傷害保険で補償されるのは「急激」かつ「偶然」な「外来」の事故です。

と言っても具体的には事故の状況や保険の内容によって補償されたりされなかったりがあります。計画中の企画や活動が現在契約している保険の対象になるか自信が無い時は,代理店さんに確認しましょう,というお話。
 
グリーンシティ福岡で実際に問合せたのは以下のような事例です。
 
○問合せ内容:
  日帰りのトレッキングイベントを土日連続で開催することになった。参加者の
  一部は自主的に宿泊して両日とも参加することになり一泊二日のプログラムの
  ように見えかねないが,現在加入している傷害保険の対象となるか?
 代理店Aの回答:
  トレッキング自体は適用内だが宿泊を伴う場合は国内旅行保険の対象となり適
  用外。しかしこの場合は開会・閉会が明確なため個別のプログラム時間内とし
  て適用が可能。
 
○問合せ内容:
  これまでノコギリ等の刃物を使う森林ボランティアは別途,専用の保険に加入
  していたが,ナイフ等の小型の刃物を使ったクラフトイベントは日頃から加入
  している傷害保険の適用となるか?
 代理店Aの回答:
  切り出しナイフややすり類の使用は、現在加入している傷害保険の適用内。
 
○問合せ内容:
  有償ボランティアには「レクリエーション保険」が適用されない例があると聞
  いたが,現在加入している傷害保険は,謝金や交通費の支払いにより適用外に
  なることがあるか?
 代理店Aの回答:
  参加者名簿に記載があれば有償無償問わず適用内。
 代理店Bの回答:
  旅費は適用内。謝金や日当についても生計を立てられるほどと判断されなけれ
  ば適用内。
 
保険に関してはまだまだ勉強不足を実感しています。不確かな点があれば代理店さんに確認してみましょう。その内容は「問合せ日付」「問合せた人」「問合せ先(社名,電話番号orメール,担当者)」「問合せ内容」「代理店の回答」などを記録し,スタッフや関係者にメールで共有するとよいですね。
 
なお,上記の回答内容はあくまでグリーンシティ福岡が契約している保険に対する回答ですので,そのまま鵜呑みにせずに各自でご確認ください。
23hoken.jpg

今年6月,熊本市内の県道を通行していた車に倒木が直撃し,運転中の男性が亡くなるという事故がありました。このような事故をくり返さないためにも,身近な緑の状況に目を配っておくことは大事と思います。

グリーンシティ福岡で収集した事故事例から倒木・落枝に関するものを見てみます。

〇2012年11月18日岐阜県大垣市。
 森林公園のイベントで間伐作業の説明を受けていた6歳女児の頭部に
 スギの落枝が当たり亡くなった事故。枝は長さ3.5m,重さ5.4kgで
 地上高22.8mの高さから落下しました。
 林内の活動であるのにヘルメット着用の指導が無かったこと,当日は
 強風が吹いていたことに加えて,森林の状態としても樹齢100年以上で
 「こぶ病」に罹った(=枝が落ちやすい)木が多かったことが事後調
 査で明らかになっています。

〇2014年は街中の倒木事故が目立ちました。
 2014年3月16日広島県三原市。三原市芸術文化センター敷地内の
 ポプラが突然倒れ,近くを歩いていた女性2人に直撃,お一人が亡くな
 りました。このポプラは樹齢50年,高さ15.7m。後の市議会での報告
 では,事故より7年以上前,施設の建て替えを契機にポプラ周囲に
 数十cmの盛り土が行われ,根の通気性が悪くなっていたことが指摘さ
 れています。
 同年4月14日には神奈川県川崎市の商業施設で街路樹のケヤキから枝が
 落下,下を歩いていた6歳女児が頭がい骨骨折の重傷を負いました。
 ケヤキは商業施設の開業にあわせて1978年に植えられたもので定期的
 な剪定は行われていなかったそうです。

〇2016年11月3日長野県信濃町。野尻湖畔で景色を楽しんでいた5人の
 男女にナラの木が倒れかかり,その内のお一人(80代女性)が亡くな
 った事故。倒れたナラは高さ約20m,樹齢は100年くらいとのこと。
 その後の調査報告を見つけられませんが,報道にある関係者の話では
 カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」を起こしていた可能性がある
 ということでした。

〇そして2017年6月25日熊本県熊本市。
 県道沿いの樹林の中から木が倒れてきて通行中の車を直撃,車を運転
 していた30代男性が亡くなりました。倒木は長さ9m,幹周り1.7mと
 の報道。熊本地震とその後の大雨,また事故前日からの雨も影響したの
 ではと言われています。
 その後の詳報が見当たらないため,テレビ画面を通じた推測にとどまり
 ますが,長年手入れされなかったためほぼ竹林化した緑地で,そこに
 残った常緑樹(おそらくスダジイ)に腐朽が入って倒れてきていたよう
 に見えました。


いずれの例も太く立派な樹木だった様子。
個別の状況はそれぞれ違いますが,なんらかの病気に罹っていたり,長年手入れされていなかったり,不向きな環境で育って根や幹が腐ったりしています。倒木も落枝も自然の森では当たり前の出来事ですが,生活の場や余暇の場で事故や怪我が起こるのは防ぎたい。そのためにも身近な樹木や森林に危険がないか見る目を持っていたいと思います。

参考文献:
 石田仁(2013)林業体験中に発生したスギの落枝による死亡事故の原因と
  林分の特徴.日林誌95:275-279.
 アーカイブ「ポプラ倒木事故 通気悪化で腐敗」NHK NEWS WEB.
  http://archive.fo/vbiI9(2017.09.26.閲覧)

22touboku.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」をアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

前回,蜂毒に対する応急処置として少しだけ触れたエピペン。

エピペンは,アナフィラキシーの症状に対して使用し,症状の進行を一時的に緩和する「アドレナリン自己注射薬」です。商品名は「エピネフリン・オートインジェクター」。日本ではファイザーが輸入・販売しています。
ケースから取り出して安全ピンをはずし,太ももの外側に強く押しつけると,中のバネの力で一定量の薬液(アドレナリン=エピネフリン)が注射される仕組みです。

エピペンは専門医の診断の上で「処方」されるもので,基本的に本人が自分に対して使用します。薬局で気軽に購入できるものではありませんし,持ってるからといって第三者に使ってよいものではありません。(医師や救急救命士のほか,食物アレルギーを持つ児童・生徒を想定して,保護者や学校の教職員等が処方を受けた本人に代わって打つことは認められています。)

とは言え,自然体験や森林ボランティアに関わる者としては,自身の蜂毒アレルギーの有無に関わらず,エピペンとそれを使う人のことを知っておくとよいと思います。

 ・蜂刺され等の結果,全身のじんましん,呼吸困難(息切れやゼーゼー),
  意識レベル低下,嘔吐などの症状が複数見られ,アナフィラキシーと
  判断される場合,速やかに救急車を要請する。
 ・本人にエピペンの有無を確認し,持っている場合は使用できるように補助する。
 ・エピペンが使用された場合,本数や時刻を記録しておき,救急隊や医療
  機関へ報告する。
 ・症状は急速に進行することが多いため,救急隊もしくは医療機関に引き継ぐ
  まで目を離さない。
 ・万が一,反応及び自発呼吸が失われた場合,胸骨圧迫やAED等の救命措置を行う。

 

エピペンの効果時間は注射後15分間程度です。打ったからもう安心というものではなく,医療機関につなげる時間を作ってくれるものと捉えるべきと思います。
 
(参考)いずれも2017.09.11.閲覧
「アナフィラキシーってなあに?.jp」
 http://allergy72.jp/
「エピペンを処方された患者さまとご家族のためのページ」
 http://www.epipen.jp/top.html
「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」
 http://www.gakkohoken.jp/book/pdf/0100.pdf
21epi.jpg


毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」をアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

そろそろスズメバチやアシナガバチの巣に働き蜂が増えてくる時。だんだん防衛本能が強くなって,野外活動をする人は用心したい季節になってきました。
 

政府統計で「スズメバチ,ジガバチ及びミツバチとの接触」を原因とする 亡くなった方の数は下記の通りです。
  平成25年 合計24人(男性19人/女性5人)
  平成26年 合計14人(男性  9人/女性5人)
  平成27年 合計23人(男性20人/女性3人)
原因は蜂毒自体ではなく「アナフィラキシーショック」でしょう。 アナフィラキシーとは短時間に全身に起こるアレルギー症状のこと。 蜂毒などの原因物質が体内に入って数分〜数時間で,じんましんやかゆみ,息切れ,嘔吐などが見られます。さらに呼吸困難や意識障害などの生死に関わる危険な状態になった場合を「アナフィラキシーショック」と呼びます。
一説には,2回以上蜂に刺された人の10%にアナフィラキシー症状が起こり, その中のさらに数%がアナフィラキシーショックに至る,ということだそう。根拠となる統計データが見つけられませんでしたが,経験的にそのくらいなのかもしれません。
 
野外活動で蜂刺されを防ぐには「長袖等で肌を守る」「明るい色の服を着る」「香水や整髪料を使わない」「蜂を見かけたら身を低くして静かに離れる」などが基本。運営者の立場であれば「現場下見をする」も必須です。
もし刺されてしまったら,
 ・姿勢を低くし,速やかに安全な場所に移動する。
 ・傷口を流水で洗う。
 ・(受傷者の判断で)抗ヒスタミン系軟膏を塗る。
 ・傷口を冷やして安静にする。
といった対応となりますが,この時に重要なのはアナフィラキシーの症状がないか目を離さずに観察することだと思います。
 
もし全身の腫れやじんましん,吐き気,めまい,息苦しさ,冷や汗などが見られたら,躊躇なく救急車を呼ぶべきと思います。また受傷者がエピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方され持参しているのであれば,自分で太ももに注射してもらいます。蜂毒アレルギーの有無は医療機関で検査できますので,野外活動に関わる人は検査を受けておくとよいと思います。
 
(参考)いずれも2017.08.15.閲覧
「都市のスズメバチ」http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/menu.htm
「アナフィラキシーってなあに?.jp」http://allergy72.jp/
20hachi.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」をアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

博多では山笠が終わり,梅雨が明けました。
急に気温が上がるこの時期は熱中症に注意です。

熱中症とは4種の健康障害の総称です。
 ・体温を下げようと皮膚血管が拡張して脳の血流が減り起きる「熱失神」。
 ・水しか補給せず血中の塩分濃度が低下して起きる「熱けいれん」。
 ・汗をかいた分の水分補給が追いつかず脱水状態になる「熱疲労」。
 ・脳幹を含む深部体温が上がり中枢機能に異常が起きる「熱射病」。
熱中症による死亡者数は平成27年で968人。65歳以上が8割です。

こまめな休憩や水分・塩分補給が必要ということは当たり前になってきました。これら現場での対応に加えて大切なのは「熱中症になりにくい身体」をつくっておくこと。ポイントは「日頃の運動」だそう。

日頃,運動することで
 ・体温が上がりすぎる前に発汗をはじめる
 ・ダラダラ流れるのでなく気化熱を奪いやすいうっすらとした汗をかく
といった体温調節が上手な身体になるとのこと。
運動不足の身体はなかなか汗をかきはじめず,体温が高くなりがち。その後,一気に滝のように汗を流すために塩分を失いやすく,気化熱による体温調節も効きにくくなります。

日頃の運動で無理をしたら本末転倒ですが,比較的涼しい時間に,適度な運動を心がけたいものです。

(参考)いずれも2017.07.18.閲覧
「環境省 熱中症予防情報サイト」http://www.wbgt.env.go.jp/
「熱中症ゼロへ(日本気象協会)」https://www.netsuzero.jp/
「熱中症(wikipedia)」https://ja.wikipedia.org/wiki/
熱中症
「熱中症からカラダを守ろう(大塚製薬)」https://www.otsuka.co.jp/health_illness/heatdisorder/

19gyunyu.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

スズメバチへの備えとしてよく紹介される「ポイズンリムーバー」。

注射器を逆にしたような仕組みで毒を吸い出す器具です。
ポイズンリムーバーを勧めているサイトや書籍はたくさんありますが,その効果を示す試験結果や具体的なデータって,探してもなかなか見つかりません。
 
グリーンシティ福岡の救急セットにもポイズンリムーバーを入れていますが,これまでの活動でハチに刺されたことがないので現場での使用経験はナシ。練習を兼ねて「蚊」に食われた時に使ったりしますが,かゆみや腫れが早くおさまるような気もします。
 
一方で,救急医療の国際ガイドラインを発信する世界的権威とも言える団体「アメリカ心臓協会(American Heart Association)」と「アメリカ赤十字社」が作成した「ファーストエイドガイドライン」では,「ヘビの咬傷」に対する「吸引」は明確に否定されています。
"Do not apply suction as first aid for snakebites.”  "Suction does remove some venom, but the amount is very small. Suction has no clinical benefit and it may aggravate the injury.”
「ヘビの咬傷の応急処置として吸引は行わない。毒を吸い出しても量はわずかで,効果は無く,傷を悪化させる恐れもある。(志賀訳)」
本文は下記URLの "15:First Aid” から "8.9.1 Snakebites” を選択してください。https://eccguidelines.heart.org/index.php/circulation/aha-red-cross-first-aid-guidelines/
 
上記ガイドラインを根拠に,ポイズンリムーバーを使わないように指導する救急講座や指導者もあります。(長崎のアウトドアマンMっさんに教えていただきました。ありがとうございました。)
 
ポイズンリムーバーをお持ちの団体や施設も多いですが,その効果を過信せず,
 ・事前の下見や服装の準備などでハチ刺されを未然に防ぐこと。
 ・刺された場合,現場からの移動,アナフィラキシーの症状がないかの観察,
  必要に応じ通報や搬送。
といった対策や対応を行うことが優先と思います。
その上で余裕があれば,受傷者の自己責任で,腫れや痛みを軽くするために使うもの,というくらいの認識がよいのではないでしょうか?


(2022.05.23.追記)
上記の「ファーストエイドガイドライン」のサイトがリニューアルしていたようです。現在は下記の場所にあります。
https://cpr.heart.org/en/resuscitation-science/first-aid-guidelines/first-aid
下にスクロールさせて「7.9Human and Animal Bites」「7.9.1Snakebites」の箇所です。

18poison.jpg

1)「顔の保護シールド付きヘルメット」。

  予想以上にいいものですね!
  志賀島-海ノ中道サイクルツーリズム協議会さんとのご支援をいただく
  「しかボラ・サイクリストクリーンデイ」で初使用となりました。
  顔の怪我を予防するだけでなく、竹林内での安心感があり作業効率まで
  変わってきそうなくらい,と感じました。
 
2)子どもには子ども用ヘルメット。
  志賀が代表を務める「こうのす里山くらぶ」。特別緑地保全地区での
  活動に対し,この春,福岡市みどり運営課さんより子ども用ヘルメット
  10個のご支援をいただきました。ありがとうございました。
  管理放棄され密生して,枯れ木や落ち枝が心配な樹林が増えています。
  子どもの安全を守るために必要な保護具だと思います。
 
3)ヘルメットの耐用年数は3〜5年。材質によって異なります。
  これは法的な規制ではなく(一社)日本ヘルメット工業会が屋外暴露試験
  などをもとに定めた基準です。耐用年数を過ぎてもまだまだ使えそうに
  見えるヘルメット。処分するのは忍びないですが…お譲りするわけにもいかず…。
  グリーンシティ福岡で使っているのはABS樹脂製なので
  福岡市では「燃えるごみ」。FRP製だったら「燃えないごみ」となります。
16helmet.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

この冬の森林保全活動で1名が軽傷を負う事故が発生しました。
竹林での間伐作業中、掛かり木状態になった枯れ竹を処理していたところ

枯れ竹がはねて額を打ち擦過傷を負ったものです。
 
原因として、作業時に考えられるリスクの共有不足、保護具の不備が考えられました。
 
これを受け、グリーンシティ福岡では
 ・顔面を保護するシールド付きのヘルメットの整備
 ・竹林作業で考えられるリスクの図解資料作成とオリエン時の使用
を行うこととしました。
 
軽傷とは言え、当事者・関係者のみなさまにご迷惑をおかけすることになった点、
お詫びいたします。
今後、事故の大小に関わらず安心して活動ができる体制づくりと運営を心がけていきます。

youtubeなどの動画投稿サイトには,様々な事故の瞬間を撮影した動画がアップされています。

特に林業の現場は伐倒の様子を動画撮影していることがあるため,
事故の瞬間を捉えた動画もたくさんあります。

 

以下のURLは,林業関係者向けの技術講習を行っている知人が受講者に
よく見せている事故の動画(15秒)。
 https://www.youtube.com/watch?v=9OTL9TSyBbc
【注意】
 ・流血はありませんがビックリすると思います。
 ・関連動画には深刻な事故動画も一部あります。苦手な方は関連動画を
  見て回らない方がよいです。
情報が少なく,その後,この被災者がどうなったかはわかりません。
怪我が少しでも軽く済んでいるように祈ります。
 
この事故から私たちが学ぶことにはどんなものがあるでしょうか?
例として一つ挙げるとしたらハシゴを使った高所作業のリスク。
「転落」するリスクは想像しやすいのですが,
この動画では「逃げられないこと」の怖さがよくわかります。
 
森林ボランティア活動でハシゴ等を使った高所作業を行うことはあまりありません。
ですが地上での作業であっても,足元の整理整頓を心がける等して,
とっさの時に素早く回避できるようにしておくことが大切と感じました。
 ・逃げ道を確保しているか?
 ・足を引っ掛けるような枝が転がっていたりツルが出ていないか?
 ・周囲にナタやノコギリなどが地面に放ったらかしにされていないか?
などを常に意識したいものです。
 
他にも,このような動画から学ぶことができる点はいろいろあります。
スタッフやボランティア同士で観て,意見交換するのもよいと思います。
 
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。
野外活動や体験プログラムを行う団体が加入する損害保険には、
「傷害保険」と「賠償保険」の2種類があります。
私(志賀)自身、保険について十分な知識を持っていませんでしたが、
数年前に町頭隆児さん(有限会社オフィステラ)の講義を受けてから、
ずいぶん意識が変わりました。
以下、町頭さんからの受け売りも多いですが、傷害保険と賠償保険の概要をまとめています。
 
傷害保険は、簡単に言えば事故で怪我をした人の治療費を補償する保険です。
 例)・トレッキング中に山道で転倒して骨折した。
   ・森林ボランティアで草刈り中にカマで手を切った。
傷害保険が適用される事故の定義には3つあります。
それは「急激」かつ「偶然」な「外来」の事故であるということ。
ゆっくり起きること、当然考えられる事態、自分でやったことによる怪我は適用外です。
 
その点で注意したいのは熱中症。
「急激」な事故とは言えないため、通常は適用外となります。
また、イベント時に単発で加入することが多い、
いわゆるレクリエーション保険は、刃物や動力による怪我が適用外だったりするので、
想定される怪我が保険の対象になるかどうか、
約款を確認したり、代理店に問い合わせることをお勧めします。
 
一方の賠償保険は、他人に損害を与えてしまい、賠償を求められたときに補償をする保険です。
 例)・炊き出しで豚汁をこぼして他人に火傷をさせた。
   ・森林保全活動で切り倒した木が近くの車を傷つけた。
   ・自分の子どもが棒を振り回して、別の子どもの目を負傷させた。
賠償保険は「偶然」な事故で「他人に損害」を与え「法律上の賠償責任」を負った場合に、
保険金が支払われます。野外活動や環境保全活動などでは、
自分自身による怪我だけでなく、他人に怪我をさせたり他人の財物に損害を
与えたりするリスクも考えられます。傷害保険だけで安心するのでなく、
賠償保険とセットで加入することが不可欠です。
 
2月14日には、保険の専門家である町頭隆児さん(有限会社オフィステラ)を
お招きしてのイベントを開催しました。ご興味ある方はブログをご覧ください。
2/14 第4回「ふくおか環境連絡会議」
15hoken.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

野外活動やイベントでは、そこでどのようなリスクが考えられるのかを
洗い出し、その対策・対応を準備しておくことが大事です。

考えられる危険を事前に評価して備えることを「リスクアセスメント(=危険の評価)」と呼びます。
志賀が理事を務めるNPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク

https://www.facebook.com/jcvn.net/)の研修でも重視しており、
時間を多めに割いています。


ごく簡単に説明すると、リスクアセスメントは以下のように進めます。
 1)計画している活動やイベントで考えられる「リスク」を全て書き出す。
 2)個々の「リスク」について「程度」「頻度」の両面から三段階評価する。
 3)個々の「リスク」で、起こさない「対策」と起きた時の「対応」を考える。
 4)「対策」と「対応」に基づいた行動(計画の変更、道具の準備など)を行う。
リスクアセスメントを行うと安全意識が高まり、目配り・気配りのポイントが
共有されるため、スタッフトレーニングとしても非常に効果的です。

似た取組みに「KY(危険予知)活動」があります。
進め方自体はよく似ていますが、以下のような違いがあります。
<リスクアセスメント>
  ○主催者や責任者、企画担当者が、
  ○活動・イベントの数週間〜数ヶ月前(企画・計画時)に、
  ○安全な企画・プログラム・体制づくりを行うために実施する。
<KY活動>
  ○当日のスタッフ全員が、
  ○活動・イベント実施の直前(当日の朝など)に、
  ○安全管理に関する情報共有や意識向上を行うために実施する。

自然学校やNPOでは組織が小規模なため、責任者や企画担当者と
当日のスタッフが同じで、あまり違いが無いということもあるでしょう。
大事なポイントは、
1)企画・計画段階で無理のない計画づくりや、事前にできる準備・
  体制づくりを行うこと(リスクアセスメント)
2)当日に、その日関わるスタッフ全員で安全に関する情報や
   思いを共有して活動にのぞむこと(KY活動)
というところにあると思います。



毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

   イベント実施の可否判断や雨具・装備の準備,参加者やボランティアさんの

体調管理などの点で天候予測及び判断はとても大切です。場数と経験を積んで
天気を読めるようになるのがよいと思いますが,最近のスマホの天気予報アプリも
これでなかなかスゴいです。
 
   天気予報アプリ,数年前に比べても格段に便利&精度向上したサービスが増えてますね。
オーソドックスですが,私は下記を使っています。特に「雨雲ズームレーダー」が便利です。
微妙な天気の中,森林ボランティアの作業をするときなど,雨雲の動きを見ながら
作業内容や休憩のタイミングを検討します。
<Yahoo!天気>
iPhone https://goo.gl/AxJuY3 / Android https://goo.gl/FI1cTB
 
 同じように災害情報や地震・台風についての通知を受けるため防災速報も
  インストールしています。各種注意報や警報が出ているかどうかも把握して
  おきたいところ。活動現場の風雨だけで判断するのでなく,その地域に気象警報等
 が発表されていないか?が判断のポイント。参加者・ボランティアの行き帰りの安全
  のことも考えておきたいものです。
<Yahoo!防災速報>
 iPhone https://goo.gl/lHVu5u / Android https://goo.gl/GPnfCe
 
 暑い季節には熱中症についての情報収集も行います。ブラウザで活動地域の
 WBGT(熱さ指数)の情報提供ページをブックマークしておくとよいです。
  WBGTとは気温に湿度などを加味した熱中症予防のための指標。私は確認漏れ
 を防ぐ意味も込めて,5〜10月の間はWBGTの情報提供ページの「リンクアイコン」を
  ホーム画面に追加しています。
<環境省 熱中症予防情報サイト>
http://www.wbgt.env.go.jp/
 
 でもホントに言いたいのは,スマホに頼りっぱなしになるのもマズかろう,
  ということ。雨雲レーダーと現場の風雨,WBGT値と実際に感じる暑さなど
  を比較しながら,「便利なツールも使うし身体でも覚える」というのがよい
  と思います。
13smapho.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

グリーンシティ福岡が運営したイベントの回数は平成26年度で93回、

平成27年度で63回。この内、約6割が野外での保全作業や観察会、ウォーク。
約4割が室内のワークショップや研修です。この中で、事故や怪我の対応のために
救急セットを開けたのは年に3〜5回。「ちょっと絆創膏ちょうだい」も含めてです。

事故が起きた場合、イベント後のふりかえりで発生の経緯や対応内容の記録、
補充する救急用品の確認を行います。実際に自分たちの現場で起きた事故・
怪我の対応事例を記録しておくのは大事なことですね。
参考として、こんな雰囲気です,という意味で4例挙げておきます。


1)近郊の低山での登山イベント。

  山頂で昼食をとった後の下山時、時刻は
  13:30頃。下り道の石に60代女性が足を滑らせ転倒、左上腕に10cm及び
  肘に5cm程度の擦り傷。泥汚れと血液を洗浄した結果,出血はごく少量、
  用意していた絆創膏より傷口が大きかった。そのため、滅菌ガーゼと包帯で
  傷口を保護して下山した。
 
2)坂道の多い住宅街でのウォーキングイベント。10:00の出発から約1時間後の
  休憩時、50代女性が膝痛を訴えた。膝まわりを保護するテーピングを行った。
  結果、痛みが軽減したとのことで、その後も様子を観察しつつ正午の終了まで
  ウォーキングを継続した。
 
3)室内の研修イベントにて、午前中の休憩時間に30代男性が足首をねんざ。
  足首を保護するテーピングを行った。結果、痛みが軽減したとのこと。
  イスに座った状態で研修を継続し、適宜,様子を確認した。
 
4)竹林の整備ボランティア中、目にごみ(竹のクズ?)が入った20代女性
  ボランティア。使い切りパッケージの目薬で洗浄した結果、異物感や痛みも
  無くなったため、作業を継続した。
 
事故や怪我は、なぜ起こしてしまったのか?ベストな対応だったか?など
悔やまれたり、正直,他の人に見せたくなかったりします。しかしスタッフ間で
きちんと共有することが、事故を減らし、対応能力を高めていくと思います。
12kyukyuset+.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

このコラムの第2回では「事故事例収集」を扱いました。
今回は収集した事故事例を使って短時間でできる研修のやり方。
事故事例の記事とA4紙を用意します。以下,進め方です。

 0)題材にする事故事例の記事を選んでおく。
 1)出席者それぞれで事故事例の記事を読込む。
 2)全部で三つの質問に個人で考えA4紙に記入します。
  2-1 事実:あなたが着目した事実は?
     記事から確実に言える事実を抜き出します。
  2-2 考え:それをどう思うor考えますか?
     その事実が起きた背景や理由を推測したり,
     事実に対する評価や考えを記入します。
  2-3 対策:あなたは何ができますか?
     その事故を起こさないためにできることを
     その理由とともに挙げていきます。
 3)
書き出したA4紙をもとに出席者同士でディスカッションする。

 4)対策の中で,自団体に取り入れ仕組み化できるものを選ぶ。
 
不幸にして起きてしまった事故ですが,そこから学び同じようなケガ人や
被害者を出さないようにしていくことが大切と思います。
 
第5回で扱った「ヒヤリハッと研究」と対になるような研修と思います。
ヒヤリハッと研究は,自団体で起きた事故やヒヤリとした事象を題材に
今後の安全管理に活かすもの。
事故事例研究は,他所で起きた事故を自団体で起きたとしたら?と想像し,
今後の安全管理に活かすもの。
安全管理の土台である「意識」を育てていくためにも効果的な研修です。

 

11jikojirei.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

安全管理のコラム第10回「朝の問診」 2016年8月

前回に引き続き、ウォーキングやトレッキング等での話題です。

長い距離を歩いたり低山の登山をする時、
集合時間に早く集まってくれた参加者から順にベンチに座ってor立ち話で
出発前の「問診」をしています。8項目ほどで、時間にして2〜3分間程。
項目はイベント内容や季節、フィールドによって変わります。例えば…
 「登山経験は?」○:月に数度〜 / △:年に数度  / ×:ほとんど無し
 「睡眠は十分?」○:普段通り  / △:少なめ   / ×:ほとんど無し
 「適した靴か?」○:登山靴など / △:日常の靴  / ×:不適な靴
 「飲み水は?」 ○:1L以上  / △:500ml以上  / ×:500ml未満
 「常備薬があるか?飲んだか?」や「既往症」などについて尋ねることも
あります。これらは個人情報やプライベートな内容でもありますので、
伺った内容について「当日のスタッフ以外には共有しないこと」「終了後、記録を破棄すること」
をお伝えします。

安全上、ガイドするのは20人以下のことが多いので、問診をすることによる
混雑はそれほどでもありません。しかし、スムーズに開始できるように
受付担当とは別に問診の担当者を設けておいた方がいいですね。

問診結果については、手早くスタッフのみで共有して出発します。
朝のあいさつや世間話を交えながら問診することは、
ガイドと参加者の信頼関係づくりやアイスブレイクにもなっていると感じます。
参加者側にも「今から出発するんだ」と気持ちを引き締める効果があると期待しています。

覚悟を持ちたいのは、
参加をおすすめできない(不適切な装備、重度の二日酔い、体調不良など)と判明した場合、
参加をお断りする勇気が必要になるということ。
スタッフ数に余裕があれば特別対応をすることもあるかもしれませんが、
全体の安全に関わる場合はお断りしなければならないでしょう。

宿泊を伴うキャンプであったり、よりリスクの高い活動(本格的な登山や海・川での体験)
であれば、事前の郵送・メール等でのやり取りで危険の告知や
個別の承諾をとるべきと思います。

問診は、より気軽で比較的リスクの小さい活動でのやり方と考えています。

10monshin.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

グリーンシティ福岡は,
九州自然歩道の活性化を目指す「九州自然歩道フォーラム」の事務局団体です。
なので,ウォーキングやトレッキングのイベントも行います。
その際に気をつけていることの一つに「午前中の急激な運動」があります。
 
私たちのイベントに参加してくださるのは登山や運動に慣れた人ばかりではありません。
都市部での活動やイベントが多いと,日頃は運動してないけれど
自然にふれあいたいという方も多くいらっしゃいます。年代もさまざま。
特にそのような場合,午前中の急激な運動に気をつけるのは,
身体が暖まっていない状態で急に心臓に負荷をかけたくないから。

心配しているのは「心筋梗塞」です。

 

参加者自身の年齢や体調,運動習慣,病歴,前日の睡眠時間や飲酒,
当日の水分摂取量,ストレスや心配事など,参加者側が持つリスク要因があります。

が,一方で「初っぱなから(10分程度でも)急な坂道や神社の石段を登る」 というようなコース設定は,明らかに運営側のプログラムによるリスク要因です。

それを避けるためには,身体が暖まるまではゆるやかなコースにする,
もしくは坂道は半分程度のペースで登る,などのプログラム上もしくは運営上の
工夫が必要でしょう(登山に慣れた方にはじれったいかもですが…笑)。
 
書籍「ドキュメント・山の突然死(柏澄子/山と渓谷社)」などで,
実際の事故事例を知ることができます。
午前中や行動を開始した直後のリスクが 高いこと,
そして中高年の男性に多いことがわかります。
 
AEDなどの対処方法ももちろん大事ですが,
まずは予防,起こさないことに 力を注いでいきたいですね。
09gozen.jpg

毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

仕事柄、いろんな体験施設や公園、ボランティア団体などを訪問しますが、
雰囲気がゆるせば、管理者やスタッフに事故や怪我など安全についての
お話を聞いてみたりしています。
 
相手がイヤな気持ちになったり、ドキッとするかも、と心配なので、
重たくならないように気をつけながら。
例えば、
「いやぁ、この前うちで 観察会やった時スズメバチと出くわしちゃって…。
今年、こちらではスズメバチどうですか?」とか、
なるべく自分に起きた出来事を先にしゃべった上で尋ねるようにしています。
その後、
「これまでスズメバチの事故とかありました?」と詳しく訊くこともありますし、
ただ世間話を続ける場合もあります。
 
問題意識としてあるのは、ボランティア団体や指定管理者がいるような
大規模公園、キャンプ場、まちづくりイベントなどでの事故や怪我って、
(新聞沙汰にならない限り)あまり共有されないということです。
身内の事故や怪我って、あまり公表したくありませんしねぇ…。
言いたくないことを無理 に訊きほじるのはよくないことですが、施設や地域、
団体を超えて共有することで役立つ情報もたくさんあるように思っています。
 
反面、登山やカヤックなど比較的「ハード」な体験活動を楽しむ人の間では
安全管理に関する情報交換はとても盛んだと感じます(特に飲み会では!)。
ボランティアやまちづくりの分野でも、マジメかつオープンに
安全管理について意見交換や情報共有できる文化を作っていきたいです。
08dounatta_.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

戦略的お茶コーナー…

それはお菓子をたくさん用意したお茶コーナー(笑)。
 
熱中症に注意しましょう!という言葉。夏場によく聞かれますが、
ちょうど今からの5〜6月の暑い日が一番危険なんじゃないかと思っています。
まだ身体が熱さに対応していない感じがしますし、予想外に暑くなって服装が
あわなくなったり…。梅雨前後の湿度の高さと相まって、暑さや水分不足で
バテてしまうことがあります。
対策としてはこまめな休憩と水分補給が一番。しかし里山保全活動では、
休憩してお茶を飲むより作業を続けたいという熱心なボランティアさんも
時々いらっしゃいます。
 
グリーンシティ福岡の現場活動では、少しでも休憩の時間を楽しく、魅力的に
しようとお茶やお菓子を十分に用意するようにしています。その時に注意して
いるのは、甘いものと塩っぱいものを両方用意すること、暑さで溶けるもので
ないこと、遠慮しないように大袋は空けておくこと、などです。
ただ、気心の知れた、いつもの顔ぶれ同士のボランティアグループだったら、
基本各自で飲み物を準備するのがよいと思います。私たちの場合は、
初顔合わせや初心者、家族連れの方が毎回参加するので、このような工夫を
しています。
 
たかがお茶コーナー(笑)、と大げさに思うかもしれませんが、
めんどくさがらずに水分補給してもらうのは安全管理上とても大事。
もし朝寝坊して朝食を抜いた人がいたとしても、ちょっと口にすることもできます。
 
お茶菓子の経費について、おやつコーナーの真ん中に「おやつカンパ」の
募金箱を設置すると皆さん快く応じてくださいます。ほとんどの助成金が
このようなお茶やお茶菓子が助成対象外になっていますが、
救急セットと同じくらい必需品だと思うけどなぁ!
anzenkanri07.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

今回は「救急セット」

 グリーンシティの救急セットは厚手のジップロックを容れ物にしています。
  ・かさばらなくてリュックにも入れやすいこと。
  ・透明で中身が確認しやすいこと。
  ・ぬれにくい、もれにくいこと。
  ・安いこと。
 が利点です。
 
 セットの中身は以下の通り。
  絆創膏、使い捨て目薬、虫さされ薬(抗ヒスタミン軟膏)、毛抜き、
  ハサミ、ティッシュペーパー、サージカルテープ、テーピング、
  三角巾、包帯、ガーゼ、綿棒、ポイズンリムーバー、使い捨て手袋
  これに、別途、飲料用にもなるPETボトルの水を持っていきます。
 参加者に対して内服薬は出さないようにしています。
  また、水で洗浄することはありますがマキロン的な消毒は行いません。
 
 使える救急セットにするポイントは2点。
 一つは、使える技術を身に付けておくこと。テーピングの仕方や
 止血の方法などを練習しておきたいものです。
 もう一つが点検・補充すること。グリーンシティでは4月と10月に
 「救急セットの棚卸し」を行います。
 
  先日、ボランティアのKさんがチェックしてくれ、
  使い捨て目薬と虫さされ薬(抗ヒスタミン軟膏)を入れ替えました。
  テーピングやガーゼ・包帯類も古くなったら
  練習用に使って入れ替えるとよいと思います。
 
 中身のリストをカードにして、点検日をチェックできるようにしておくと
 いいですね。いざ使おうと思ったら使用期限が過ぎていた、なんてことが
 無いように気をつけましょう。
kyukyubako.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。

活動やイベントの後のふりかえり。
いつも「KPT」の手法で
「良かった点(K)」
「悪かった点(P)」
「次回に向けた改善点(T)」
を記録するようにしています。

特に野外の活動では,「悪かった点」の一部として「ヒヤリハッと(以下,HH)」を

意識して出すようにしています。
HHの例)・ノコギリで手を切りそうになった,
      ・気分が悪くなった参加者があった
      ・たき火でうっしーの前髪が焦げた
 
グリーンシティでは,毎回の活動で蓄積したHHの記録を活かして,
3ヶ月に一度,スタッフによる内部研修「HH研究」を行っています。
そのやり方をご紹介します。
(CONEのリスクマネジメントディレクター研修で行った実習を
 グリーンシティ福岡でアレンジして行っているものです。)
 
 0)3ヶ月分の記録からHHを箇条書きで抜き出す。
   例えば,2015年11月〜2016年1月の期間では,
   9つのイベントで25個のHHがありました。
 1)抜き出したHHのリストを読み上げて当時の様子を思い出す。
 2)気になった事例を1人1つずつ選ぶ(スタッフ3人なので3つ)。
 3)1つ目の事例について,なぜ起きたのか?どうしてそのような
   判断をしたのか?くり返し質問して掘り下げる。
 4)その上で対策を考える。
 5)対策を実行するために,書式に組み込んだり,フリップや道具を
   揃えたりする「仕組み化」を考え,その担当者を決める。
 ※2つ目以降の事例について3)〜5)を繰り返す。
 
時間を置いて実際に起きたHHを思い出し,
あらためて安全対策を考えることは効果的です。
グリーンシティ福岡では2月,5月,8月,11月に「HH研究」を行っています。
anzen1604.jpg
毎月1回(15日頃)に発行する、グリーンシティ福岡のメールマガジン。
その中の「安全管理コラム」を月遅れでアップしています。
メールマガジン配信ご希望の方はお問合せフォームよりお知らせください。