリ、探してみて下さいね!
第12回 カナヘビ 2020年4月
小さい頃から両生類&爬虫類が大好きです!
大人になっても彼らに出会えるとテンションが上がります。
最近特に好きなのが、カナヘビ。
野原や道端の草むらで、よく日なたぼっこをしている姿が見られます。
先日のかなたけの里公園での生きもの調査でみつけた個体
顔をじっくり見ると、小さな恐竜によう。
とても凛々しくてかっこいい!!
カナヘビを彫るのは中々難しかったですが、こんな感じ!
もう少し顔を細くしたらよかったかなぁ・・・
スケッチしていて、すごく尻尾が長いことに気が付きました。
出来上がったハンコを持って、近くの草むらに置いてみました(笑)
今日は日なたがポカポカ気持ち良いです。
散歩の途中でまた出会いたいなぁ。
第11回 ミミズニョロニョロ 2020年3月
今年度、一番使用頻度が高かったハンコは第3回でご紹介したダンゴムシでした!
http://www.greencity-f.org/article/16135251.html
ダンゴムシは子どもたちに大人気の生きもので、環境わくわく出前授業をおこなった際には
大変お世話になった生きものです。
http://www.greencity-f.org/category/2102056.html
そしてそして、ダンゴムシの次に幼稚園や保育園でお世話になった生きものは・・・じゃん!
ズバリ、ミミズでしょう!!
細長くて、縦の環帯と呼ばれる節が多くて、彫るのが大変でした。
出来上がったミミズたちを見ていて思いました・・・
「本物のミミズには目がないのに、うっかりかわいくしてしまった!!!
これはリアルじゃないな・・・」
そこで試しにかわいい目と口を修正ペンで消してみました。
「うっ!!!これはハンコとしては、ちょっと気持ち悪がられるかもしれない・・・」
ごめん、ミミズくんたち。リアルではないけれど、目や口を残すことにしました。
その代わりに(!?)、糞塚も彫ったよ。
みなさんは目なし、目あり、どちらがお好みですか?
第10回 どんぐりコロコロ 2020年2月
どんぐりが落ちていると、つい拾ってポケットに入れてしまいます。
しばらく指でこすっているとピカピカに光って、本当に美しいです。
今回は大好きなどんぐりを5種類彫ってみました
大好きな鴻巣山に落ちているどんぐりを中心に選びました。
押すときに「マテバシイ」の文字のところに付箋を貼り、どんぐりオンリーに
してみましたが、これもかわいいですね。
秋の鴻巣山の林床は、こんな風にマテバシイのどんぐりだらけになります。
お馴染みのコナラもこんな風に押すといいですね。
シラカシのどんぐりの中にひとつ、アラカシが混じってますね。
落ちているどんぐりを見つけたら、どこから落ちてきたのか、上を見上げてみましょう。
どんぐりの名前を調べるのに、周りに落ちていた葉っぱも一緒に取っておくといいです。
「どんぐりハンドブック(文一総合出版)」なるものもあります!
さいごにお行儀よく並んで。
あなたはどれがお好きですか?
第9回 マガモ 2020年1月
冬の川や池でよく見かける、緑色の頭のマガモ。
メスとオスとで色や模様が違うので、両方彫ってみました!
まずはオス。緑色の頭、尾羽のくるりんカールが特徴です。
続いてメスはカルガモのような雰囲気の茶色の色合いと模様です。
カモのメスの多くは似たような出で立ちです。
今回、頭の部分が少し白くなりすぎてしまいました(上)。
下のように頭の部分を少し赤鉛筆で塗ると、よりマガモらしくなりました!
こんな風にオスとメスで仲良く一緒にいるところをよく見かけます。
マガモたちは秋にシベリアの方から日本にやってくる冬鳥。
はじめはオスもメスのような外見ですが、メスにアピールするために日本で変身し、
めでたくペアになったつがいは、シベリアに戻って繁殖します。
たまにこんな風にオスたちがメスを囲んでいる様子に出合うことも。
ハンコを好き勝手に押しながら、楽しむ大野でした!
第8回 イノシシ 2019年12月
12月14日にかなたけの里で生きものクイズスタンプラリーをおこないましたが、
そこで生きものハンコが大活躍しましたよ!
草はらに行って自然や生きものに関するクイズや観察を5か所でしてもらい
戻った時の答え合わせで、私やスタッフが作った消しゴムハンコを押します。
今回おもしろかった問題が「土を掘り起こした犯人はだれ?」というもの。
A.ウサギ B.イノシシ C.ひと
現場はこんな感じ
答えは・・・
イノシシでした!2019年の干支でございます。
土を鼻で掘り返して、大好物のミミズを食べていたのかもしれませんね。
こんな風に。
たくさんハンコを押して、喜んでいただけて、とても嬉しい一日でした!
第7回 ゴマダラチョウ 2019年11月
トークカフェ「キモカワ!いもむしたち」ですっかりイモムシLOVEになった私。
八木さんと共にやってきたゴマダラチョウの幼虫 ♪
そのかわいさに感動して、今回の消しゴムハンコを彫りました。
色合い的には茶色が冬バージョン、緑が夏バージョン。
ただ、頭の突起が夏は長く先端が尖り、冬になると短く丸みを帯びて
くるそう。
今回のハンコは夏バージョンで作ったので、いつか冬バージョンの
ゴマダラチョウの幼虫も作らなければなりませんね。
(写真の幼虫は冬バージョンになりつつある状態です。)
今回、幼虫は夏バージョンのみでご勘弁いただき、成虫を彫りました。
ゴマダラチョウの成虫
成虫は黒と白の身体で、ハンコにぴったりでありました!
(目は赤いです。)
ゴマダラチョウの幼虫はエノキの落ち葉にピッタリとくっつき
冬の寒さをしのぎます。お近くにエノキの木がありましたら
落ち葉は木の根元に集め、きれいに掃除してしまわないよう
ご協力お願いいたします!!
第6回 キノコたち 2019年10月
10月に入って何日か雨が続いていた後、たくさんのキノコを公園や森で見つけました。
クリーム色が美しいコガネキヌカラカサタケ
マツ林の下で見つけたツルタケ
油山で見つけたヒメツチグリの仲間
キノコスタンプ三種
キノコはシンプルな形なのに、かわいく美しい!
まさにスタンプ向きの生きものです。
キノコスタンプの種類をもっと増やしていきたいなぁ・・・
もうすぐ毎年楽しみにしている「フクオカきのこ大祭」が護国神社で
11月30日におこなわれます。キノコ好きにオススメのイベントです。
http://www.kinokotaisai.net/
大好きなキノコについてもっと勉強して、いつかキノコ観察会をするのが目標です。
がんばります!
第5回 ハクセキレイ 2019年8月
ハンコを作るときに気を付けたいのが、元の生きものの色合いです。
その生きものに特徴的な色合いが3色も4色もあると、単純なハンコでは
表現しにくくなってしまいます。
2色で描くことのできる生きものはハンコに向いています。
そう、たとえばハクセキレイのように。
黒のスタンプ台を使うとバッチリですね。
そして今回は色々な色で、ハクセキレイを押してみました。
黒、あお、みどり、オレンジ、赤
色とりどりのハクセキレイの行進です。
今度はセグロセキレイを彫ってみようかな。
第4回 ツクシマイマイ 2019年7月
ジメジメと湿気が多い季節。
私たち人間は気分が下がってしまいがちですが、きっと大喜びしているに違いない
カタツムリの仲間たち。7月は、九州に暮らすツクシマイマイの消しゴムハンコを
作りました。
ツクシマイマイは殻の径が4センチほどの大きなカタツムリです。
九州・山口県に棲んでいます。
カタツムリは地域によって分布がある程度限られているものの、
外見上は似たものが多いので、名前を調べるのが難しいと言われています。
私が子供の頃に親しんでいたミスジマイマイは同じように大きめのカタツムリですが
関東に分布しており、九州にはいません。
大きなカタツムリを見つけると、今でも嬉しい気持ちになります。
先日、鴻巣山で子どもたちと見つけたツクシマイマイ。
子どもの小さな手で持つと、さらに大きく感じます。
ツクシマイマイが安心して暮らせる環境がこれからも残りますように。
おまけの写真(制作途中の様子)
第3回 ダンゴムシ3ポーズ 2019年6月
子どもたちのアイドル、ダンゴムシ。
6月はみんな大好きダンゴムシを3ポーズ彫ってみました。
たくさん押して落ち葉を描いてみると見たことのある感じに!
線を細く慎重に掘り進めました。
できあがったハンコにはラベルを貼るとかっこよく仕上がります。
先日、鴻巣山で見つけたダンゴムシ。
大きくてツヤツヤと光っていました。
ダンゴムシ、美しい生きものだと私は思います!
第2回 ツバメの子育て 2019年5月
初夏。ツバメたちがあちこちで子育てに奮闘中ですね。
私たちグリーンシティ福岡がフィールドとして活動させていただいている
かなたけの里公園でも毎年いくつものツバメの巣を見ることができます。
かなたけの里公園・管理棟で子育てするツバメ
何度も何度もヒナに虫を運んでくる様子は長い時間見ていても
飽きません。そんな子育てのシーンをハンコにしました。
ヒナは全部で5羽います。ご覧いただけますでしょうか?
親鳥は大きく開けたヒナの口に、頭を突っ込むようにして
捕まえてきた虫を入れます。
今回の生きものハンコ、反省点がひとつあります・・・
下絵で描いていた巣材のワラが消しゴムに刻めませんでした。
少し下絵が細かすぎたようです。
ツバメのヒナたちが無事に成長して元気に巣立ちますように!
第1回 アマガエル 2019年4月
私は昔からアマガエルが大好きです。大分の祖父母の近所に田んぼがあり、
捕まえるのが楽しみでした。先日のかなたけの里公園の「春の里山観察会」
では、子供たちがたくさん捕まえて、大よろこび!
そして、アマガエルの特に好きなポーズがあります。
それはちょこんと座っているポーズ。まんまるくうずくまって、じっとしている
様子はとても愛らしいです。そんなポーズを再現して消しゴムを彫りました。
初回なので、少し作業の様子をご紹介します。
原画をえんぴつで書き、消しゴムに写します。
彫りながら、時々押して、少しずつ仕上げていきます。
アマガエルたちが大好きな環境がいつまでもたくさん残りますように!