理事の志賀が安全管理について感じたこと、考えたことを書いています。
理事の志賀が安全管理について感じたこと、考えたことを書いています。
ゴールデンウィークですね。
日差しがぐっと強くなってきました。夏というには早いですが、この時期でも突然気温が上がる日があります。身体がまだ暑さに慣れていない「準備不足」のこの季節。熱中症に注意です。
暑さに身体が慣れていくことを「暑熱順化」と言いますが、暑熱順化できていない状態では、汗をかく反応が遅かったり、汗の中に必要以上に塩分を含んだまま排出したりします。
そんな今の時期こそ意識したいのが「電解質」の補給です。
具体的には次のようなミネラルイオンのことで、それぞれ体液の浸透圧を保ったり、筋肉の収縮、神経伝達など重要な働きを担っています。
・ナトリウム(Na+)
・マグネシウム(Mg2+)
・カリウム(K+)
・カルシウム(Ca2+)
・クロール(Cl-)
汗をかくと、これらのミネラルが水分と一緒に体の外に排出されます。特にナトリウムやマグネシウムが不足してくると、足がつったりします。水だけを飲み続けて「低ナトリウム血症」や「水中毒」と呼ばれる状態になると、めまいや意識障害、けいれんなど、より重い症状を起こすリスクがあります。
大切なのは水分と一緒にミネラルを補うこと。スポーツドリンクや経口補水液、塩飴、梅干しなどが適しています。
また、私たちの活動は午前中に行うことが多いので、朝ごはんは大切です。朝食を抜くと、どうしても水分、エネルギー、ミネラルが不足しがち。気温が高い日は、熱中症予防の点で特に意識して朝食をとっておきたいところ。
味噌汁+ごはん+おかずのような和食の朝食は、塩分も水分も、しっかりとれそう。
パンの場合、卵料理やバナナ、牛乳などがあるとよさそうですね。
逆に、菓子パンとコーヒーだけとかだと、エネルギーはとれても、ミネラルが不足しそう。
何も食べない・飲まないよりはいいかもしれませんが、ちょっと心配です。
春から初夏にかけては、暑熱順化できておらず、汗をかくのが下手&余計にミネラルを失いがちな状態。「水だけでなく、ミネラルも一緒に」「朝ごはんをしっかりと」を心がけて、気持ちのよい春〜初夏を安全に楽しんでいきたいと思います。
季節的にはちょっと早いですが「蜂刺され」について。
2017年の本コラム第18回「ポイズンリムーバーを過信しない」では、アメリカ心臓協会(AHA)の「ファーストエイドガイドライン」を引用しました。
その当時、ガイドラインに「蜂刺され」の項目はありませんでしたが、2024年版の更新で追加されたようです。リンクはコチラ:2024 American Heart Association and American Red Cross Guidelines for First Aid
上記リンク先の、「7. Environmental Emergencies」の「7.1 Bee and Wasp Stings」です。
これによれば、アメリカでは蜂刺されによる死亡が年間約60件報告されているとのこと。その多くはアナフィラキシーによるものです。
実際に蜂に刺された時の対応は、これまでと変わらないと思います。10個の対応策が、その「推奨クラス」とともに整理されていました。
COR LOE 内容
1 B-NR 1.アナフィラキシー症状があれば、直ちに本人がエピペンを使用する。
1 C-EO 2.本人がエピペンを使うのが困難な場合、周囲の人が補助する。
1 C-EO 3.アナフィラキシー症状があれば、救急要請を行う。
1 C-EO 4.眼を刺された場合は医療機関を受診する。
2a B-NR 5.針が残っていれば、できるだけ早く引き抜くかこすり落とすとよい。
2a C-EO 6.経口の抗ヒスタミン薬で、かゆみを緩和してもよい。
2a C-EO 7.外用のステロイド薬で、かゆみを緩和してもよい。
2a C-EO 8.刺された場所を石鹸と水で洗うことは合理的。
2b C-EO 9.市販の解熱鎮痛薬で、痛みを緩和させてもよい。
2b C-EO 10.氷や冷却パックで、痛みを緩和させてもよい。
ちなみに、CORとLOEはそれぞれ下記です。
「COR(Class of Recommendation)」=「推奨クラス」
1 強く推奨される(安全で効果があり、必ず行うべき内容)
2a やった方がよい(十分な根拠があり、利益が期待できる)
2b やってもよい(効果はあるかもしれないが、証拠がやや弱め)
3 やるべきでない(効果がない、または有害なので避けるべき)
「LOE(Level of Evidence)」=「科学的根拠のレベル(信頼性)」
A 高度なエビデンス(複数の無作為化比較試験などに基づく)
B-R 中程度のエビデンス(無作為化比較試験に基づくがAよりやや弱い)
B-NR 中程度のエビデンス(観察研究などに基づく)
C-LD 限られたデータ(限られた症例報告や経験的なデータに基づく)
C-EO 専門家の意見(科学的根拠がほとんどないが、専門家の意見として妥当)
野外活動の現場では、どれだけ気を付けても、蜂に刺される可能性をゼロにすることはできません。だからこそ、「もしも刺されたら」の備えをしておきたいですね。エピペンを持っている人は使い方を確認しておく、刺された場合に針をどうやって除去するかを知っておく、アナフィラキシー症状を正しく判断して医療機関へつなぐことができる、こうしたことの積み重ねが大切です。
こうした国際的なガイドラインも参考にしつつ、私たちも知識や対応力をアップデートしていきたいものだな、と感じました。
2月もそろそろ終わり。日中は春らしい日も増えてきましたね。
しかし、この時期はスギ花粉が本格的に飛び始める時期でもあります。福岡市では2月下旬から3月上旬にかけてがスギ花粉のピーク。私も花粉症ですが、目のかゆみやくしゃみよりも、肌の荒れやかゆみが気になるタイプです。
花粉症は単に不快なだけでなく、作業や運転の注意力低下から、安全管理上の課題にもなりえます。例えば…
視界の悪化:目のかゆみや涙で視界がぼやける。
注意がそれる:くしゃみや鼻水で一瞬体の動きが乱れる。
効率や意欲の低下:作業が遅れたり、集中力が削がれたりする。
実際に、花粉症が原因とされる交通事故も報告されています。
・2005年3月(岩手県遠野市):路線バスの運転手が大きなくしゃみをした際、貧血のような状態になり歩道に乗り上げる。
・2017年4月(愛媛県今治市):くしゃみを連発し、対向車と正面衝突。
・2023年3月(大阪市生野区):くしゃみで意識が遠のき、歩道に乗り上げる。
運転中に花粉症の症状がひどくなりそうと感じた場合は、安全な場所に停車し、落ち着くのを待つことが大切ですね。
野外活動や体験イベントでは、一般的ですが次のような対策を心がけておきたいところ。
・花粉をつけにくい素材の服装にする。
・帽子をかぶって髪につく花粉を減らす。
・建物に入るときに服を払って持ち込む花粉を減らす。
・こまめな水分補給で喉を潤し、花粉の影響を和らげる。
・トイレや洗面所を使いやすくしておく。
・症状がひどい場合は無理せず休憩する。
・抗アレルギー薬を服用する際は、副作用の眠気に注意。
思わぬ事故を防ぐためにも、また、落ち着いて体験や学びに集中してもらうためにも、花粉症対策を意識したいですね。
2月に入りました。福岡地域でも明後日(2025年2月5日)から数日間、最低気温が氷点下になる予報が出ています。厳しい冬山まではないものの日常的な寒さで体温が奪われ、思わぬリスクにつながることもあります。野外活動中に起こりうる「低体温症」について整理しました。
低体温症というと、吹雪の中の登山や冬の海での事故のイメージですが、身近でも発生することがあります。例えば寒風の中での長時間の作業、濡れた服のまま過ごすこと、栄養(カロリー)補給が不足することなどで、体が芯から冷えてしまったり…。今週は特に冷え込みが厳しくなる予報が出ているため、より意識して対策したいところです。
低体温症が発生しやすい場面について、気温が低いのはもちろんですが、加えて「濡れ」「風」「栄養不足」「活動終了後」などの条件が重なると、注意が必要です。
① 雨や汗で服が濡れたまま過ごす
雨に打たれたり、湿った草の上に座って服が濡れたり。また、厚着をして野外を歩いて汗をかき衣服が湿る、などの場面。先日はアカガエルの産卵場所やベンケイガニの棲息場所として湿地の手入れをしましたが、長靴や胴長をはいていると寒くても結構な汗をかいてしまい、そこから冷えることがあります。
② 風が強い場所に長時間いる
強い風は体感温度を大きく下げます。一般に風速1m/sで体感温度が1℃下がると言われます(実際は湿度や日差しでも変わります)。特に、広場や海ぎわ、川沿いなどは風が吹き抜けるので、知らず知らずのうちに体が冷えます。休憩中に体温が下がることも多いので、下見で風を避ける場所を見つけておくことが大切です。
③ 栄養(カロリー)補給が足りていない
人体は食事で得た栄養(カロリー)から熱を生み出します。活動中にお腹が空いていると体温維持が難しくなります。寒くてお腹まで空いてるとなおさらひもじいですね。朝ごはんをしっかり食べたり、おやつをとれるようにしておきたいところ。加えて、気温が低いと発汗量は減りますが、呼気から水分が失われるため、実は脱水が起こりやすくなります。温かい飲み物をとるのが効果的です。
④ 活動終了後の「急な冷え」
保全作業やウォーキングなどで体を動かしているときは寒さを感じにくいですが、休憩や活動終了後に急激に冷えることがあります。汗をかいた状態で急に止まると一気に体温が下がるためです。寒い時期は、活動が終わった後、防寒着を着たり、風の当たらない場所に移動したりすることで冷えを防ぐことができます。
ということで、野外活動を企画・運営する立場としては、
・気温や雨の動向をチェックしておく
・事前に風をさけられる場所を見つけておく
・活動時間が長い場合、おやつや温かいお茶が飲める休憩をとる
・休憩時や活動後の防寒を呼びかける
・気温や参加者の状況に応じて、プログラム時間を短縮する
などが気をつけたいポイントだと思います。
加えて、グリーンシティ福岡では、寒い時期、携帯カイロ(貼るタイプ、貼らないタイプ)を救急セットと一緒に準備します。建物や休憩場所から遠い活動地であれば、通称「NASA的なアレ」と呼んでいる、表が金色、裏が銀色のアルミ製シート(エマージェンシーブランケット:体温を保持するのに役立つ)もいくつか持っていくことがあります。
雪国に比べたらマイルドな気候かもしれませんが、ここ福岡でも低体温症に気をつけて、寒い時期でも森や自然を楽しめたらと思います。
報道やネット記事で見つけた、森や緑に関する事故、レジャーや体験活動、ボランティア活動の事故など、スタッフが気になった事故事例を収集しています。
私たちが収集した事故事例の件数を振り返ってみると…
2020年度 23件
2021年度 8件
2022年度 24件
2023年度 22件
2024年度 23件
となっていました。
3ヶ月に一度、集めた事故事例をスタッフ4人で読み合わせ、1事例を選んだ上で「事故事例研究」を行なっています。
今年、取り上げた事例は
「もらったミツバにキツネノボタンが混じっていて誤食」
「幼児がマムシグサを誤食」
でした。なんか誤食の事例が続いてますね。その時のスタッフの関心によるのだと思います。
昨年以前は
「湿地作業でのセルカリア性皮膚炎」
「草刈中のツツガムシ病感染」
「スギ伐倒時の下敷き事故」
「脚立からの転落事故」
「木工体験時のノミによる事故」
「磯釣りでの転落遭難」
「電動丸ノコでの切創事故」
「SNSの『炎上』事例」
などを取り上げて、事故事例研究を行なっています。
まずは「報道から読み取れる事実」、
そして「そこから推測できること、考えられること」を整理した上で、
「事故を起こさないための対応・対策」を考える、という手順です。
毎回、色んな気付きがあり、勉強になっています。
2016年9月の第11回「事故事例研究」でも紹介しています。
http://www.greencity-f.org/article/15464206.html
最近は事故事例のほとんどを、スタッフしおりんが集めてくれています。
(私は年に2〜3件くらい…?)。いつもありがとう!
森づくり団体や自然学校、環境学習施設、公園の指定管理者など、いろんな組織・団体の方におすすめしたい取り組みです。
志賀島縦断ウォーキングツアー中、イノシシの子ども「ウリボウ」が私たちの目の前を通り過ぎました。
右手の斜面をズドドドッと駆け下り、道路を横切り、左手の谷へ降りていきました。
「イノシシが見れた!」と喜ぶ声もありましたが、運営側としては一瞬身構える場面ですね。
野外活動の安全管理では、イノシシやシカ、サルとの遭遇も注意したいところ。
実際、最近の福岡市内のニュースでも
2024年8月 片江展望台でイノシシにかまれる事故(福岡市城南区)
https://www.youtube.com/watch?v=o8-SNzn5GHw
(2024.11.24.閲覧)
2024年11月 内野中央公園で男児がサルにかまれる事故(福岡市早良区)
https://www.youtube.com/watch?v=HQew2nG2b3k
(2024.11.24.閲覧)
などがありました。
九州にはクマが生息していませんが、クマ対策が必要な地域ではよりシビアかと思います。
環境省のウェブサイトには、イノシシによる人身被害の統計が掲載されています。
https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs4/index.html
(2024.11.24.閲覧)
この統計には「狩猟や捕獲作業等に伴う事故」を除いた数値が記載されています。つまり、登山、犬の散歩、農作業中の事故などが対象。それでも2~3年に1件程度の死亡事故が報告されています。
狩猟にからんだ事故を含めるとしたらかなりの数になるかもしれません。
イノシシ被害防止についての具体的な資料としては以下が参考になります。
復興庁「避難12市町村における鳥獣被害対策」
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/wildlife/20190118111241.html
(2024.11.24.閲覧)
※ページ中程の「福島県避難12市町村イノシシ被害対策技術マニュアル」
130ページ以上にわたる詳細なマニュアルです。(余談ですが、原発事故と避難指示にともなってこのような状況が起きていることを、知っておきたいですね)
野外活動の安全管理としては、VI章の「人身事故防止マニュアル」とその後の事例集が特に参考になりました。
個人的に付け加えるなら「獣道を見分ける目」を養いたいと感じています。
道路や登山道と交わるように獣道の「断面」が出てくることがあります。うっすらした踏み分け道だったり、筋状に落ち葉が踏まれて地表が出ていたり、ヤブがかき分けられていたり…。
明らかにわかる獣道は判断できるのですが、気付けていないものも多そう。
下見の時など、気を付けてチェックし、事前の注意やガイド等に活かせたらと思います。
森の落ち枝や剪定枝を集めて焚き火する時。
枝の中には結構な水分が残っています。
火にくべていると、枝の中の水分がグツグツと煮えて、道管(水分を吸い上げる管)や師管(養分を行き渡らせる管)を通って、手元の「木口(こぐち)」、つまり「枝を切った断面の部分」から出てきます。
蒸気のような気体がシューっと出てきたり、ブクブクと泡がたったり。蒸気や泡がなくても熱々なこともあります。
木ってやっぱり「管(くだ)」なんですね。
長い枝の手元を火から離れているからと安心して掴もうとしたら、うっかり熱々の木口で火傷するかもしれません。ご注意ください。
そんな注意点もありますが、森で拾った落ち枝や、森の手入れで発生した剪定枝、枯れ枝などで焚き火をするのは、森のエネルギーを有効活用しているような、ちょっとだけサバイバル体験をしているようなヨロコビがあります。
「これ燃えるかな?」と考えながら落ち枝を集めたり、手頃な大きさに切って太さごとに揃えたり、燃えやすいかたちに組んだりして、焚き火を楽しみたいと思います。
かなたけの里公園で行っている「はじめてのノコギリ・はじめてのたき火」
2023.11.15の様子 http://www.greencity-f.org/blog-post/376442
2022.12.7の様子 http://www.greencity-f.org/blog-post/373332
たき火関連の過去のコラム
第85回「焚き火と煙」2024年2月 http://www.greencity-f.org/blog-post/380540
第68回「風速5.0m/s」2021年12月 http://www.greencity-f.org/article/16445161.html
第58回「強風と乾燥時には焚き火をしない」2021年2月 http://www.greencity-f.org/article/16361101.html
第25回「着衣着火とSDR」 2018年1月 http://www.greencity-f.org/article/15862131.html
第24回「枝や串のこと」 2017年12月 http://www.greencity-f.org/article/15849816.html
先日、雷注意報が発令されている中、屋外イベントを実施しました。
中止も考えたのですが、
・現場の天候は晴れていたこと
・雷ナウキャストでは活動する雷雲が150kmほど離れていたこと
・すぐに逃げ込める施設周辺での活動だったこと
から実施としました。
事前にスタッフで共有したのは以下の2点。
・雷の音が少しでもしたらその時点で屋内に避難
・各自のスマホのトップに雷ナウキャストを置き、こまめにチェック
ナウキャストで黄色く示される活動度1以上の雷雲が近づいたら屋内に避難するつもりでイベントを進めました。実際は、雷の音を聞くこともなく、午前10時〜12時のイベントは無事終了。その日の夕方になってから、活動エリア周辺に雷雲がやってきました。
逃げ込める施設が近くにない場合や天候が急変しやすい山地での活動だったら、雷注意報の時点で中止や内容変更があり得たと思います。
それにしても、ナウキャストはありがたいですね。
気象庁が提供するリアルタイムに詳細な気象情報を提供するシステムです。
利用していない方はゼヒ!
下記ページで「雨雲」マークを押すと「雨雲の動き」、「雷雲」マークを押すと「雷活動度」が表示されます。
2023年7月、部活動帰りの中学生が熱中症で倒れ、その後、亡くなるという痛ましい事故がありました。ご家族や友人、周りのみなさんにとってたいへん辛い出来事だったと思います。
あらためてご冥福をお祈りいたします。
朝日新聞デジタル「熱中症の疑いで中学生死亡、1時間半の部活後帰る途中に 市が謝罪」
https://www.asahi.com/articles/ASR703JMHR7ZUZHB007.html (2024.08.12.閲覧)
1年ちょっとが経つ中、学校現場や行政では様々な対応や対策が行われてきたようです。報道に取り上げられた中からいくつか挙げておきます。
発生の翌月2023年8月に「米沢市小中学校熱中症対応ガイドライン」が更新されました。暑さ指数を計測する場面として「体育の授業」「運動会」に加えて「部活動」が追記され、指数が高い場合「中止」対応も明記されました。
米沢市「米沢市小中学校熱中症対応ガイドライン」
https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/soshiki/11/1036/1/2037.html (2024.08.12.閲覧)
同じく2023年8月には、米沢市が遠距離通学の中学生31人の路線バス等の定期券代を全額補助することを決定しました。下校途中の事故だったことを受けての対応と思います。
朝日新聞デジタル「遠距離通学者にバス代を全額補助 米沢市、中学生の部活後の死亡受け」
https://www.asahi.com/articles/ASR8J6W4FR8JUZHB004.html (2024.08.12.閲覧)
今年2024年の4月には、市内学校に「暑さ指数」の観測機器を導入することが発表されました。米沢市と民間気象会社のウェザーニューズ社との包括連携協定により、半年間の試験運用を行うものです。
NHK NEWS WEB「米沢市 「暑さ指数」観測機器を市内の学校に試験的に導入へ」
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20240423/6020020346.html (2024.08.12.閲覧)
直近では2024年7月、熱中症を判定するAIカメラを市内7中学校に導入するといった報道もありました。
読売新聞オンライン「顔の表情などから熱中症のリスク判定、米沢市が「AIカメラ」を全中学校に導入へ…ポーラ化成工業開発」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240626-OYT1T50221/ (2024.08.12.閲覧)
様々な対応、対策を行っている様子が伝わってきます。
それぞれの施策の良い点や改善点を活かしつつ、他の自治体、学校等に広まっていくと良いですね。
個人的に心に留めておきたいと思ったのは「一人でいることの危険」です。
複数でいればお互いにケアし合ったり、万が一体調不良の場合も助けを呼ぶことができたりできます。
が、一人でいた場合、熱中症の初期症状である熱失神であっても場合によっては致命的になりかねません。
イベントを実施する立場としては、休憩時間にちょっと離れている参加者の様子を伺ったり、イベントが終了して帰路に着く参加者の体調や表情を見ておくようにしたい、とあらためて思いました。