家庭と職場のエコトーン(2021年8月スタート)

グリーンシティ福岡のスタッフで、糸島市で「マイマイ計画」を主宰する「のじー」こと野島智司による、新しい連載コラムがスタート。
糸島の古民家に暮らすのじーが、リモート勤務をしながらの子育てや古民家生活について書いていきます。

著書:
『カタツムリの謎:日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?』誠文堂新光社
『マイマイ計画ブック かたつむり生活入門』ele-king books(Pヴァイン)
『ヒトの見ている世界 蝶の見ている世界』青春出版社

第4回 子どもパワーに救われる

5歳の長男とは、よくたたかいごっこをします。

朝は本を読み聞かせて起こすことが多いのですが、読み終えるとすぐたたかいごっこが始まります。

布団からバッと起き上がって、たたかいを挑まれます。

 

私は正面からぶつかりあってたたかいごっこするのは苦手なのですが、軽くぶつかられただけでふっとんだり、攻撃しようとして壁に追突したりとか、ダメな怪獣役をするのはなぜか嫌いじゃなくて、長男の受けも良いので、そんなことばっかりしています。

(ちなみに、義父も長男のたたかいごっこの相手をよくしてくれますが、義父の場合は正面からぶつかり合っています…)


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七五三詣の袴で義父とたたかいごっこをする長男

 

イベント仕事が終わって家に帰ると、長男がすごい勢いでぶつかってきて、テンションの高さに圧倒されることもしばしば。

妻にはたたかいごっこを挑まないようなので、あくまで私がたたかいごっこの相手と認めているようです。

そもそもテンションの高くない私は、疲れていると十分に付き合いきれなくて申し訳ない気持ちになります……。

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リモートワーク中の私(長男撮影)

 

一方で、そんなテンションの高さ、いわば「子どもパワー」に救われているとも感じます。

 

仕事で疲れていても、私生活の悲しい出来事にうなだれていても、長男のテンションは変わりません。いつも全力でたたかいごっこを挑んできます。

最初はちょっとしんどいのですが、そこで思い切ってたたかいごっこの相手をすると、気が紛れて、心の安定につながっている面があります。

 

たたかいごっこだけではありません。
心身が疲れていても、一緒にブロックで遊んだり、好きな本を読み聞かせたりすると、気分転換になります。
長男が笑ったり、喜んでくれたりすると、自分もつられて笑ったり、嬉しくなったりします。

 

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動物たちの行列?


もちろん人間なので、本気でたたかいごっこに付き合えないこともあるのが本音ですが、それでも救われてる部分の方が大きいなぁと思います。

長男もリモートワークのときは邪魔しちゃいけないとわかっているので、じっと待ってくれていて、それを見るとなんだか健気で申し訳なくもあります。

 

そんな長男にはきっと、サンタさんが素敵なプレゼントを持ってきてくれることでしょう。

第3回 子連れ生きもの調査

私の勤務はリモートが主体とは言え、イベントの際などに現場に出ることもしばしばあります。
特に緊急事態宣言明けの10月は、現場仕事がたくさんありました。

 

そんな現場仕事のなかでも、家庭と職場の「エコトーン」を感じることがあります。

それは、かなたけの里公園での生きもの調査。(普段のかなたけの里公園生きもの調査の様子はこちら

毎月、日本野鳥の会福岡支部のみなさんのご協力のもとに行う生きもの調査。
私はいつも陸貝(かたつむり)担当として同行しているのですが、しばしば子連れで調査させていただいているのです。


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これは昨年2月の雪の日の調査。

雨の日も晴れの日も雪の日も行われる調査は、息子にとっては「森のようちえん」のようなもの。
彼自身も「スズメバチを見つけたい」「ヘビを見つけたい」と言って、一緒に来たがります。危険生物好きなので…。

園に通っていたり、緊急事態宣言が出されたりで、しばらく子連れ調査はしていませんでしたが、今月は久しぶりに子連れで調査に参加しました。

 

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春に弟が誕生して以来、すっかり赤ちゃん好きになった息子。
この日は友人夫妻が赤ちゃんを連れてきていたので、なかなか離れようとしません。

 

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ようやく調査開始早々、息子はハラビロカマキリにふれようとして威嚇されました。

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すきあらばフユイチゴを探し始める息子。


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日本野鳥の会九州支部のみなさんは、人見知りして無口だった息子も、あまり人見知りしなくなってちょっかいを出す息子も、暖かく見守ってくださいます。


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野鳥の会の方からヤマノイモの実をいただいて、文字通り「天狗」になりました。


ただ、息子の歩くペースは気ままなので、集団から離れることもしばしばです。

まぁ、かたつむり調査は野鳥調査のペースとは違うので、そもそも離れがちではありますが、今回も後半は私と息子の2人きり。

 

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フユイチゴ探しに余念がなく…

 

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手頃な武器(木の棒)を発見したり…

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落ちたガマの穂を見つけて、綿毛だらけになったりしていました。


その傍らで、私はかたつむり調査です。たまに、息子が先に見つけて教えてくれることもあります。

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この日もたくさんのかたつむりがいましたが、いつもよりは少なめ。

やっぱり寒くなってきた影響でしょうか。

 

さて、そんな生きもの調査も、お昼で終了です。

みなさんとお別れしたあとは、私は家に帰り、調査まとめなどの事務作業。

その間、息子は妻とシャボン玉遊びなどをしておりました。

 

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勤務終了後に、私が納屋の裏でたくさんのむかごを発見したので、息子が細かく刻んで、妻が「野草チヂミ」の材料に追加。

 

そんなこんなであっという間にこの日も終わりました。

「生きもの調査」は彼にとって、自然遊びだけでなく、いろいろな自然好きな大人にも出会える貴重な場。

子連れで同行させていただいて、ありがたい限りです。

第2回 納屋でリモートワークするメリット

春から住み始めた自宅の古民家に隣接した納屋が、私の主な仕事場です。

今回は、そんな納屋の軒下でのリモートワークのメリットについて書こうと思います。

 

いつもこんなふうに、簡易の机と椅子にノートPCを置いて作業しています。


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子どもの遊んだ残骸など、いろいろとっ散らかっておりますが、それでも納屋の軒下で作業するメリットは大きいです。

少なくとも、3つあります。

1.気持ちが良い

夏も風通しが良く、日が当たらず、意外と涼しい快適な環境です。

野外なので空気がどんよりすることはありませんし、風が涼しいのが何より良いです。

もっとも冬はどうなるか、今年住み始めたばかりなので、まだわかりません。

2.仕事をしながら自然観察できる

トンボの種類が変わってきたなぁとか、見慣れないチョウが飛んでるぞとか、このマイマイいつもいるなぁとか、生きものを日常的に観察できるのは単純に楽しいです。

最近は、急にイヌタデの穂が目立つようになったなぁとか、ヤマノイモのむかごが実ってきたなぁとか、季節の変化も実感しています。

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(スキあらばむかごを収穫)

 

3.子どもを見守りながら仕事ができる

現在、5歳と0歳の子どもたちを家庭保育中です。

長男は園に通っていた時期もありますが、ほどなく断固として行き渋るようになりました。
私自身子ども時代のほとんどを自宅で過ごして育っており、夫婦ともなにかと共感してしまうところがあり、どうにか行かせようという気持ちにはなれませんでした。

それに何より、家でも楽しそうに過ごしているので。

 

そんなわけで、夫婦2人での家庭保育。

仕事中に長男が庭で水遊びしていることもままあります。

そんなときに見守りながら仕事ができるというのは、我が家にとって、とてもありがたいことです。


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以上大きく3点が、納屋でのリモートワークのメリットかなと感じています。

 

もちろん、例外もあります。

豪雨や台風のときなどは、さすがに納屋ではできず、室内で仕事をします。
また、オンライン観察会の進行など、子どもや来客の対応ができないときも自分の書斎にこもります。

子どもが家で遊んでいて、妻が外出するときなども、室内のどこかで仕事をすることになります。

冬になったらまた、事情が変わってくるかもしれません。

 

もっとも、納屋でのリモートワークの一番のデメリットはほかにあります。

それは、蚊に刺されることです……。

まぁ、隙間だらけの古民家では家の中にいても刺されるのですが。

第1回 リモートワークとエコトーン(2021年8月)

私のグリーンシティ福岡での勤務形態は、基本リモートワークです。
事務所に出勤することはほぼありません。家を出るのは、週末などにイベントスタッフをするときだけです。

最近はわがままを言って、週4日16時までのリモート時短勤務にしてもらい、作家活動も継続しながら、夕方はなるべく家族との時間に充てるようにしています。

 

昨日夕方は、勤務後に近くの海へ行きました。

ちょうと干潮だったので、たくさんの生きものを見つけることができましたー。


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ところで、「エコトーン」って何? 初めて聞いた、という方もいらっしゃるかもしれません。

エコトーン」とは、主に生態学で使われる言葉で、2種類以上の異なる環境の推移帯を意味します。

「接点」とか「境界」という言葉でも言い換えられなくもないのですが、「エコトーン」というと、線的ではなく、グラデーションのある面的な領域というニュアンスが出てきます。


また、エコトーンでは、生物多様性が高まる傾向があります。

たとえば、陸域と水域のエコトーンは、水位によって陸になったり水につかったりする領域で、陸に棲む生きものと、水に棲む生きものと、さらに湿地特有の生きものとが混じり合うので、生きものが豊かなのです。

 

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さて、私のリモート勤務は、おもに納屋の軒下を使っています。

子どもが庭で遊んでいるのを見守りながら仕事をすることも多いです。

まさに、家庭と職場という2つの異なる環境が重なりあった状態です。


エコトーンという言葉がしっくり来たので、専門用語から拝借しました。

きっとリモートワークにも、自然界のエコトーンに似たものがあるのではないでしょうか。

糸島の古民家でのリモートワーク。
私と妻と、最近5歳になった長男と、4月に誕生したばかりの次男の4人家族。

リモートワークしながらの古民家での暮らしは、楽しいことも苦労もたくさんあります。


ここではできるだけ、ありのままを綴っていきます。